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勤務663日目 郵便配達で配達するもの&夜勤混合のコツ

郵便配達の仕事は黙々とハガキや封筒を配ること。
ですが、もちろんそれだけではありません。

この仕事をやってみようなどと不幸にも考えてしまっている人のために、配っているもののことを適当に書いておきます。

・ハガキ、封筒などの「定形郵便」
2パスという、機械によって道順に並べられたものが集配営業部の事務所に来るので、それを道順に並べます。

え? 道順に並んでるものを道順に並べる?

並んではいるのですが、機械の精度は悪く、機械が仕分けできなかった郵便もあるので、最終的には配達員が一通一通触ってほぼ完璧な道順組み立てを行います。

・定形外、ゆうメールや追跡ものなど
郵便を出したことのある人なら知っていると思いますが、大きなサイズの封筒は定形外郵便として扱われます。
他にゆうメール、追跡サービスのついたパケット、レターパックなどは、道順組み立てしたのち、すべてひとくくりに大きな輪ゴムで束にしていきます。我々はそれを「定形外の束」と呼びます(追跡サービスのついたものは「入力」「入力モノ」と呼びますが)。

赤カブのボックスに積み込むときは、「定型の束」と、「定形外の束」で大半埋まります。それらを配ることが、主な仕事です。

・書留
誰もが一度は受け取ったことがあるかと。保証のついた郵便です。
一般書留の他に、簡易書留、現金書留、国際書留、配達証明、本人受け取り限定などがあります。
すべて対面配達で、会えなければ不在票をいれます(我々が配る書留はほとんど簡易書留)。

書留は配達に時間がかかるので、この本数が増えると配達時間は一気に増えます。

・特別送達
これも書留ですが、裁判所が送るものです。
リアルでもらったことがないのでよく知らないのですが、訴訟関係の書類が入っているそうです。
誰かに訴えられたら届きます。我々郵便屋が届けるのです。

良い郵便ではないので、いつもおそるおそる対面します。
受け取る側も大概、暗い表情です。
そして後処理がめんどくさいです。特送が出たときは嫌な気持ちになります。

「子供とは縁を切ってるんです」「この人はウチに帰ってこないんです」なんて言われたときもあります。

・ゆうパック
郵便局の代表的な商品。
対面配達ですが、近年は置き配に対応しはじめているので、指定場所配達で済むこともあります。

が、

郵便局はこの辺りが柔軟にできないため、やはり対面配達がほとんどです。
ヤマトや佐川は置き配について柔軟に対応されているイメージ。

・ゆうパック(チルド)
冷蔵のお届け物です。
四輪の方が配達するものですが、二輪で持っていったことがあります。

・代金引換
いまの時代、代金引換なんてないやろ、と思っていた時期がぼくにもありました。
最後に代引き注文したのなんて、十年以上前かも。

ですが、この仕事をしていれば、かなりあります。特に外国人の方が代引き注文をするので、アパートが多い区を担当すると、高確率で代引きを取り扱います。

お金のやりとりを手作業で行うので面倒です。
お客さんの家でレジ業務を行うイメージです。

ぼく、レジ仕事だけは絶対にできないと思ってたんです。
HSP気質で、たいへん緊張しやすいですし、マニュアル言葉をいうのが苦しいと思っていたんです。

が、

慣れました。
一切緊張もしなくなりました。慣れとは怖いものです。
「お店でレジ業務」とは違うので、それがよかったのかも。なにか演じる必要がなく、素の自分でいても大丈夫だとわかり、なにも感じなくなったんです。

一つ怖いことがあるとすれば、「釣りを間違えてお金を渡したかも」ということです。
1円でも間違って渡していたら大問題になります。なのでいつもお客さんの前で何度か確認しています。

・速達
これは郵便というかサービスというか。料金に上乗せしてつけられるサービスです。
速達が出たら、たとえ午後に行くような遠いところでも、午前中に行かなければいけません。原則対面配達ですが、不在なら(普通の郵便は)ポスト投函です。


