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入り口として、到達点として 「ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突」


#ネタバレ


しっかり面白かった!!!
シリーズを終えてもまだまだ集大成ではない、もっとすごいものを見せてくれるんじゃないかという期待を抱かせてくれる快作だった

異色作でありながら王道でもあり、いやはやブレーザーという作品の魅力は底知れないものがある



最終回後のエピソードということで、まずは冒頭でしっかり見せてくれるテレビシリーズ総集編から始まって

これをもって初見の人でも問題なし!という作りではないような気はしたけど、名場面を振り返る時間としては見応え十分、スクリーンで観れるという部分でもすでに大満足でした



ストーリーに関しては、子どもを飽きさせないためのユーモアだったりドラマ部分の大味さがテレビ本編より多めではあったので、いわゆる「大人の鑑賞に耐えうる」みたいな方向ではなかったと思う
映画館に慣れてない子どもたちへの配慮、という側面が強いのは仕方のないことだしね!

黒幕的な存在の正体も登場した時点ではっきり分かるし、ここに関しては子どもが初めてこういうストーリー展開を体験するための入門編といった味わいで、やっぱり子ども向け要素強めではあった
お邪魔しましたという気持ちで鑑賞していた

もともとテレビ本編でも物語がざっくり穴だらけなことはよくあるバランスなので、特に不満を抱くほどではなかったし



でもまぁ欲を言えばね、せっかくテレビ本編より尺があるんだからもう少しストーリー部分の密度や奥行きが欲しかった感じはある

というのも、「息子を持つ父親」が二人出てくるという対比構造はあるのに、どういう流れでそれぞれ最後の結論に至るのかがあんまり見えなかったのが!非常にもったいなく感じた


主人公の対比となる新キャラはというと、子どもの気持ちを理解してない仕事ばっかりの父親としてベタベタのベタ、これまで何万回も描かれてきたようなテンプレキャラではある

ベタなのは別にいいとして、例えば「いきなり50mになるなんて」のくだりも結局ただその場でのギャグになってしまったようで残念、「子どもが大きくなる」ことへの視点があるのかないのか分かんなかった

再会の場面でも「あんなこと思ってたのか!!」と怒気を込めた言葉、この段階ではまだ理解しきれてなかったけど、そのあと直接触れ合ってようやくひとつの理解に至ったということなのかな


ただ「父と息子」あるいは「親と子」というテーマに対して、どちらか片方が何か大きなものを捨てての和解ということではない、現状を冷静に受け止める和解はとても爽やかだった


であれば!!!主人公親子はどうなんだ、壊れたブレスレットを巡るうんぬんはもっと語るべき要素だろうに

ウルトラマンたる主人公は息子からのSOSをサラッと流してしまうどころか後のフォローもほぼ無し、息子は母と連絡がつかず、父との繋がりであるブレスレットと壊れており、だったというのに何なんだ…

息子はテレビシリーズでも物分かりが良すぎる性格という描写があったし、今回その部分が余計に痛ましかった



しかし子どもの寂しさ、大人とのディスコミュニケーションの先にああやって半壊した国会議事堂をしっかり映すというのはメッセージとして強さがあるものだったと思う
シンプルに特撮としてリッチで痛快、これを達成したのはこの作品の大きな魅力なんじゃないかな!


あとはとにかくブレーザーのデザインが近年稀に見るクールさなので、画面いっぱいにパワフルな戦いを繰り広げてくれるだけでもう大満足という部分もかなりある



特撮で言うと、カットを割らずシームレスに繋ぐことでの巨大さ表現、これは場面によってはあんまりうまくいってない部分もあるように感じだけど、工夫を凝らす姿勢がとても好き
走りながらの変身なんかはね!クオリティは別として、やっぱり声をあげたくなる大胆なシーンだった

ただ今回は具体的や被害状況や市民の避難といった要素がそこまでしっかりとは描かれてないように記憶していて、そこら辺でスケール感を補強する余裕まではなかったのかな〜と思うと少し悔しさもある
ミサイルのくだりなんかは、その後の絶望的な展開も込みで緊張感しっかりあったけれども


ストーリーの部分も含め、一本の映画としての強度を求めると少し物足りない仕上がりではあったかな〜、あくまで大きなお友達からするとという話だけれども



しかし隊員たちの連携はさすがテレビ本編を積み重ねてきただけのことはあり、そもそも役者陣が本当に演技上手い人たちばっかりなので、アイコンタクトひとつで関係性を感じさせる見事な空気感が素晴らしかった

最後の打ち上げ焼肉もずっと見てられる、つまりはドラマとしての積み上げが本当うまくいってるんだよな〜、テルアキ副隊長が特に好きです



あと今回は舞台挨拶にも参加することができて!小さいお友達に混ざって拍手をしていたわけですが
あくまで作中のキャラクターとして振る舞ってくれる姿勢、大人も子どもも全力で楽しませようとサービス満点な舞台挨拶という感じで終始とても楽しかった





ウルトラマンブレーザー、これって例えば仮面ライダークウガが多くの子どもたちにトラウマと希望を与えたのと同じような、と言えば褒めすぎだろうけど

昭和特撮のエッセンスを的確に取り入れつつフレッシュなドラマの練り込みも見事、キャスト陣の魅力も相まって、子ども向けヒーローアクションとして非常に豊かで大胆で!!ドラマとしても魅力に満ちた素敵な作品であることを再確認できる劇場版でした

そして寺田農さんのご冥福をお祈りします、もちろんWの園崎流兵衛も忘れがたい



次の動きは分からないけど「求められれば戻ってくる」と舞台挨拶で話してくれてたし、劇中でもゲントの正体がまだバレてないというお決まりの重要トピックがあるし!!

これはまだまだ新作に期待できるんじゃないだろうか、いや作ってくださいこれはもう本当に

#映画 #ウルトラマンブレーザー #感想

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