「遠回り」の価値
「先生、自分が授業をやってみたい。」
クラスの子ども(2人)がそう言ってきたので、1時間授業をまかせてみることにしました。
子どもには算数の指導書のコピーと、自分がいつも使っている板書計画のノートを渡しました。
その子たちは休み時間や自習の時間に楽しそうに「教材研究」を行い、授業前日の放課後には「模擬授業」も行っていました。
授業当日は、授業者の子どもはとても緊張した様子でした。
他の子どもたちはなんだか楽しそうです。
授業者の子どもは、いつも私が行っている流し方で発問や指示をしていました。これにはびっくりしました。
私は教室の後ろでいたり、机間指導をしたりしました。
45分を目一杯使い、授業の「まとめ」にたどり着きました。
授業者の子どもも、他の子どもも、自信に満ちた顔をしていました。
授業中に何度か口をはさみたくなりましたが、我慢しました。
まわりくどく、ぐだぐだの部分もありました。
教師がわかりやすく説明すれば10分で理解できる簡単な内容でした。
でも、子どもたちは「遠回り」しながら自分たちで学びました。
そこに価値があると感じました。
教科書の学習内容をただ理解するだけなら一人でできます。
塾や通信教育の方がわかりやすいでしょう。
You Tubeにも無料でわかりやすい学習コンテンツがたくさんあります。
では、「学校」という場所でしか学べないことはなんなのか。
「学校」の付加価値はなんなのか。
今回の「遠回り」な学習に、それを見出すことができそうです。
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