他にも様々な配達物はありますが、あとはここまで紹介したものと似たようなものです。

平日に行う「通常配達」は、定型と定型外とパケットなどの追跡もの、それと書留を配ることがメインです。
四輪車の人たちは荷物を配達します。大きな荷物がメイン。局によりますが、小さな荷物を二輪に渡すこともあります。二輪で配る方が効率が良いからです。

夜勤(18時以降の配達)や土日祝日に行う「混合配達」は、追跡もの、書留、荷物をメインで配達します。やっていることは佐川さんやヤマトさんと変わりません。そこに書留という特殊な配達物がくっついた感じ。
混合配達は普段メインでやっている区の他に、何区か担当が広がります。

「夜勤混合」になると、まったく知らないところへ行かされることもよくありました。なんなら一軒も家を知らない状態で配達に出たことがあります。
普通はやらせないと思うし、やれないと思うのですが、ウチの局が特殊なのか。

すごいと思いませんか?
日が暮れて道がわかりにくい状態で、全部知らない家を配達する。
できちゃうんですよ。そう、グーグルマップがあれば。

初めて土曜の混合に入った日も、一区まるごと知らない状態で全部一人で配達物の準備をして地図も持たずに行きました。グーグルマップで配達を完結させました。

田舎の区だと、グーグルマップは正確な位置を表示してくれるんです。
これがなかったらぼくはこの仕事をやれませんでした。

ついでに便利なアプリを紹介するのですが、「NAVITIME」は配達先を登録できて現在位置から近い順番に道順組み立てをしてくれます。
夜勤混合は初心者でもグーグルマップとNAVITIME(無課金)でどうにかなります。



ここからちょっと雑談みたいになるのですが、久しぶりにnote投稿しました。
この記事自体は数か月前に書いていたのですが、それからぼくは迷走をはじめ、忍耐・努力・辛酸・苦渋……果ては絶望まで乗り越えてなおその高みに届かず疲れ果てておりました。
まあただ単に繰り返しの日常を無抵抗で生きていただけですが

こんなんじゃいけないと思い記事発信にいたったわけです。

記事の中でぼくは「仕事」という言葉を使っておりますが、郵便屋になってから今まで一度もこれが「仕事」などと思ったことはありません。
ぶっちゃけるのですがこのような仕事を本気で「仕事」なんて思っている人を愚かに思うくらいです。

他に言葉がないので「仕事」と書いていますが。

じゃあなんだという話ですが、わかりません。
冗談で「奴隷」という言葉をよく使いますが。奴隷ではないです。奴隷みたいなものですけど。
ずっと前にも同じことを書いていると思うのですが、ぼくは郵便屋として働いているつもりがないのです。無職の人間が仕方なく時間になったらその場所にいって仕方なく郵便触ってるんです。

昔、先輩的な人が「仕事でしょ!」というような説教をするシーンが何度かあったのですが、そうやって言わないとプライドを保てないのかなぁとか、こんな誰でもできるような仕事でかつ組織が腐ってる会社でそんなこと言っててむなしくならないのかなぁとか思っておりました。

かといって、ぼくは決して「ちゃんとやらない」わけではないのです。人として最低限のことはこなしています。
で、ぼくとしては「がんばっている」わけじゃないのですが、「しろやぎくんは真面目だな」とか「毎日がんばってるね」とか言われてしまうのです。

この会社はピンからキリまでの人間がいるので、最低限のことをこなすだけで「まじめにやっている部類」に入ってしまうのです。
下をみたらポンコツだらけですよ。異様に帰局が遅くて超勤ばかりの正社員、クソ甘い自分のことを棚にあげて一生他人の甘さを非難している正社員、やることを探さずスマホいじったり寝てる正社員、突然怒り出す頭の悪そうなおじさん社員、スマホでゲームばかりしてる高給取りの課長、うろうろして何度も煙草を吸いにいく高給取りの課長などなど。

残念なことにこの会社に入ろうとしている方。
特に長年の無職からこの会社に入ろうとしている方。

最初はポンコツ社員よりもあなたのほうが無能です。
が、半年もすればほぼ同じ土俵に立てますよ。そういう仕事なんです。
なので安心してください。

ただ上をみてしまうと、当然ものすんごくできる有能な方々もいるので、「あんなふうになれない……」と落ち込んでしまいますが。

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