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「良い子」ってどういう子だろう?

去年の8月の終わり、息子が生まれた。
30代後半、初めての育児が始まった。

最初の2か月こそ
寝不足でふらふらになったり、
ペースがつかめなかったり、
泣き止ませる方法がわからず何時間もずーっと抱っこしていたりしたけど、
私の実家に里帰りして、私の両親にがっつりお世話になっていてサポート十分だったし、
「みんなこんなもんだよね。想定の範囲内だわ」くらいの気持ちだった。

産後2か月で里帰りを終え、いま住んでいる明石市に戻ってきた。
その頃から息子は夜中に一切目を覚まさず、朝まで寝続けるようになった。
私の睡眠時間は出産前より長くなった。
(余談だけど、最初に1度も起きなかった日はびっくりして、
「息子は泣いたけど私が起きなかっただけなのでは…」と不安になってgoogleで検索した。
よくあることだから大丈夫大丈夫って書いてた)

抱っこしなくても添い寝で寝るし、
おなかがすいた時くらいしか泣かないし、
生後3〜4か月から一人で黙って遊ぶ時間も長かったし、
息子はいわゆる「手のかからない子」なんだと思う。
他の子を育てたことがないから知らないけど、少なくとも私にとっては。

で、よく寝てくれたときとか、
体のどこかをちょっとぶつけるなどして、びっくりしたり痛そうだったりするのに泣かないときとか、
ひとりでおとなしく遊べたときとか、
ついつい息子にかけてしまう言葉がある。

「良い子だね~!」

生まれたばかりの息子、
まだ1歳にもなってない息子にそのセリフを言うたびに、
なんとなく違和感があった。

「良い子ってなんだろう?」

よく寝るから良い子なんだろうか?
泣かないから良い子なんだろうか?
おとなしくしてるから良い子なんだろうか?

ああ、違う。
私はその言葉を、息子が本当に素晴らしかったから言っているのではない。
私は、私(母親)にとって都合がよかった時に、
「良い子だね~」って言ってるんだ。
「(都合が)良い子だね」って言ってしまってるんだ。

本当は、
よく寝なくても、
たくさん泣いて泣き止まなくても、
かまってかまって~って駄々をこねても(10か月、だんだんそんな感じになってきた。かわいいやつめ)、
全部「良い子」。

今日も元気に目が覚めたこと、
たくさんミルクを飲んだりご飯を食べたこと、
ウンチがたくさん出たこと、
全部全部良い子。
…いや、それも違う。
病気だとしても、ミルクを拒否しても、便秘でも、
それでも息子は絶対的に良い子だ。

だって私たちのところに生まれてきてくれたんだもの。

まだ言葉は(たぶん)ほとんどわかっていない10か月の息子。
それでも、親の都合でほめるようなことはしたくないな。

…なんて書いてみたけれど、
やっぱりついつい言ってしまうのだ。
「息子くん、良い子だね~!」

なので、打開策として私が編み出したのは(編み出すというほどたいそうなものではないが)、

「息子くん、いっぱい寝たね~!良い子だね!
(は!また良い子って言っちゃった!←心の声)
いっぱい寝ても寝なくても良い子だよ!
お母さんのところに来てくれてありがとう!」

…と、いちいちフォローを入れること。

まあ、息子にはわからないだろうから(おそらくまだ)、
結局は母である私の心の整理のつけ方でしかないのだけど。

どんなあなたでも、お母さんの大事な、世界一良い子だよ。
伝えたいのはそんな気持ち。
ちゃんと息子に伝わっていますように。

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