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オニヤンマの呪い

「注意⚠️」
タイトルからお察しの通り、虫についてのお話しです。
虫が苦手な方、逆に昆虫を愛してやまない方は、閲覧をご遠慮ください。


まずい!夏の間に投稿しようと思っていたのに、夏が終わってしまう。

インスタやXで「おにやんま君」という虫除け商品をみた。

我が家は毎年どこかしらにアシナガバチが直径5センチほどの巣を作りに来るので、見つけしだい夫に駆除してもらっている。

たまに気づかず、冬に巣立った後の巣を発見することもある。
翌年再利用されてはいけないので、見つけ次第取る。

おにやんま君をぶら下げておけば、巣を作られないのでは?と思い購入を検討していたところだった。

レビューをあちこち読んでみたが、すでに巣がある場所には効かなかったと書いてある。

来年は早めにぶら下げて、効果があるか検証してみたい。



で、なにがオニヤンマの呪いなのかというと、この商品を見て昔を思い出した。

皆さんは子供のころ、虫に意地悪したことがあるだろうか?

よく聞くのはアリの巣に砂を入れたり、水を入れたりしてみる、なめくじに塩…みたいなやつ。

わたしは一人っ子で子供のころ、夏休みになると1カ月祖父母の家に預けられていた。

祖父母の家は東北の山奥にある村で、キレイな小川が流れる自然豊かな場所だった。

母は7人兄弟の4番目の子で、祖父母宅には、長男夫婦も同居していた。

そんなわけで、わたしには従姉妹が11?12人?程いるのだが(会ったこともない子もいるので曖昧。)この家には年齢が近い従姉妹が2人いて、一人っ子のわたしは毎日一緒に遊べて楽しかった。

でも時々2人は祖父母家の裏にある、はとこ達のところへ遊びに行ってしまう。

わたしは、このはとこ達が苦手だったので、そういう日は1人で遊ぶしかなかった。

とにかく自然豊かな場所なので、野生のリスやクマ、ヘビを見ることもあった。

クマが出た日はさすがに危険で遊びに出るなと言われたので、ドキドキしながら家の窓から様子を伺っていた記憶がある。


ここからですよ…とにかくトンボの数が異常だった。

時間によっては大群といっても大袈裟じゃないほどいる。

最初は草の上に止まっているトンボをビクビクしながら狙い捕まえる。人生初、素手で。

トンボ類は家庭で使用する扇風機などの回転体にしばしば反応して接近するものがあるが、ひもの先に小石などをくくりつけたものをぐるぐる回して採集する方法が知られており、トンボの前で指をぐるぐる回すと簡単に捕れるのと同じ理屈である。

Wikipedia

トンボの前で指でくるくるは簡単ではない!コツがいる。

くるくるを早すぎず遅すぎず思っているよりも長くやってみてほしい。トンボがこちらの指に集中している瞬間を見極め狙え!(個人の感想です。)

話しを戻そう。
それに慣れてくると、人生初の虫取りあみを買ってもらい、飛んでるトンボを次々と捕獲していく。

大群の時間になると、適当にあみを振っていても、どんどん捕まえられる。あみの中はトンボ大渋滞。

キャッチ&リリース。
キャッチ&リリース。
キャッチ&リリース。
キャッチ&リリース。
キャッチ&リリース。
キャッチ&リリース。



ワァー!もういやだー!
あ・き・たー!

そんな時…わたしの中のワルガキがささやくのですよ。


「トンボとお散歩してみない?」


ト、トンボとお散歩⁉︎
どういうこと?楽しそう!

早速捕まえたトンボに紐をくくりつける。
詳細は省くけれど、子供のわたしにはなかなか難しかった。

ついにトンボを飛ばす。

トンボの散歩というか、トンボに合わせてわたしが歩いたり走ったりしているだけなので、わたしがトンボに散歩されていると言っても過言ではない。

こんな非情な散歩にも飽きてきたころ。(本当に申し訳ございませんでした。ちゃんと呪われます。)

スーッとカッコ良く飛び去っていく巨大トンボが!


オニヤンマだ!



