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ポテンシャライト流 スライド作成における「型」13選のご紹介

「このテキストの内容だと、スライドにすることは結構大変ですね…」

と言うご指摘をいただいたのは、ずいぶん前のことでした。
当社は企業さまの「魅力」の文言化のお手伝いをする仕事が多いです。その文言化した内容をご覧いただき、クリエイティブに表現をすることができたら良いのになぁ、そんな思いを持っていたのですが、その最中いただいたのが上記の言葉でした。ただ、結論としては、その課題を解決することができたと同時に、良いノウハウとして蓄積ができたため、本ブログを執筆することにしました。

では、ご覧ください。


0. 「テキスト」を「スライド化」することの難しさ

早速、抽象度が高いタイトルにしてしまいましたが、
皆様は、目の前にある「テキスト」を「スライド」にうまく表現する事はできますでしょうか?「テキストを見てみなければわからない」そんな返答をいただいてしまいそうですが、その通りだと思います。では、なぜ「テキスト」を見てみなければ、スライド化することが判断できないのか?その理由を記載してみたいと思います。

0-1. テキストの「整理」がされていないから

煩雑なテキストだと、まず読み取ることに時間がかかります。
つまり、整理がなされていない状態だと、スライド化は難しく、もしスライド化を進めるのであれば、整理をしなくてはなりません。では、どのように整理をするのか?

0-2. 「整理」を「特定のルール」に応じてしていないから

もし、仮に整理がなされていたとしても、ただそのテキストが箇条書きによって羅列されたとしても、淡白なスライドになってしまいます。そのため、整理をする際に「特定のルール」に従ってなされていれば、スライド化がしやすくなります。
「特定のルール」とは何かと言うと、例えば「比較観点」「順番」「階層」「重複」「グラフ」「ツリー型」などです。これらの項目については後ほど詳しく説明します。

0-3. 「特定のルール」が単一であるから

前述した通り、テキストをスライド化するにあたり、淡白なスライドになってしまっては、物足りなさを感じてしまうのは当たり前のことだと思います。
「テキスト」と「スライド」を比較した際に、「スライド」においては、「クリエイティブ」「グラフィック」などの視覚的な見せ方をすることが可能です。「テキスト」は文字なため、視覚的な要素を含めるには限界があります(視認性は別として)。

そのため、もし仮にテキストが「特定のルール」に応じて整理されたいたとしても、そのルールが単一であれば、スライドも淡白になります。最もわかりやすいのは「箇条書き」のスライドでしょうか。箇条書きのスライドが仮に10枚続いていたとしたら、それはもはやドキュメントと何も変わりません。視覚的な表現をするからこそ、スライドの意味があります。

0-4. 尺度観点が乏しいから

スライド化をする際に、最も(と言って良いほど)重要なのは「尺度(数値)」だと個人的には思っています。なぜならば、あらゆる項目に対して尺度を付け加えることによって、「要素」を追加することができるからです。

例えば、スライド化する際に「箇条書き」でなければまとめられないテキストがあったとしましょう。仮にその箇条書きが5つの羅列だったと仮定した際に、その1節において「尺度」の要素が加えられたとしたら、それは箇条書きではなくて「グラフ」で表現することもできるかと思います。また、グラフのみならず「丸の大きさ」で比較したり、色で比較することもできるかもしれません。そのため、尺度観点は非常に重要だと個人的には思っています。他にも存在していますが、このあたりにしましょう。


1. スライド化に重要な要素である「比較」観点について

前項で「尺度」が最も重要だ、そんな話をした中で恐縮ですが、スライド化するにあたり、非常に重要になることとしては「比較」観点だと個人的には思っています。その理由は本ブログを読み進めていただくにあたりご理解いただけると思いますので、現タイミングでは詳細な背景(理由)は割愛します。そして、「比較」にはいくつかのパターンがあると思っています。

下記をご覧ください。

1-1. 比較「対象」

端的に説明をすると、「何を」比較したいのか?です。例えば、

  • 「WantedlyとGreenを」比較したい

  • 平均年齢と成果報酬額を」比較したい

などです。「項目」が限られていると比較することができません。例えば、御社の「実績」をPRしたいのであれば、競合他社との「比較」が必要でしょうし、御社の「カルチャー」のPRをしたいのであれば、別企業さまとの「比較」が必要でしょう。
「自社の説明をしたいのに、他社の話を出す必要があるのか」と言うご質問をいただいてしまうかもしれないのですが、むしろしたほうが良いと個人的には思っています。
これはよく社内で話をするのですが、仮に自分の身長が「175センチ」だとしましょう(男性)。

皆さんここで1つ質問です。
自分は身長が「高い」でしょうか?

