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和洋折衷、でも懐かしい味。豚肉とアンディーブの和風スープ

前書きーフランスの日本食材事情

フランスに来てから久しくフランスの家庭料理や洋食ばかり作っていましたが、時間が経つとじわじわと恋しくなるのが和食の味。私はホームシックにはならない性質ですが、私の舌はちょっぴり日本の味を欲していました。

フランスでは和食及びアジア系の料理は人気なので、大きめのスーパーに行けば大抵アジアコーナーがあり、そこには醤油が売っています。キッコーマンやヤマサといった有名メーカーのものもあれば、TANOSHIというフランスの食品メーカーのものもあります。ちなみに、このTANOSHIという会社は2008年に設立された日本食メーカーで、近年は韓国料理やインド料理用の食品も作っています。

また、ある程度大きな街だと1、2軒はアジアンスーパーがあり、そこで日本の調味料を普通のスーパーよりも安く買うことができます。私もヤマサの醤油をアジアンスーパーで買いました。もちろん日本で買うよりは値が張るのですが、それでも良心的な値段でした。醤油があれば和風の味付けになるので、一人暮らしでも一本持っていると良いと思います。

尚、醤油や味噌、ソース類はフランスでも割と手に入りやすいのですが(アジアンスーパーでオタフクのお好みソース、焼きそばソースが売っていました)、出汁(顆粒/液体)やみりんといったものは、アジアンスーパーでも売っていないことが多いです。街にアジアンスーパーがあっても、日本の調味料が全て揃うわけではないので、こだわりがある場合は日本から持っていきましょう。

今回は和洋折衷レシピということで、葉物野菜はアンディーブ(endive、英語だとチコリ)、出汁の代わりに野菜ブイヨンを使います。

本当は豚肉と白菜のスープを作りたかったのですが、フランスでは冬にならないと白菜がスーパーに並びません。別にキャベツで代用しても良いのですが、キャベツよりも柔らかいアンディーブの方が白菜により近いと思います。アンディーブにはほんのり苦味があり、加熱すると少しとろっとした食感になるので、豚肉の甘みと相性が良いです。

それでは作り方を紹介します。

材料, Ingrédients:鍋20cm目安

豚肉(煮込み用), Porc (mijoter):500g前後
アンディーブ, Endive:3〜4個
ニンジン, Carotte:1〜2本
タマネギ, Oignon:2個
野菜ブイヨン, bouillon de légumes:2粒(パッケージに沿ってください)
醤油, sauce soja:大さじ3倍程度
片栗粉, Fecule de pomme de terre:適量
白ワイン, vin blanc:適量(豚肉に臭みがある時、必須ではない)
塩胡椒ハーブ等はお好みで

道具, Ustensiles

鍋, casserole/cocotte(レシピは20cm想定)
※包丁、まな板等はもちろん必要です。

作り方, préparation 

  1. アンディーブを下茹でし、アク抜きする。

  2. アンディーブは縦半分に切る。タマネギは細切り、ニンジンは短冊切りにする。豚肉はやや大きめの一口大に切る。

  3. 軽く片栗粉をつけた豚肉を鍋に入れて中火で焼く。

  4. 豚肉の表面の色が変わったら、鍋にタマネギ、ニンジンを入れて炒める。

  5. アンディーブを入れ、水を鍋八分目まで(1L程度)加えて加熱する。場合によってはアク取りをする。

  6. 野菜ブイヨンを溶かし、味を見ながら醤油を加えていく。

  7. 塩胡椒等で味を整えて完成。

アドバイス, conseils

  • フランスの豚肉で煮込み用のものは基本ブロック肉です。ぶつ切りにされていることもありますが、大きいと思ったら一口大に切ると食べやすいです。

  • 片栗粉は、昔は名前の通り片栗と呼ばれる植物から作られていましたが、現在は日本の製品もジャガイモのデンプンで作られています。そのため、フランスでもFecule de pomme de terre(ジャガイモの粉)を探せば片栗粉として使えます。私がよく行くスーパーでは製菓コーナーに置いてありました。

  • 白ワインは必須ではありませんが、なんとなく豚肉に臭みを感じた際は、下処理として豚肉にかけておくと良いです。フランスでは料理用の白ワインが250ml(25dl)の小さな瓶でも売られているので、一人暮らしでも買いやすいです。

  • 水溶き片栗粉でスープに軽くとろみをつけても美味しいです。

  • 1日で食べ切るなら、アンディーブもざく切りにすると良いと思います。何日にもわたって食べる場合は、縦半分に切っておいた方が葉っぱがスープに溶けず、食べ応えが維持されるのでおすすめです。

このレシピ、日本特有の材料は醤油だけですが、それだけでも日本っぽい、フランスのブイヨンに慣れた舌には懐かしい味付けになります。そう考えると、醤油の主張の強さってすごいですね。
ちなみに鶏ブイヨンで作ると中華っぽい味になります。これも美味しいので、アレンジとしてぜひ。

フランスでは薄切りの豚肉を見かけません。かといって自力で薄切りにする気力もない私は、結果的にブロックのお肉にかぶりつくことになっています。でもこれはこれで食べ応えがあります。豚肉も、アンディーブも噛むとジュワーッとスープが出てきて美味しいです。

ちょっとした工夫で、フランスでも日本風の味が作れます。恋しくなったらぜひ作ってみてください。

Bon appétit !

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