またもやわたしの中のワルガキが囁く。(呪われるとも知らず。)

「オニヤンマと散歩してみたくない?」


えっ!オニヤンマと⁉︎
さすがにそれは無理があるんじゃ……楽しそう!

ところがさすがオニヤンマ。
とにかく速い。
そう簡単にはあみでも捕まえることは難しい。

パトロール速度は平均して2メートル/秒で、朝晩の気温の低いときは速く、日中の気温が高いと遅くなる。また、パトロール時の水面からの飛行高度は概ね20センチ以下で、気温が低くなる時期には飛行高度は低くなる。

Wikipedia

どうやったらオニヤンマを捕まえることが出来るのか、数日考えた。そして見かけたら観察し、気づいたことがある。

①どうやら奴らは低空飛行が多い。

②いつも同じルートで見かける。

このルートが縁側の目の前の道で、林道につながる道だった。

そこで粘り強く待った。
勉強もせず待った。

夏休みの子供には時間がありすぎる。有り余りすぎる。

捕獲するその瞬間を毎日毎日ひたすら待つ。

来た!

遠くからでも認識できるほど、大きい!

あみを構える。

あと3メートル、2メートル、1メートル。

あぁ!失敗!よけられた!
ちゃんとあみを認識している。

次のチャンスは、次の日すぐ来た。
今度はギリギリまであみをかまえず(どうぶつの森のタランチュラ捕まえる時みたいだな。)遠くから来るオニヤンマの高さとタイミングを合わせてあみを振る。

やった!捕まえた!


ついにオニヤンマとお散歩をする日が!

オニヤンマにひもをくくりつけるのは、普通のトンボの何倍も難しかった。というか、怖かった。

オニヤンマを飛ばす。

ところがめちゃくちゃ怖かった。時にはこちらに向かってくる。ひもを長くしないと散歩などという悠長なものではない。

あまりに手に負えないので、わたしはオニヤンマを縁側の端の何か(忘れた)に紐をくくりつけておいた。
そしてその日すっかり忘れていた。

夜になり雨戸を閉めた縁側は暗い。
何を取りにいったのか忘れたけれど、縁側にいくわたし。

イダァーーーーーー!!!

激痛がはしった。
かかとに…かかとに、オニヤンマが噛み付いている。
弱ったオニヤンマが床にいたことに暗くて気づかなかったのだ。

足を振るぐらいじゃ離してくれない。手で振り払った。

トンボ一般と同じく食性は肉食性で、ガ、ハエ、アブ、ハチなどを空中で捕食する。樹の枝にとまりニイニイゼミ等を捕食していた事例もある。

Wikipedia

大顎の力も強く、咬まれると出血することもあるので捕獲した際などは注意が必要である。

Wikipedia


はい。出血しましたとも。



オニヤンマが弱っていて良かった。軽傷ですみました。
おバカなわたしはこれを2回も経験している。

これを機に反省し、トンボの散歩は二度としなくなった。


あれから40数年。


あちこち引越したけれど、オニヤンマが飛んでるところなんて片手の数ほども見たことがない。

なのに10年に一回ぐらいの割合で、オニヤンマの死骸に遭遇する。

これはやはり…

お前を見てるからな。
末代まで呪ってやる!

と、いう警告かもしれない。

夕方のうす暗い部屋で、一歩足を踏み出した足の裏に3センチほどのゴキがいたことも…。

洗い立てのジーンズを履いた後、「あれ?ポケットに何か入ってるな。」と手を突っ込んで掴み出してみたらカメムシだったことも…。

きっとオニヤンマの呪いなのだ。

先日、運転席から降りた瞬間、足元から「カサッ」と音がしたので見てみると…

オニヤンマの死骸が!

本屋の駐車場で⁉︎
そんなことある⁉︎

ちなみにこの日です。☟

呪いのせいで買えなかったに違いない。

来年からは「おにやんま君」をぶら下げるつもりなので(この後に及んで恩恵を受けようとするたわけ者)毎年春夏になると背筋が凍る…じゃなかった背筋を正そうと思う。

娘たちよ、良く覚えておくのだ。
オニヤンマの呪いは末代まで続いておる…かもしれん。

すまん。


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