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ポテンシャライトが考える 「リファレンス採用」におけるチェック項目 α版

「リファレンス採用」

日本で徐々に知名度が上がってきた採用活動における1つの手法、いや、参考材料、選考ステップと申し上げた方が適切かもしれません。
海外では当たり前のように取り組まれているリファレンス採用ですが、日本においては爆発的に浸透しているわけではありません。
当ブログでは、このリファレンスチェックについての山根個人の見解について書きたいと思っています。



0. リファレンス採用とは

リファレンス採用とはそもそもどういった定義を持つのでしょうか。採用に関わっておられる方でしたら、「リファレンスチェック」という語はお聞きになったことがあるかと思います。以下ご覧ください。

リファレンスチェックとは:
中途採用を行う過程で、採用予定者や内定候補者の前職での勤務状況や、人物像などについて関係者に問い合わせることです。 主に電話で行うケースが多いですが、書面や面接を用いるケースもあります。 実際のチェックは、企業が直接行う場合と外部に委託して行う場合があります。

Wikipedia参照

では、本題に移りましょう。


1. リファレンス採用の必然性

僕個人としても、リファレンス採用の「必然性」については、明確な回答は出せておりませんでした。
なぜならば、リファレンス「だけでしか」明瞭にすることができない見極め項目があると確信が持てなかったからです。それであれば、対面の選考で見極めれば良いですし、何よりリファレンス採用は、第三者から忖度をした意見が上がってくる可能性があると感じていたため、どの程度信頼したら良いかが分かっていなかったのが本音でした。
おそらく、採用活動に関わっていらっしゃる方々も、リファレンス採用についての所感として、

「リファレンスを得ることができるのであれば賛成。ただ、候補者さまにも負担がかかるし、その情報の信頼性がわからない」

そんな意見をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
リファレンスに強みを持つ企業様の意見を聞いても、なんとなく腑に落ちないことが多く、僕個人としても、できるのであれば実施したい。ただお金をかけてまで、そして候補者さまに負担をかけてまで実施するのかどうかでいうと明確な回答が出ない。つまり、賛成でも反対でもない中立の意見を持っていました。

ただ、最近気づいたのですが、

「対面の選考+書類選考ではどうしても見極めきれない項目」

が存在していたことがぼんやりわかってきました。
本ブログは頭を整理しながら書いていますので、少々煩雑な内容かもしれませんが、ご容赦ください。
話を戻すと、どうしても選考で見極め切れない項目とは何なのか?と言われると何となくイメージはできるものの、確信を持てていないのが本音でした。
ただ、いくつか明瞭になって参りましたので、本項で説明したいと思います。

 1-1. その実績はあなた個人だけで創出したのか?

中途採用において、ある程度の「経験/スキル」をお持ちの方を採用するのは当たり前のことかと思うのですが、そこで重要指標となるのは「実績」かと思います。
あらゆる職種において「実績」を何かしら見える化して、キャリアシートに記載する。そして面接時にその実績についてお話しいただく。ここまでは普通の話だと思います。

ただ、入社前後のギャップにおいて「キャリアシートに書いてある実績ほど、高いスキルを持っているのかはわからなかった」という入社後のフィードバックをお客様/社内でもいただくことがあります。これはなぜ発生するのか?と考えたときに、

「その実績はあなた個人だけで創出したのか?」
「もしくは、上長を始めとした部長、他同僚の助けを得て創出したのか?」

これを重点的にヒアリングをしたほうが良いと感じています。
何故かというと、完全に1人で完結することができる仕事は少ないと思っているからです。また、特にメンバークラスにおいては、その上長となるメンバーが存在しており、そしてその上長の人事評価は部下であるメンバーの実績も含まれている可能性が大いにあるからです。

当社ポテンシャライトにおいても、メンバーには出来る限りチャレンジをしてほしい。そしてそのチャレンジについては、上長であるリーダーや僕が最大限フォローアップするようにしています。そのため、メンバーの実績だったとしても、会社のフォローアップがメインで創出された実績も数多く存在しています。
特に、会社の広告塔になっている方の選考は、注意深くする必要があると個人的には思っています。なぜならば、その会社としてそのメンバーを広告塔として立て、あらゆるバックアップをしています。そのため、本当に選考する側が求めているスキルがあるのか?という問いと、外部への露出のリードについては=つながる事は少ない可能性があります。

そのため、リファレンスとして、本項における確認をするのはすごく価値が高いものだと思っています。もちろん、その候補者さまにヒアリングしたときに、「これは実は僕の実績になっているんですが、あらゆる方の助けを得て成し遂げられた実績になるため、僕の貢献度は50%くらいかもしれません」と自分から言ってくる人には、信頼度が非常に高いと言えるでしょう。

