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朝の3分クイックルワイパーと畳まない洗濯、そしてお気に入りのある暮らし。



ツバキ文具店を読んだとき、鳩子さんは凄いと思った。朝から掃除をして、お茶を沸かして、そんな風に一日を始めるなんて。ギリギリまでベッドの上でうねうねもぞもぞしている私とは大違いだ。

きっと鳩子さんは、朝から深く息を吐いて、大きく息を吸って、その日その日の温度や湿度を感じながら朝を過ごしている人なんだろう。そして少なくとも私のような低血圧ではないのだろう。そんな一日の始め方、私にはきっと出来ない。そう思っていた。

自分に自信をつける為にはまず、毎朝ベッドメイキングをしましょう、というようなことを聞いたことがある。もう何年も前から、私はそれを実施していた。自信は、ひとつひとつの積み重ね。ちいさなことでも、毎朝それを成し遂げれば、毎朝積もっていく。

けれど、ベッドメイキングだけでは足りなかった。清々しさみたいなものは到底感じられなくて、ゆとりを持てない朝を重ねていく自分を、いつか変えたいと思うばかりだった。



ひとり、暮らし始めた部屋はワンルーム。ひとまず掃除機は買っていない。明るめな色をしたフローリングは部屋が広く明るく感じられていいけれど、汚れは目立つ。髪は毎日生え変わり、抜けた髪が床に落ちる。

朝の日差しに照らされる床は、綺麗な方が気分が良い。私は掃除機の代わりにクイックルワイパーをかける。決して大きくないワンルーム、玄関までの廊下と洗面所。たった3分、されど3分。私はこの3分クリーニングを、欠かせなくなっている。

相変わらず、ベッドでうねうねもぞもぞはやめられないけれど。うねうねしていると見せかけてストレッチをしながら脳と身体をゆっくり起こさせ、カーテンを開けて光を取り込み、3分クリーニングをする。これが私の日課。



鳩子さんには程遠いけれど、まさか自分の朝のルーティンに、掃除という項目が追加されようとは。そんな変化が、ちょっと誇らしい。

お部屋の掃除は、他の誰のためでもない、自分の為にするもの。一日の始まりに、自分の為に何かをしてあげる。つまり、自分を愛する。それってたぶん、心にとても良い。心地が良い。

この心地良さが積もり積もって、自信になるのだろうか。そうだとすれば、やはり、自信の源は愛なのだろうと思う。



掃除の後は、柔軟剤の香りに包まれてハミングしながらお洗濯、なんてことはない。正直洗濯はそんなに好きじゃなくて。だからなのか、購入した洗濯機は初期不良だった。しかし今回はそんなことはどうでも良くて、私がひとり暮らしを始めたらやりたかったことの1つは、畳まない洗濯である。

私は洗濯物を畳むことを面倒に思ってしまうところがあって、また着る服をなぜ畳まなければならないのか、などと心の中で文句を呟きながら渋々畳んでいた。畳むのも上手ではない。だから、ひとり暮らしを始めたら、極力洗濯物を畳まない生活をしようと決めていた。

どうせ部屋干しならば、クローゼットにかけるハンガーのまま洋服を干して、乾いたらそのままクローゼットへ。シャツだけじゃなくて、Tシャツも、スカートも、スラックスも、ジーンズも。それを実践している。

とても楽ちん。下着類とタオルは渋々畳むとしても、洗濯物を畳む時間がこんなに少ないのはありがたい。その時間を他のことに使えていると考えると、個人的にこのやり方はとても良い。

丁寧な暮らし、などというハッシュタグとは真逆のことをしてしまっているかもしれない。それでも、私にはこれが良い。丁寧もひと手間も無視して、自分が面倒に感じることは思いきってやめてみる、というのは一つの手だなと思う。



そしてもうひとつ、決めていたこと。それは、テレビを持たないということ。生活していく中で欲しくなったら買えばいいけれど、ひとり暮らしを始める時点では、私にはテレビは必要ではないと判断した。

基本的にテレビ番組よりも、YouTube・配信ドラマを観てばかりだったし、音楽のみで過ごす時間も多かったので、私の生活にはテレビよりもプロジェクターが必要だと思った。だから購入したのはスピーカーとしても使えるプロジェクター。今ではすっかり私の相棒。画質は申し分ないし、本体は小さいから場所も取らなくて本当に優秀。


YouTubeやサブスクの配信、TED TALKやV LIVEも観ることが出来る。スピーカーとして活用する時は、音楽やPodcastを聴いたりする。

肩凝りが酷い時は、YouTubeでヨガやピラティスをちょこっと。壁に投影するから、広くない部屋でもギリギリそのスペースを確保することが出来る。そしておやすみまでの時間は、YouTube Musicでカフェミュージックやピアノジャズなんかを流している。

朝はKERのPodcastを流しているけれど、最近職場でラジオを聴く人がちらほら居ることが判明。面白いと言うので、ラジオも聴いてみようと思っている。

生活必需品ではないかもしれないけれど、冷蔵庫や洗濯機に+αで購入したこのプロジェクターは、お気に入りアイテム。私の暮らしを確実に充実したものにしてくれている。



もうひとつ、私の暮らしに欠かせないものは、コーヒーと紅茶。そんなに味の違いが分かるわけではないけれど、好みの香りや味はあって。

と言いつつパッケージデザインでときめいて、そこにフェアトレードマークが付いているものだったら購入してみたり。直近だと、HAMPSTEADというロンドンのオーガニック紅茶ブランド。紅茶ではないけれどカモミールティーがとても美味しかったなあ。

コーヒーや紅茶は嗜好品と呼ばれるものだし、本来ここにお金をかけなくても生きていけるはず。けれど、「ときめきを通り過ぎない。ときめきをお金で我慢しない。」というマイルールの下、ちょこちょこ試してみることが楽しみのひとつになっている。


朝の3分クイックルワイパーと、面倒くさがりの畳まない洗濯、そしてお気に入りとともに過ごす時間。

いい日も、そうでない日も、スペシャルな日も。いろんなカタチで自分を愛しながら、私の暮らしは続いてゆく


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