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「ドイツ縦断ひとり旅」(7) ネルトリンゲン 新郎新婦とソーセージ

2019年9月14日(土) 晴れ

ゲオルク教会を目指す。土曜日なので観光客が多く、あちこちの広場に市場が開かれ、街は活気づいている。・・・と、ゲオルク教会の手前の教会で、結婚式を終えたばかりのカップルとゲストたちが記念写真を撮っていた。  「ご結婚、おめでとうございます!」と声をかけ、私も写真を撮らせてもらう。すると、花嫁さんのお父上が、「この日本人も記念に参加してもらおう。」と言われ、何と飛び入りで、新郎新婦とスリーショット! きゃあ、こ、こんな嬉しいことってあるかしらん。私まで幸せ!ネルトリンゲンに来て良かったー!

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パイプオルガンの演奏が聴こえてきた。ゲオルク教会に行ってみると、「12時からオルゲル・ムジーク」と貼り紙が。そっと中に入る。広く、天井の高いシンプルな教会内に、美しいオルガンの音色が晴れやかに響き渡る。ああ、何という至福のとき! ネルトリンゲンに来て本当に良かった!!

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外に出て、ぶらぶら歩いていたら、ソーセージ屋台の前で、大学生風のカップルから、「こんにちは。」と声をかけられた。二人はパンに長いソーセージを2本挟んだのをそれぞれ食べていた。彼らが、「おいしいんですよ、ここの。」「特製ソースで。」と言うので、「そう。じゃ、今からランチにしよう。」と言って、ひとつ注文した。2・95ユーロ(354円)。 可愛くて知的な、素敵な二人にサヨナラして、お店の横でかぶりつく。ケチャップもマスタードもたっぷりつけて。ふと見ると、お客さんが次々にやってきた。ん? これって、もしかして・・・?

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来た道をたどり、朝見つけていたミニスーパーで水を買おうと思っていたら、もう閉まっていて、多くの店も後片付けをしていた。午後2時。あ、そうか。土曜日は閉まるのが早いんだね。駅に向かって歩き出す。 しまった。郵便局も閉まっている。 足が痛い。特に左足。いったんホテルに帰ろう。

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地図を見ると、駅に最も近い門がダイニンガー・トールだから、ホテルに近い、レープズィンガー・トールまで歩けばいいんだ。歩いていたら、歩行者と自転車のみOKの、パブリック・フットパスみたいな通り抜け道を見つけた。片側はアカシアの並木、反対側は個人宅が並んでいる。思った通り、ホテルへの近道だった。 15:50、ホテルに戻ってきた。水が買えなかったので、余計ノドが乾いてきた。少し休憩したら、また旧市街に出かけてみよう。教会で買った絵葉書5枚と、小さな天使の人形をテーブルに飾る。思わず買ってしまった。私にそっくりな顔をしていたから。うふっ。

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17時になった。出かけるなら今だ。遅くならないうちに戻ってきて、シャンプーや洗濯をしたいから。左足の痛みは少しやわらいだ気がしたが、歩き出すと、ついかばってしまう。パン屋さんを見つけたら、夕食用に1個買おう。そして、何よりも水、水。どこで買えるかな。誰かに訊いてみようかな・・・と思って歩いていたら、スーパーを見つけた。やったあ!

パンの取り出し方が分からなくて、近くにいたご婦人に尋ねたら、1個取り出してくれた。へえ~っていう方法。UFOキャッチャーみたい。 親切で、感じのいい女性。でも、上には上がいるもんだ。

水を買おうとしたけど、6本入りばかりで、1本出してもいいのかどうか、それとも単品は他の場所にあるのか、レジの女性に訊いてみようと、パンの入った紙袋を手に持って並んでいたら、すぐ後ろの女性が、ベルトコンベヤーを指差して、「ここにどうぞ置いて。」と言ってくれた。「水のボトルを1本買えるかどうか、キャッシャーに訊くだけなので、後で買い物します。」と私が言うと、「どんな水がいいの?ガスが入ったの?入ってないの?」と訊かれた。「ノンガス。」と応えると、彼女は水のコーナーに飛んで行き、「大きいサイズ?小さいサイズ?」と叫んだ。「ビッグワン」と、私も大声で言った。彼女はパッケージを急いでバラして、走って戻ってきて、1・5ℓのボトルを私に手渡してくれた。 まさに、ちょうど私の番になり、並び直さなくても買い物ができた。 何て親切なんだろう! いくら「ありがとう!」を言っても足りない。そして私に、「ハブ・ア・グッ・デイ!」と言ってくれた。「ありがとう! あなたもね!」 本当に、この街の人の”フロイントリヒカイト(親切)”には感心してしまう。

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