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サステナビリティさん、あなたは誰?

アパレル業界に勤務する筆者が、ファッションにおけるサステナビリティについて考える連載記事。仕事で得た知見や自分の考えをここに書いていきます。

サステナビリティって何だろう。
毎日サステナビリティっていう言葉を使う割に、サステナビリティが意味しているものを真剣に考える機会ってなかなかないと思う。
地球に優しい商品か〜。再生材を使っているのか〜。へー!製造現場の労働環境を考慮しているのか〜。

いろいろ答えは出てくるけど、今日はここで終わらずに、今日はもうちょっと踏み込んで今日は話してみたいと思う。アパレル業界は、サステナビリティをどう扱っているんだろう。

個人的には、勉強してきた中で、エレンマッカーサー財団の掲げるバタフライ・ダイアグラムが1番分かりやすいと思ったので、今回はこれを紹介したい。

The butterfly diagram (ELLEN MACARTHUR FOUNDATIONより引用)

この概念の考え方は、ネットやこの記事で紹介している安居さんの本を読めば良く分かりますが、簡単に言えば、服をはじめとする資源をすぐに捨てるのではなく、リペア、リユース、リサイクルすることで、資源の循環(サーキュラリティ)を進めていこうという考え方。つまり、大量生産・大量消費・大量廃棄が象徴しているように、資源を生産してからすぐ捨てるというリニア(直線型)ではなく、資源を半永久的に活用し続け廃棄を出さないことで、サーキュラリティ(資源を循環させる)を進めることが、結果的に廃棄物を減らし、持続的な社会を作り上げるという考えかた。

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図の左側は自然界の資源の流れを示している。自然界はゴミが出ず、循環しているというように、図の右側の人間社会では、廃棄物を出さないようにするためにはどうすれば良いのかが描かれている。また円が小さくなればなるほど、それを実施するためのプロセスや関係者が減ることから、余分な負担がかからないとして、リペア>リユース>リサイクルの順にここでは推奨されている。このリペア(Repair)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の頭文字を取って「3R」と呼ばれることもある。これに加えて、資源を減らすという意味をもつリデュース(Reduce)も加わり、「4R」とも表現されたりもしている。

今まで紹介していたように、このバタフライダイアグラムが示す4R、3Rに則って、各ブランドはアクションを起こしている。アパレル業界では、リサイクル素材の活用は浸透しているものの、いかに作った服を廃棄せずに、リペア、リーユース、リサイクルし、再資源化させるのかが次の課題。再資源化されている衣類は、廃棄物の1%であるというデータもあるぐらいです。
最近はリペアの波がゆっくりと日本にも流れてきていますね。

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他にもたくさんご紹介したい記事はあるのですが、ひとまず今日はこの2つにしておきます。この3R、4Rについてはまた記事を書いていきたいと思う。

最後にこのエレンマッカーサー財団が掲げるこの「バタフライ・ダイアグラム」は分かりやすく、腑に落ちている。これを踏まえたうえで、各ブランドの取り組みを見ていると、各ブランドの見え方がまた変わってくると思う!

2023.07.20 Rinto

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