サトシは仮想空間をつくる天才プログラマーであり、彼が手掛けた仮想空間は多くの人々を魅了しました。次々に参加者が増え、人々は仮想空間で多くの時間を過ごすようになっていきました。

しかし同時に問題も起きました。
仮想空間へ遊びに来る人が増えすぎて満足に遊べなくなってしまったのです。サトシはこの問題に頭を悩ませました。そして一つの回答として「自律更新型プログラム」を作り上げました。

自分が休んでいる間にも仮想空間が自然と拡張すればいいと考えたのです。 サトシの狙いは成功しました。仮想空間は無限に広がり始めました。

しかし、少しすると新たな問題が発覚しました。
無限に拡張された世界の出口がわからなくなってしまったのです。 この事実が明るみに出た時、人々は一斉にサトシを責めました。

「お前がサボろうとしたのが悪いんだ！」
「こっちには時間がないんだ！早く出せ！」

散々なクレームを貰いながらもサトシはめげずに、問題解決に取り組みました。
無限に増え続けるプログラムを追い続けながら、サトシは奇跡的にも一つの怪しいプログラムを見つけました。
とてつもなく複雑な暗号化処理が行われており、中ではどんな処理が行われているかわかりません。
ですが、サトシにはこのプログラムを止めれば問題は不思議と解決する予感がしたのです。

サトシはこれまでのすべての技術を用いてこの暗号化を解こうと試みます。 そのプログラムを止めることは出来そうですが、なにせ中の処理がわからないので止めるとどんな影響が出るかわかりません。

暗号化を解こうと頭を悩ませている間も散々なクレームは増え続けます。 心無い言葉も増えてきました。

「マジでさっさと死ね！お前が死ねば解決するんだよ！」

そんなはずはないのにと呆れながらも暗号化を解こうと頭を悩ませますが、解ける目途がたちません。
諦めず解こうと時間をかけますが、それでも全く解決の糸口が掴めそうにありませんでした。
心無い言葉はどんどん増え、さすがにサトシも疲れ果ててしまいました。
サトシはとても悩んで、悩んで悩んで、そのプログラムを止めるという決断をしました。

「みなさま、ご安心ください。実は問題と思われるプログラムはもう特定できているのです。仮想空間への影響範囲の特定など安全の為を考えて調査を行っていたのです。ですが、もう大丈夫！止めることによる皆様への影響はありません！ もう間もなくお家に帰れますよ！」

そうサトシは宣言すると、世界のみんなが見守る中、
"自分自身の自律更新型コアプログラム"を"Kill"した。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝あとがき＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

い、いかがだったでしょうか・・・？
Crypto流星街が送るショートストーリー第一弾「サ終」。
仮想通貨が最近暇なのでみなさんの時間つぶしにでもなればと思い、初めてみた系のものになります。

仮想通貨に馴染みのあるメタバースやAIを題材にしてみました。
私自身が叙述トリック系のショートストーリーが好きなのですが結構つくるのが難しく、たまおさんと小林さんにもご協力頂きつつ、最終稿はほぼたまおさんで、わたしの案はたたき台になりましたｗ

普段あまり小説やSSは読まないので、もしかしたら似たようなテーマのものもあるかもしれませんね。パクったというつもりはないですが、もしあったらごめんなさい。

評判が悪くなければ次も書いてみたいと思いますが、結構難しいというか恥ずかしいので…
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