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ヨーヨー釣り、300円。

近所の夏祭りに子どもと行ったら、体験価値について実感できたことがある。

大人になると、祭りは飲み食いするのがメインになるだろう。僕自身も、牛串やクレープ、チョコバナナ、かき氷を食べながら、レモンサワーを飲みつつ、最後には気持ち悪くなって倒れそうになってしまった。

それに対して、子どもは食べ物ももちろんのこと、「モノ」を欲しがる。お面や風船、くじなど、普段、目にできないものが並んでいるからだろう。大人でも心躍るのだから、子どもはなおさらであろう。

確かに、過去の自分を振り返ってみると、そう言ったものがキラキラ見えたように思う。食べ物は決まってかき氷で、それ以外は「モノ」が中心だった。

子どもが「ヨーヨーは絶対に欲しい」と言って、文字通り長蛇の列に並ぶことにした。この列が、子どもの欲求を物語っているようにも思えるが。

子どもはソワソワしている。自分はまだかと待ち望んでいる。一方、親は「暑いな」「何食べようかな」などと考えを巡らせていると、順番が回ってくる。

300円。
高いな。

正直、そう思った。所詮、風船に水を入れて膨らませるだけのものだから、300円もかからないだろう。

でも、子どもの輝く目。なんとかして一つでも多く手に入れてやろうという、真剣な眼差し。蒸し暑さ。お祭りの音。いろんな事象を含めて、300円だと考えると、超お得だとふと気づいた。

お祭りシーズンはまだ続く。お金とモノの純粋なる交換ではなければ、体験という側面で見てあげたらどうだろうか。きっと買ってあげてよかった、と思える瞬間がやってくるはずである。

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