見出し画像

「星の王子さま」との出逢い~能と音楽で綴る物語~

会場:小金井宮地楽器ホール
アクセス:JR小金井駅すぐ
鑑賞日:2024年3月9日

能って。
眠くなってしまうのですが。
今回は眠くなりませんでした。

なぜなら、
1)星の王子さまのストーリーを知っている
2)画像が出る
3)字幕が出る
4)ナレーションが入る

出典:X 「咳をしても一人」仲野麻紀


つまり、初心者(私)が能を鑑賞したときの「何を言っているんだかわからない」問題がありません。

そして、眠くなる理由は、ゆーっくりとした調べかな、と思うのですが、サクスフォーンのメリハリが、それを破ってくれます。

能楽師の津村禮次郎さんは、重要無形文化財保持者。
世界で公演をしながら、地元小金井で「小金井薪能」を設立し、43年間続けられています。
最後のトークショーで「私は星の王子さまではなく、星のおじいさまです」とおっしゃって笑わせてくれましたが、とても83歳とは思えない、しっかりした足取りでした。

昨年の「小金井薪能」のリーフレット。


サクソフォーンの仲野麻紀さんは、一番体力を使ったと思います。
1時間半、サクソフォーンのみならず、クラリネットとピアノも奏で、フランス語で歌をうたい、七面六臂の活躍でした。
フランスに在住し、世界を飛び回り、神社仏閣・田畑農場・図書館・山頂など、さまざまな場所で演奏しているそうです。


中でもっとも若手、太鼓の佃良太郎さん。
単調だと思っていた太鼓が実は、天井まで轟かせる不穏な音から、落涙するようなか細い音まで、豊かな表現力を持つものだと知りました。
最後のトークショーで、サクソフォーンと会話ができた、とおっしゃっていました。
楽器と楽器の会話って、すごい。


何より演出がすごい。
川島恵子さんという女性なのですが、

能楽師:はあっ〜〜〜
太鼓:とん!
ナレーション:大切なことは 目には見えない
サクソフォーン:ファファファーーーン

これらが混ざり合い、絡み合い、決して邪魔せず、マッチしているのです。

こんな演出方法があったのですね。



カバー写真:リーフレット

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?