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稽古を始めて2ヶ月

それくらいの時間は経っていたと思う。いや、ひょっとしたら3ヶ月かなー とある稽古のとき、いつものように いーやーどーっこいしょー と 三節を始めたら 会長(師匠)から「お前!まだ三節やってんかい!?」と言われた。 ある程度 三節の稽古が進んできたらその後の音頭のメロディーに進むらしい。

そんなん 言ってくださいよーと 内心思った。

そろそろ "何が何して"行け とか 言ってくれるかなーと思っていた。何が何してとは、音頭のメロディーに合わして "何が何して何とやら"を延々と外題として 声を乗せて行くもの。

ぶっちゃけ僕は、三節を3ヶ月位 稽古してた。

僕自身、早く"何が何して"に行きたかった。 まさか、怒られぎみに言われるとわ。。。

それだけ音痴だった。今さら思うけども、本当に最初の三節は重要やと思う。音頭の全ての要素が含まれると教えてもらった。

本当にそー思う。

何年後かに ある大御所師匠に出稽古に行かしてもらったとき、僕の音頭を聞いて、三節から稽古が始まった。

実際、櫓でも、舞台でも 音頭が始まって 三節を聞いたとき 「あ!上手いな〜」とか、下手かも?とか最初の三節で無意識に反応してしまう。

やっぱり三節は 凄く大事。

ひどい三節を聞いたら 音頭を聞くのを無意識にやめていると思う。結構、三節を疎かにしている音頭取りは多いと思う。

話は変わって "何が何して" の稽古は、個人で稽古している時に 大体の人が 続けて 自主稽古しているもの。僕はそんな器用な事は出来ない。

音痴の僕は ここでも苦労すると思っていた。
でも、次のステップに進めるのが嬉しかった。ぶっちゃけ 三節に飽きていたと思う。

そんなとある稽古の日、当時 会の顧問である師匠が稽古に顔を出していた。この方は th師匠。th師匠の音頭を聞いたとき 同じ泉州音頭でも こんな音頭があるんやー と ワクワクした。何故ワクワクしたか解らない。

稽古の間 会長とth師匠が会話している。

稽古が終わると会長から、「お前、明日からth師匠に稽古つけてもらえ。」

内心 僕は(えっ! みんながやってる和泉江州と違うん!?)と思いながら、「はい。」と返事した。

凄く突き放された感があった。

2回目の稽古に行った時、会長が連れて来たとあって ちょっと目立っていたような気分だった。そして、三節をした時、皆から 「こいつ何しに来たん?」って言われてるような視線を感じていた。

そんな事は誰も思っていないと思うが、自分に自信が無さすぎて、回りが凄く上手くて劣等感というか 申し訳ないというか 被害妄想にとらわれていた。

そして、自分は違う音頭をする。

えーーって気持ちだった。

会長は言った。「和泉江州は 基本の節は 七つ。お前の習う 和泉音頭(漢字合ってるか解らない)は基本の節は4つ。お前は不器用やから、和泉音頭の方が合っていると思うわ」
っと。

それが、今現在でも取っている 和泉音頭 との出会いの日であり、どっぷりと 音頭にハマっていくのであった。

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