もし仮に「高い」と回答した方は、175センチより低い方なのかもしれません。もし「低い」と回答した方は、175センチより高い方なのかもしれません。何を申し上げたいかと言うと、自分の身長が「高い」「低い」と言うのは、「何か」と比較しなくてはなりません。例えば日本の「平均身長」と比較すると、おそらく175センチは「高い」に分類されると思います。

1-2. 比較「軸」

端的に説明すると「何で」比較したいのか?です。例えば、

  • 「WantedlyとGreenを」「平均年齢と成果報酬額で」比較したい。

  • 「平均年齢と成果報酬額を」「WantedlyとGreenで」比較したい。

などです。前項では比較「対象」と記載しましたが、「対象」が決まったとしても、「何で」比較するのかによって話は全く変わってきます。本項の事例で説明しましたが、例えばWantedlyとGreenと言う媒体があった際に、「どちらが良いのか」と言う質問があったとします。この粒度の質問に対して正確に回答できる方は存在しません。なぜならば「何で」比較すれば良いかがわからないからです。もし仮に「高い年齢の人材を採用するのであれば」という軸を追加した場合は回答が出せると思います。また「成果報酬額」と言う軸を追加した場合は回答が出せるかと思います。

つまり、比較をする際に「比較対象」だけではなく「比較軸」を追加する事によって、きちんと比較することが可能になります。

1-3. 比較「手法(型)」

端的に説明すると、「どう」比較したいのか?です。
例えば、

  • 階層型で比較したい

  • 順番に比較したい

などです。前項で比較「軸」の話をしました。事例として「成果報酬額」と言う軸を加えましたが、これでは正確な回答ができません。お察しいただけるかもしれないのですが、成果報酬額が「高い」「低い」と言う変数を追加すると正確な回答ができそうですよね。

もう少し詳しく説明します。

先程の事例で、WatedlyとGreenの2つの対象を追加しました。ただ、その2つの対象に対して、ビズリーチ、doda、マイナビ転職も追加するとしましょう。合計で5つの項目になります。項目が5つになった場合、あらゆる「型」で比較することができます。
「型」とは後ほど詳しく説明しますが、「順番」「階層」「重複」「グラフ」「ツリー型」などです。
もし仮に、「この採用媒体が誕生した順番」と言う要素を追加すると、もちろん「順番」で並べると良いと思います。
もし仮に、「登録者の人数」と言う要素を追加すると「グラフ型」が良いかと思います。これらが「型」と表現したものです。皆様が最も迷いやすいのが「型」だと思っておりますので、次項で「型」についてお話ししたいと思います。


2.スライドの「型」について

スライド化をするにあたり個人的に思いつく限り「型」をご紹介いたします。

2-1. 並列型

こちらは、比較対象がない場合に使用することができます。
図解パターンとしては下記のようなパターンになるかと思います。

箇条書きパターン(文章で説明をしたい場合)
アイコンとテキストを組み合わせるパターン
写真とテキストを組み合わせるパターン
中心に大項目を置き、そこから分散させるパターン1
中心に大項目を置き、そこから分散させるパターン2

2-2. 順番型

こちらは、比較対象に序列やフロー、順番がある場合に使用できるかと思います。

時系列で並べていくパターン1
時系列で並べていくパターン2
プロセスの段階などを示す際に、矢印などを用いるパターン1
プロセスの段階などを示す際に、矢印などを用いるパターン2

2-3. 循環型

こちらは、比較対象が永続的に因果関係で繋がっている場合に利用しやすく、サイクルや円を使った図解パターンが適しているかと思います。

CYCLEを使用したパターン

2-4. 階層型

こちらは、上位に向かうにつれて規模が小さくなる、または大きくなる場合に使用されることが多いです。

  • ピラミッド型

    • 上位に向かうにつれて規模が小さくなる場合。

  • ファネル(じょうろ)型

    • 下位に向かうにつれて規模が小さくなる場合。

ピラミッド型1
ピラミッド型2
ファネル(じょうろ)型

2-5. 対比/対立型

こちらは、異なる要素を対比、または対立させる場合に使用されることが多いかと思います。

  • 対比

    • 規模や項目を、同義語や対義語で「対比」する

  • 対立

    • 規模や項目を、同義語や対義語で「対立」する

2-6. 重複型(重なり型)

