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[組織ブログ Ver.20] 大きな差分が生じる 文脈"共創"と文脈"共有"の違い

「あ、山根が日々実施しているのは、文脈"共有" に過ぎなかったのか」

そんな気づきがあったのは2024年1月の中旬の朝のことでした。

最近、あらゆる専門家の方から様々な知見をインプットさせていただいており、その中であった「文脈共創」という言葉がありました。これに対して僕の理解が追いつかず、ネットで調べてみたのですが、いまいち理解できず。

ただ、ある日の朝に「あれ?」と言う何とも言えない気持ちになり「あ!」と気づきを得ました。

その内容を記載していきたいと思います。

※本ブログはあくまで僕の解釈をもとに書きますので、その点ご了承ください。


0. 文脈+αとは?

先日、オーセンティックと言う組織開発企業さまのセミナーで下記を教わりました。

オーセンティックさんより

ふむふむ。すみません、全然理解できませんでした(笑)。
そして理解する努力をしようとしてみたところ、本ブログの冒頭で書いたような気づきがありました。

1. (山根の解釈) 文脈とは?

「文脈」という言葉を検索してみると「コンテキスト」という言葉が出てきます。その言葉の意味を調べてみると、

人が形成する文脈で、その企業の従業員の間で暗黙に了解されている慣習や状況に応じたルール・定石などを指す

DIAMOND ハーバードビジネスレビュー

という説明文が出てきます。
ふむふむ。

「文脈」と言うのは、

「相手の言動における「前後関係」の意味合いのこと」

だと僕は解釈しました。
人はある「事実」に対して「解釈」をするかと思います。別のブログでも記載しましたが、

「六本木に拠点を持つ若手ベンチャー企業の社長」

という事実があった場合、皆さまはどのように「解釈」をされますでしょうか?ここで言うと「推測」のほうが好ましいかもしれません。

単語で表現すると、

- イケイケ
- やり手社長
- IT
- 靴が尖っていそう
- 調子に乗ってそう
- オラオラしてそう

このようなイメージを持たれる方がおられるかもしれません。これが「推測」であり「解釈」です。

- ●●っぽい
- ●●してそう
- ●●だと思う
- ●●であると感じた

これらすべては「事実」を「解釈」しているのです。

このように、ある「事実」が伝わった際に、人間はこれまでの原体験で得た価値観をもとに「解釈」をします。これは何が正解か不正解かという話ではなく、人間は事実に対して「解釈」をする生き物であると捉えた方が良いと思います。

そして、「文脈」と言うのはその「事実」に対しての前後関係の意味合い、と表現しましたが、この前後関係の「解釈」が異なってしまうと、自分と相手、チーム、部署、組織全体の目指すべきところが微妙なズレを発生させます。

例えば、当社には「Grow Up Ventures」というミッションがあるのですが、このミッションは「事実」であり、この短文を見たときに、人々はこれまでの原体験で培った価値観をもとに自分なりに「解釈」をします。これは当たり前のことです。ただ、このミッションは代表の僕が中心に考えたのですが、この短文の前後関係にある文脈は1時間で話しきれることがないほどの大量な想いが隠されています。いわゆる設立背景もその一部です。

仕事の場において、あらゆるステークホルダーがあらゆる話をしているわけですが、あらゆる「事実」と「解釈」が洪水のように流れています。その中でその「事実」に対して「文脈」も、人それぞれ捉え方があるのです。

2.「文脈共有」とは?

前項で記載をした当社のミッションである「Grow Up Ventures」。ミッションである事実に対して「文脈」とは何かというと、
 - 山根のキャリア
 - 山根が感じた人材業界の課題
 - 山根がベンチャー企業に興味を持った原体験
 - 前職での葛藤
 - 自分でやると決めたキッカケ
 - 本ミッションを当時のメンバーと考えた話
これらが「文脈」として隠されています。

僕は設立背景をメンバーに伝えることを重要視しており、選考におけるカジュアル面談の場でも多くの時間を使って説明をしています。また、ご入社後にも上記の箇条書きの部分はメンバーに口酸っぱく伝えるようにしています。

これらは「文脈共有」です。

おそらく僕の言葉の裏に隠された想いをメンバーは察知できるレベル感であり、いわゆる文脈を「理解」してくれているかと思っています。

ただ、ここで一つ気づきがありました。それは、

「山根が発信しているこれらの内容は、文脈の”共有”に過ぎない」

ということ。

「いやいや、文脈を”共有”する場を作ること自体が素晴らしいよ」

というあたたかいお言葉を頂戴したことがあったのですが、これには一つ問題があったのです。それは、

「共有に過ぎないため、メンバーは”理解のみ”を努める」

ということ。
どういうことかというと、僕の文脈をメンバーに長時間 ”共有”することによって、メンバーは”理解”をすることに努めるかと思います。ただ、”理解”なのです。

3.「文脈共創」とは?

皆さま、イメージしてみてください。

例えば、25歳 新卒3年目のYさんがいらっしゃったとします。
新卒で自社に入社をしてから4年弱が経過しており、成長はゆっくりながら着実に努力をしてくれています。
これまで4年弱にいろいろな出来事が発生しました。顧客にお叱りをいただいたり、大きなお仕事を担当したり、3年目となる現在では社内で準MVPを獲得するほど活躍をしておりました。

↑ あなたは最近この企業に入社をしたとします。そしてYさんと同じ部署で仕事をすることになりました。そしてYさんのことをXさんから説明を受けました。

「へー、Yさんってコツコツ真面目に活躍をしていて、準MVPを獲得したのですね」

という印象を受けるかと思います。特に何も変哲もない話です。

一方で、

もし仮にあなたがYさんが新卒で自社に入社をしてから、4年弱にあたって「上司」として仕事をしていたらどのような気持ちになりますでしょうか?細かいYさんの苦労を知っているでしょうし、笑顔も落ち込んでいる顔もすべて隣で見てきているかと思います。もちろん共に同じ仕事をしたこともあるでしょうし、共に関係性を作り上げてきたかと思います。

ここでいう前者は「文脈共有」。後者は「文脈共創」のイメージです。

前者と後者で比較をした際に、後者のほうが思い入れも強くなるでしょうし、関与リスク/応対コストも感じないでしょうし、コミットメントも高いかと思います。

文脈を共に創っていく

前述した事例は、「人」にスポットを当てたのですが、「組織創り」「チーム/会社創り」も同様です。組織やチームで仕事をしていくにあたり、あらゆる文脈が発生します。その文脈は共有しなければズレを発生させます。

そして、共有だけではなく「共創」することによって、よりコミットメントが上がります。

今ふと感じたのですが、会社の「バリュー(行動指針)設計」も同じ類かもしれませんね。
僕個人的には会社のバリュー(行動指針)はボトムアップで構築したほうが良いと思っています。なぜならば、バリューはミッション/ビジョンを達成するための行動指針であり、行動を多く実行しているのはメンバー自身だからです。だからこそメンバーが主体となってバリュー構築をすることを是と思っています。

もし仮にバリューを社長が構築して、決定をした段階でメンバーに発表があった場合、メンバー⇒バリューへのコミットメントは低くなることはご理解いただけるかと思います。

そんな中、あらゆる仕事をチームで実施する昨今の世の中において、「共有」ではなくて「共創」は非常に大事なキーワードであると感じております。

ということで本ブログはこのへんで。


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