 1-2. セルフコントロール

セルフコントロールとは何かというと、端的に申しますと「自己管理」です。
例えば、

- 会社の提出物を期限内に提出する
- 社内外における仕事の約束を守る
- 社内のミーティングに遅れず、参加する
- チームにおける約束を破らない
- 自分で決めた細かいタスクを自分で責任を持って完遂する

このあたりです。
「いやいや、それらの項目は、ビジネスマンとして当たり前なのではないか?」
そんな印象をお持ちの方もいらっしゃると思うのですが、ただ皆さんこんな経験をしたことがありませんか?

「キャリアシートには立派なことが書いてあるけれども、実際に採用してみると、スピード感がなかったり、大きな事は言うけれども自分で動かなかったり、約束を度々守らないことも発生する。「あれ?そんなことありましたっけ?」ととぼける」

おそらく、ある程度社会人経験がある方は、このような所感をお持ちいただいた事はあるかもしれません。
これは僕個人のビジネスマンとしての歪みかもしれないのですが、「約束を守らない」という事象においては、どんなに仕事ができる方だとしても一緒に働きたいとは思えません。これは信頼の貯金が起因していると思っており、「仕事ができているから、約束を守らなくていいや」という雰囲気を作ってしまうと、会社が崩壊する原因になると考えています。

本項の「セルフコントロール」は面接で見極めることが難しいと感じています。むしろ、セルフコントロールができていない人ほど面接のPRが上手である傾向もあるのではないかと感じています。なぜならば、その事実を隠したいと思っているからです。むしろ、セルフコントロールができている人であればあるほど、自身の「至らなさ」を自分から言ってくださるので、信頼できることが多いです。
そのため、リファレンスチェックなどで確認すると良いと思っています。

 1-3. 感情ランク

「感情ランク」という言葉は存在しないかもしれません。今僕が自分自身で適切だと思う言葉に置き換えました。
本項について、端的に申し上げると「物事をどの程度感情的に捉える方なのか?」は非常に重要だと思っています。

例えば、仕事において感情を揺さぶられるような出来事が起こったとしましょう。より具体的に表現すると「喜怒哀楽」のいずれかが起こった時です。本ブログではわかりやすいように、お客さまもしくは上長から叱咤を受けたとしましょうか。𠮟咤を受けた理由や上長からの指摘の仕方はさておいて、その叱咤されたという事実に対して、「感情ランク」が高い方であればあるほど、その事実を「過大解釈」するかと思います。あらゆる事実において過大解釈をする方においては、マネージメントコストがそれなりに必要になります。また、過大解釈をした内容を、他のメンバーに話す可能性も出てきます。

誤解がないように申し上げますと、「感情的」なメンバーが悪いと言っているわけではなく、感情的であればあるほど事実を過大解釈してしまう可能性が高く、思った以上に社内外におけるコミュニケーションコストがかかってしまう、つまり仕事が前に進みにくくなると感じています。本項で注意すべきなのは、「仕事が進みにくくなる」のは、当事者ではなく、周りのメンバーであることです。そのため、当事者は、本項に対して問題意識を持つ事は少なく、一方で、その上長となるメンバーや周りのメンバーが「気を使う」ことが増え、その結果、チームに対して批判が出てくることが発生する可能性があります。

本項における「感情ランク」については、面接で見極めることが限りなく難しいと思います。なぜならば、面接において、感情を一定に保つことができない人の方が稀ですし、冷静になれない人は少ないと思うからです。
そのため、リファレンスで確認すべき内容の一つだと個人的には考えています。

 1-4. 情報の取り扱い

端的に申し上げますと、「事実」と「推測」の違いを理解し、混同しないかどうかです。
ここでいう情報というのは、1次情報、1.5次情報、2次情報、3次情報、4次情報と当社では表現しています。下記をご覧ください。

本ブログの主題は「リファレンス採用」になりますので、情報の取り扱いについての詳細は、下記ブログをご覧いただければと思います。

話を戻すと、情報における解釈の仕方は非常に重要です。例えば、あなたが2次情報を得たとします。つまり、AさんのことをBさんが話している。あなたはAさんから直接聞いたわけではありません。Bさんが話をしていることを信じて鵜呑みにしたとしましょう。ただ、Bさんが感情的になってAさんについてあなたに伝えていた可能性もあります。もちろん、あなたがBさんを信頼していないわけでは無いのですが、あなたにとってはAさんについての1次情報を得られたわけではありません。そして、Bさんの話は「事実」なのか「推測」なのかは分かりません。ただ、あなたは「事実」として認識してしまい、その内容を他の方に伝えてしまう。