こちらは、複数の要素が重なっている場合に使用されることが多いです。ペン図とは、複数のコンセプトの集合の「関係」や「範囲」をシンプルながら視覚的に整理し、分析するために利用することができます。

2-7. 計算型

こちらは、複数の要素の計算により特定の要素を際立たせたい場合に使用さすることができます。

  • 足し算(和)型

  • 引き算(差)型

  • 掛け算(積)型

  • 割り算(商)型

などの計算方法を用いて、要素の関係を強調できます。

2-8. 包括型

こちらは、ある要素が別の要素に内包されている場合に使用されることが多いかと思います。

  • サークル型

    • TAM/SAM/SOMなどの要素が円状に配置され、内包関係を視覚的に表現するために利用される

サークル型(TARGET)

2-9. 相互関係型

こちらは、複数の要素の相関関係を表現したい場合に使用することができます。相関関係は一方が変化すれば他方も変化するように、相互に関係しあうことを指します。

  • 因果関係

    • 2つの要素の「原因」と「結果」を羅列したい場合に使用。
      例えば、「AであったのでBになった」など。

  • 比例関係

    • 2つの要素の一方が増減したらもう一方が同じく増減する関係を表現。
      例えば、「Aが増加したらBも増加する」など。

  • 反比例関係

    • 2つの要素の一方が増減したらもう一方が逆に作用する関係を表現。
      例えば、「Aが増加したらBは減少する」など。

  • before/after型

    • 複数の要素の「過去」と「未来(現在)」を比較する場合に使用。

2-10. グラフ型

こちらは、データの「比較」をさせたい場合に使用されます。

  • 棒グラフ

    • データの「大きさ」を比較するために使用。

  • 折れ線グラフ

    • データの「大きさ」を「時系列」で比較するために使用。

  • 円グラフ

    • データの「大きさ」を「全体の割合」で比較するために使用。

  • 積み上げ棒グラフ

    • データの「大きさ」を「累積データ」で比較するために使用。

  • 散布図

    • 2つのデータの「相関関係」を視覚的に表現するために使用。

棒グラフ

2-11. ツリー型

こちらは、1つのデータの中に階層を分けてデータを配置して管理する構造に使用されます。

  • ツリー型

    • 1つの要素が複数の要素に分かれていく構造を表現。

  • 逆ツリー型

    • 複数の要素が1つの要素に収束していく構造を表現。

ツリー型
逆ツリー型

2-12. マトリクス/テーブル型

こちらは、複数の要素を2つ以上比較したり、並べたりしたい場合に使用されます。

  • マトリクス型

    • 4象限を用いてポジショニングを説明する手法。
      要素を2つ以上の軸に沿って配置し、4つの象限に分類します。

  • テーブル(表)型

    • 複数の要素を2つ以上比較したり並べたりするための表形式の手法。

マトリクス型
テーブル(表)型
テーブル(表)型
テーブル(表)型

2-99. その他

前述した「型」以外もまだまだたくさんございますので、ご参考までに下記に記載いたします。

  • スケジュール型

    • スケジュールや会社の沿革などにも使用可能。

スケジュール型
  • ランキング型

    • 自社の立ち位置や順位形式のデータを扱う場合に使用可能

  • 事例型

    • 文字通り、事例を記載する場合に使用可能

  • Q&A型

    • 文字通り、Q&Aを記載する場合に使用可能

  • 吹き出し型

    • 顧客やメンバーが何を言っているのか?を表現をする場合に使用可能

吹き出し型
  • 目次型

    • 目次にて使用

  • メンバー紹介型

    • メンバー紹介にて使用


3.さらに魅力を表現するために取り組むべきこと

2024年1月時点でまだ取り組めていないことを記載します。
前項で記載しました、あらゆる「型」を「どのような場合」に適用していくのかのルールといいますか、パターンを記載した方が皆様は迷う事は無いかと思います。例えば、

  • この場合は「ツリー型」が良い

  • この場合は「包括型」が良い

などです。
もう少し事例を重ねて、本項については説明したいと思いますので、もう少々お時間をください。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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