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「ドイツ縦断ひとり旅」(6)ネルトリンゲン 隕石が落下した後に造られた円形の街

2019年9月13日(金)晴れ

どこを見ても山ばかりのアルペン街道の街から、ロマンティック街道の街へやってきた。今日もまた昼食をとっていない。今朝、駅に着くのが遅れたばかりに、予定通り運ばず、ミッテンバルトを11:36に発ってからネルトリンゲンに着くまで、約7時間も列車に乗って移動していたことになる。今日も長ーい一日だった。ディンケルスビュールまで行く予定だったけど、今夜はネルトリンゲンで泊まることにする。

カンを働かせて、思う方向に行くと、旧市街に来た。でも、捜しても捜してもガストハウス(小さな宿屋)は見当たらない。途方に暮れていたところ、角のレストラン・パブの御主人が、「知り合いがホテルをやってるよ。」と言って、電話をかけて空室を確認してくれ、何と親切に、スーツケースまで運んでくれた。忙しい最中だったというのに。

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部屋は3階の端のスモール・ルーム。白木の床と壁。いい感じ。20:10、朝からリュックに入れてきたゴマいっぱいのパンと、ゆで卵の夕食。シャワーもトイレもちゃんと付いている。すべてが清潔で、気分がいい。旅に出て初めて洗濯をし、シャワーをゆっくり使い、久し振りにスッキリした。絵葉書を3枚書いたら24時になり、寝る。外からは陽気な話し声や歌声。みんな遅くまで飲んで騒いで楽しそう。それを子守歌代わりに目を閉じる。  翌朝、6:50に目覚まし時計に起こされるまで、ぐっすり眠った。

2019年9月14日(土)晴れ

8時から朝食、のはずだったけれど、主人夫婦の出勤が遅れ、20分程待った。きっと夜遅くまで、客の相手をしていたのだろう。 一番奥の隅のテーブルに着いたら、隣のテーブルの男性が声をかけてきた。柔和な笑顔。最初ドイツ語で、途中から英語に。ハノーファー出身のドイツ人だけど、奥さんがスコットランド人で、現在はハイランドに住んでいるんだって。一期一会の語らい。

もう一泊したかったけど、予約でいっぱいだって。でも、おかみさんは私のために、あちこちのホテルに電話を入れ、空室を見つけ、予約までしてくれた。「ウチは600年も前の建物だから、古くて、何でもスローなの。」と笑いながら。600年! す、すごい! それに、何て親切なんだろうと、感激! 9:30、チェックアウト。49・00ユーロ(5880円)。

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今日も色んな人達のお世話になった。ホテルを出てすぐ、道を教えてくれた中年のカップル、レープジンガー門を出て少し進んだ所で声をかけてくれた、優しい笑顔のおばあちゃま、そのやりとりを聞いていて、ホテルの前まで連れて行ってくれたおじいさん。うーん、ネルトリンゲン市民には、ドイツで最高の”親切大賞”を差し上げたい。

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次のホテルにやってきた。すごく大きくて、モダーンな立派さ。レセプションにはハンサムガイ。氏名、住所、国籍を記入してチェックイン。10:15。 部屋は1階の12号。でも、エレベーターで1階上がる。なぜなら、地上階はゼロと数えるから。 部屋に入って驚いた。広々とした木目造り。玄関の間もあるし、ベッドはツイン。素敵なソファーもあるし、白木のテーブルに4脚の椅子。何と、トイレも2つある。 ふへーっ、豪華すぎるんだけど、まあ、たまにはいいか。ここしか空いてなかったんだし。

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11時、ネルトリンゲン観光に出発。まずはインフォメーションへ。書店男子か学芸員かって感じの、メガネの似合う男性が説明してくれた。1500万年前に隕石が落ちた後が、直径23キロの盆地となり、その上に街を築いたから、ネルトリンゲンはまん丸いんだって。13世紀初めには商人の街として発展したそうだ。周囲をぐるりと丸く城壁で囲まれていて、その上を歩くことができる。どの門からでも上がることができ、疲れたら、一周(約3キロ)しなくても下りられるそうだ。リーフレットをもらい、絵葉書を買って、さあ次へ。

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