そんなことが組織では毎日のように起こっています。これは、人間の集団である組織において当たり前のように発生する事になるのですが、これらの組織において発生している莫大な情報の「解釈」と「取り扱い」が、前項でも記載をした「感情的」なものとなってしまうと、組織にあらゆる歪みが発生することになります。

何が言いたいかというと、自分の都合の良いように情報を取り扱う、解釈をする、などは、人間の性として致し方ないことかもしれないのですが、その尺度が大きければ大きいほど、会社に対して歪みを起こす原因となります。
本項は、面接での見極めはほぼ不可能です。面接時に不満を言ってくる方は少ないでしょうし、そして仮に不満(愚痴)が発生したとしても変換している、という事実を面接時に確認する事は難しいため、この点もリファレンスで確認しても良いかなと思っています。

 1-5. 本質的な素直さ/謙虚さ

本項においても別のブログで説明をしておりますので、ご覧いただければと思います。

入社時においては、誰しも一定の素直さと謙虚さを持ち合わせていると思います。なぜならば、新しい環境に飛び込むのに際して、自分の意見だけを押し通す頑固な人はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。そして、誰しも素直さと謙虚さをお持ちの方と一緒に働きたいはずです。(山根の所感)。そんな中で、入社時には素直さと謙虚さを持ち合わせていたけれども、入社数カ月後には変貌してしまった、という事も少なからず耳にします。そして、人の意見を聞くことが苦手になってしまい、結果的に仕事/事業が前に進まなかった、という事象も耳にしたことが一定あったりします。
これはなぜ起こるかというと、アンラーニング力だと思います。

一定のスキルを得られてくると、そのスキルが「正解」だと思い込んでしまう。苦労をして辿り着いた正解に対して、その正解が通用しないという事実を認めたくない、という気持ちは理解できます。
ただ、その正解を頑固に捉えすぎてしまうと、あらゆる支障が発生してしまいます。そして「転職」においては、自身(転職者)の正解と思い込んでいたことが正解ではない可能性がグンと上がります。なぜならば、環境が変わりお客様も変わり、そしてビジネスも少なからず変わると、自身の正解 ≠ 次の企業の仕事の正解ではなくなってしまうことが多いです。
本質的な素直さ/謙虚さ、アンラーニング力は面接で見極めることは難しいです。

なぜならば、面接で素直さや謙虚さが無いという方は少ないですし(いたとしたら相当のプロフェッショナルでなければならない)、アンラーニング力もどのように見極めれば良いか個人的にもわかっていません。アンラーニング力というとイメージが湧きにくいかもしれないのですが、端的にいうと「過去の正解/ノウハウに固執する傾向がありますか?」「頑固なタイプですか?」という質問を第三者に対してすれば、ある程度 信頼感がある返答があるでしょう。


2. (補足)メンタルモデルについて

先日、こんなブログを書きました。

メンタルモデルのブログ

メンタルモデルについての説明は割愛しますが、「自分でも気づいていない自分」が存在しています。
つまり無意識的な自分、と言いますか。

「●●さんって、▲▲なところあるよね〜」と言われ、「え、自分(●●さん)、そんなつもりはないんだけどな…」

こんなご経験をお持ちではないでしょうか?
これは無意識的な自分のことです。
当たり前ですが、面接時には本件を確認することができません。なぜならば、無意識的な自分だからです。
ただ、無意識的な自分がいるというのは、採用する側は一つの不安要素ではありますよね。なぜならば、当事者(選考される側)もわかっていないことを、選考する側がわかるわけがないからです。

何が言いたいかというと、これもリファレンスを得る一つのメリットと言えるかと思います。
自分ではわかっていない無意識的な自分、と表現をすると、それを言い換えると

「第三者しかわかっていない自分」

と表現をすることができます。
本ブログの執筆にいたった理由はメンタルモデルを勉強したから、という背景もあるのですが、メンタルモデルについての説明をすると長くなりすぎてしまうため、このあたりにしておきます。


最後に

本ブログはα版としたいと思います。
なぜならば、個人的にもまだ確信がなく、ただ必要であるという実感は湧いてきています。
直近でお客様からリファレンスについてのご質問が増えたことにより、個人的にも意見をまとめておきたく本ブログを書きました。
次回はβ版をリリースしたいと思います。ただ、リファレンスについては永遠のβ版になるのではないかと思っておりますが。
では!


皆さんいかがでしたでしょうか。
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