アカデミア研究者を目指す学生たちに告ぐ
さて日本は今頃桜の季節でしょうか?少し前のことですが、軽くNote記事を書こうと思いの丈を筆の滑るまま書いていたら、自分に刺さりすぎてしまいました。。。今回はそんなエッセイを共有したいと思います。ポスドクの方にとっては閲覧注意かと思います。用心してご覧ください。今回はエッセイですので「CNS、IF、PIなどが何ぞや」ということは説明しません。筆者の別記事をご参照ください。では早速ですがどうぞ。
学生の皆さん、アカデミア研究者を目指しているということは、教授もしくはPIを目指していることと思います。筆者のようにある程度歳がいってしまった三流ポスドクは、教授以外の道も探し始めますが、あなた方はまだ若いので、研究で一旗上げてやろうと思っているはずです。
そんなあなた方に筆者から言いたいことがあるので、語っていきたいと思います。
学生の皆さんは現在宝くじのチケットを3−4枚程度持っています。まず大学院に進学される際に一枚使用します。卒業後にポスドクや助教になる際にも一枚使用します。そして再度研究室を変える際や、海外に留学する際に一枚使用します。
はい、基本的にチャンスは3から4回です。その間にCNSが出ればほぼ確でPI、CNS姉妹紙論文ならまあまあの確率でPIです。
運でも何でもいいです。
それを外したらPI、教授の道はありません。ですのでチャンスは3−4回です。
「彼彼女の論文は大したことないけど、人格者だからPI、教授にしようか?」なんてことはありません。
ですので筆者が言えることは、とにかくいいラボを目指してください。いいラボというのはCNSを定期的に出しているラボです。
いいですか?
普段からIFが3−4、高くて10くらいの論文を出しているラボからCNSが出ることはありません。
仮にあなたに実力が相当あっても出る可能性はありません。昔は人やお金がなくともワンチャンあったかもしれませんが、現在の研究界隈はそんな甘いもんじゃありません。
ドラマであるような弱小ラボに入って個人の力で一発逆転なんてことは起こり得ません。
あなたがいかに優秀だったとしても、お金がない、教授がCNSを目指さないラボで自分で考えて好きに研究した場合と、逆にあなたがいいラボに入って、いい先輩、いい上司に当たって彼ら彼女らの言うことを聞いて、自身では何も考えずに実験しただけの場合、どちらがCNSやその姉妹誌に論文が通りやすいと思いますか?
残念ながら圧倒的に後者の方が可能性が高いです。
なのであなたの大学院の選び先、ポスドクの選び先は本当に慎重になるべきです。極論をいうと、あなたの実力はあまり関係ありません。
もっと言いましょうか?
CNSはそもそもエディターと知り合いかどうかで通る可能性が段違いです。すでにいいラボの教授とエディターは通々です。あなたの実力云々で乗り越えられるレベルの問題ではありません。
たまにいます。
CNSか姉妹誌を取ったけど、あそこの研究室はブラックで超過労働もひどい。教授がクソだ、トラウマだって言う方が。
それはあなたの実力が見合ってなくて、それでもボスの後押しでCNSをとれたことを喜ぶべきではありませんか?今の日本に死ぬほどの努力をしないでCNS取れるラボいくつなんてありますか?
本当に辛いのは研究が袋小路に入って一日中暇だけどデータも出ない状態が続くことだというのを知らないだけではないですか?
CNSなんて関係ない?やりたい研究をやりたい?自分の実力を信じているんだって?
ここまで聞いて、まだやりたい研究をやりたいというなら止めません。
筆者も同じ道をきていますから。
筆者と一緒にやりたい研究をやってあとは天運に任せてみましょう。
チケットは4枚程度ですが、期間は20年程あります。
意外と何とかなるかもしれません。
以上、最後の一枚のチケットを使用中のポス山毒太郎でした。
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