見出し画像

「ドイツ縦断ひとり旅」(13) ベルリン 西へ東へ

2019年9月17日(火)曇りときどき雨

やはり「予約は受けていない」と言う。困り果てた私に彼女は「いいホテルを紹介しよう。中央駅に行って Sバーンの3番に乗って 5つ目で降りた所」だと言う。そんな遠くまで、もう行く気力がない。でも、行かなきゃ。今夜どこで寝る?

印を付けてくれた地図と、そのホテルのネームカードを持って外へ。何と雨が降っている。バス停に行ったけど、中央駅行きはなかなか来ない。来たとしても、また駅で迷いながら乗り場を捜さなきゃいけない。壊れたスーツケースを押して。 もう出来ない。雨も降っているし、こんな時こそタクシーだ。気長に待つ。

画像1

やっと止まってくれた。黒いヒゲのドライバー。私の荷物をトランクに入れ、ホテルの住所をナビに入れ、出発。 カタコトのドイツ語と英語がカワイイ。気のいい人で良かった。

タクシーの窓から見たジーゲスゾイレ!(戦勝記念塔 高さ67メートル)ああ、ベルリンだ! ベルリンに来たーって、ジーンとしてきちゃった。大好きな映画『ベルリン 天使の詩』では、勝利の女神ヴィクトリア像は天使達の羽休めの場所だった。

画像2

ホテルの真ん前で停車し、料金は14、10ユーロ(1692円)。

ホテル・コルティナ。レセプションは3階で、エレベーターなし。金髪のロングヘアーの無表情な中年女性が一人。この人もロシア人? 電話連絡がきていたので、スムーズにチェックインできた。驚いたのは前金だったこと。しかも現金払い。

宿泊77ユーロに 朝食7ユーロ(計1万80円)。高い割には部屋にシャワーはあるがトイレはない。廊下を曲がった所にあるんだって。部屋もベッドもとても狭い。この値段は今までいた地方とベルリンの物価の差だろうか。まあ今さら仕方がない。

画像8

19:30、まず、ローテンブルクから運んできた朝食のゴマパンと水で夕食。その後は洗濯、シャワー。何だかんだで、もう22:52。小さなテレビが申し訳なさそうにしているので付けてみた。えっ? たった2チャンネル? 首都なのに・・・。 窓からの景色はケバケバしい裏通りで、場末って感じ。もらったネームカードには、コヴァレフスキーって印字されている。これが「ボス」の名前なのね。

もう休みたいけど、髪がまだ乾いていないので(ヘアドライヤーがない!)寝られない。今日は朝から大移動をして、疲れ切ってしまった。もう横になろう。明日のことを考えながら・・・・・。

明日、私は北極熊の赤ちゃんに会いに行くんだ。そのためにベルリンに来たんだもの。 ヘルタちゃん・・・・いよいよ会える・・・・あした・・・・ヘルタ・・・・・

画像7

2019年9月18日(水)曇り時々晴れ

朝食は8時まで(!)と言われていたし、動物公園に早く行きたいので、早起きした。食堂はレセプションの左奥。ゲストは男性が二人だけ。国籍不明の顔。ここは調理スタッフもいない。スーパーで買ってきた物を並べただけ。シリアルも大麦とかヒマワリの種とかドライフルーツとか一切なくて、ただコーンフレークスだけ。パンの種類もない。薄切りの食パンだけ。 狭くて殺風景でガッカリだけど、文句は言えない。寝る場所が与えられただけでも感謝しなくてはね。夜には4~5℃になるベルリンで、外では寝られない。大都会は危険だしね。

デッカイ体の女性がいて、腕組をして立っている。言葉は通じない。 やっと昨夜の女性が表れたので、ティエパーク・ガルテンの場所を訊く。「ホテルを出たら右へ、ずっと歩いて行くと10分くらいで着くわ。」と教えてくれた。チェックアウトはしたけど、荷物は置いて行っていいと言ってくれた。

画像8


言われた通りに歩いて行ったけど、25分たっても着かない。3人もの人達にティエパークへの道を訊いた。3人目の中年女性は「連れて行ってあげる。」と言ってくれ、私が「日本から来ました。」と言うと、「あら、そうなの。私の息子のガールフレンドは中国人なんよ。」だって。

「ほら、着いた。」と、彼女が指差した通りの向こうに見えるのは、緑と赤の中国風の屋根! ガーン! かの有名な「ベルリン動物園」の玄関じゃないか! 「あれがティエパーク?」「そうよ。」 ち、ちがうんだけど、お礼はちゃんと言おう。

画像3

どうしてベルリン市民はティエパークを知らないのだろう。大通りを渡って、ベルリンズーのゲートのスタッフに、「ごめんなさい。私はティエパークに行きたいので、どうやって行けばいいか、教えて頂けませんか。」と頼んだ。「いいですとも。ちょっと遠いですよ。ここからバスでアレクサンダープラッツへ行き、Uバーンに乗ってください。地下に下りて5番です。」

画像7

初めてUバーン(地下鉄)に乗る。アレクサンダープラッツから地下に下りて、Uバーンの乗り場に行ったけれど、5番がない。途方に暮れていると、親切なご婦人が、「どこに行きたいの?」と訊いてくれたので、「ティエパーク」と応えたら、「それなら、もう1階下の乗り場よ。」と教えてくれた。助かった! ありがとう!! ちょうど停車していた電車がそれで、やったー!と、喜び勇んで飛び乗った。 

ヘルタちゃんへの道は遠い。

画像5

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?