R 社長12年生/編集者

年収1千万円の女子を主人公にエッセイ風の短編を執筆しています。本業は編プロ経営。仕事が…

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年収1千万円の女子を主人公にエッセイ風の短編を執筆しています。本業は編プロ経営。仕事が楽しい。自由になるお金もある。でもなぜか急に寂しくなるあなたへ。

最近の記事

大阪Wホテルと年収1千万の女

本日の主人公 Age:42 Job:証券会社勤務 大人のラブホなんて皮肉な言い方をされる「W 大阪」は、そう呼ばれるのが納得いくような電球の数で、キラキラではなく、ギラギラっていうのが相応しい。 2021年3月の開業からずっと行きたくて、彼に誘われたときには、子どものように飛び跳ねて喜んだ。 御堂筋に面した黒い入口を入ると、黄色とオレンジの光のトンネルが約10メートル。「写真撮らなきゃ!」と後ろを見ると、彼が私の後ろ姿を撮ってくれていた。 再度2.3歩進み「上手に撮っ

    • 神戸シェラトンのクロワッサンと年収1千万の女

      本日の主人公 Age:37 Job:不動産 新神戸駅からバスで海側へ20分。ベイエリアに渡る橋から見る海は、地上から見るそれとは異なり、ホテルへの道のりをより一層わくわくさせる。ひとり旅はもう慣れっこ。iPodと文庫本さえあれば、むしろひとりが心地いい。 神戸港と六甲山まで見渡せる神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズと聞くと、さぞ美しい景色と想像させたが、周りに高層の建物が多いせいで、高層階山側は、景色より近くのビルが目に入った。 大丈夫。今日の醍醐味は温泉だから。各階

      • poradaの家具と年収1千万の女

        本日の主人公 Age:39 Job:弁護士 大学生の頃は年収1,000万なんて聞くと、とてもお金持ちなんだと思ってた。年に数回海外旅行に行って、素敵なお部屋で素敵な家具に囲まれて。シェフとかを家に呼んでホームパーティーを開くのだと。 でも実際は、顧問先や裁判所に行くのに恥ずかしくない程度の服を買い、週に2,3度飲みに行ったら、タワマンに住める余裕なんて残ってない。 弁護士の間では後輩に奢るのが通例。そこそこの年齢になった私は、そこそこに奢る機会も増えた。たいそう気に入っ

        • サウナと夜の高揚感と年収1千万の女

          本日の主人公 Age:34 Job:会社経営 「夜の営み後の、あの高揚感が味わえる」。得意げに友人に言うと、いつも「嘘でしょ」と突っ込まれる。ここ数年、じわじわとブームになりつつあるサウナ。 オリコンに入ったアーティストを見て「インディーズの頃から、いいと思ってたんだよね」という人を見るとなんだか微妙な気持ちになるけど、子どもの頃からサウナが好きだった。 私とサウナと夜の営みいや、サウナというよりサウナ後の水風呂が好き。いや、サウナの後の水風呂の後の、心臓のドクドクが好

        大阪Wホテルと年収1千万の女

          名古屋マリオットアソシアホテルのラウンジと年収1千万の女

          本日の主人公 Age:34 Job:内科医 「離婚して欲しいと思ううちは、愛してないのよ」。名古屋マリオットアソシアホテルのラウンジでひとり、ふと友人が発した言葉を思い出す。 2019年の4月にリニューアルしたこのラウンジは、滞在中ずっとアルコールを楽しめるのが醍醐味。 おまけに私の好きなキスチョコまで常備してあり、午後にはラウンジ定番の焼き菓子ではなく、アフタヌーンティーを無料で楽しめる。 休日は本を紙で読むのがお決まり。紙の質感が好きだし、電子版では味わえない期待

          名古屋マリオットアソシアホテルのラウンジと年収1千万の女

          シェラトングランドホテル広島で飲むTWG紅茶と年収1千万の女

          本日の主人公 Age:33 Job:飲食店経営 性行為したい対象か否かは、出会って3秒で決まるらしい。 男女交際には「3」が付く時期がターニングポイントと聞いたことがある。 連絡先を交換し、3日以内に連絡があれば恋愛対象。 出会って3ヶ月以内は恋愛に発展しやすい。 交際後3ヶ月すると性行為の頻度が減る。 交際後3年結婚しないカップルは、結婚しない可能性が高い。 彼氏ができると3ヶ月くらいは、相手の仕草や言動が真新しい。元彼とは違う触れ方、反応、弱いところ。そのときはも

          シェラトングランドホテル広島で飲むTWG紅茶と年収1千万の女

          チョコレートと年収1千万の女

          本日の主人公 Age:35 Job:広告代理店 夕食後に一息。楽しみにしていた海外ドラマを再生し、サロン・デュ・ショコラで調達したチョコレートのリボンを解く。 いちゃつくカップルの後ろで、日経オンラインを聞きながら1時間も並んで手に入れた代物だ。 いかにも高級そうな箱は、人気ショコラティエのサイン入り。 宝石のように光る真っ赤なそれを口に運ぶと、小さなそれは滑らかに私の中で溶け出した。 ワイングラスに手を伸ばすと、同時に業務用SNSの通知音が響く。 携帯を見ると、

          チョコレートと年収1千万の女

          マックスマーラマニュエラコートと年収1千万の女

          本日の主人公 Age:32 Job:投資コンサル 「試着だけなさいませんか?」百貨店でこの言葉に乗ったのが間違いだった。 歩くたび優雅になびく裾。デコルテを陶器のように見せる襟。キャメル素材を近くで見ると、まるで鱗のようにも見え、それは、今まで見てきたコートとはまるで別物だった。 その横で彼は、私以上に目を輝かせた。「うわぁ」。なにしろ、ここへ来たのは彼の提案だ。 「マニュエラと言って、マックスマーラの代表作です」片方だけ刈り上げたショートカットの店員は、まさにそのコ

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