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お店を開く 〈オープン初日を振り返って〉

「だ菓子とドーナツと本の店 ポトラ」をオープンして1ヶ月が経ちました。オープンからのことを少し振り返ってみようと思い、noteを開きます。

8月20日(土)
オープン初日を迎えるまでは、色々と準備に取り掛かりながら、本当にお店として成り立つのか、お客さんは来るのかと不安とプレッシャーでいっぱいでしたが、いざ初日を迎えると一周回って冷静な状態で扉を開けました。

オープンの実感が再び湧き上がってきたのは、扉を開けた先に、車から降りてこちらに歩いてくるお客さんの姿を見たときです。それも、数台の車がすでに停まっていて、中にはお店の前で待っていらっしゃる方もいたのです。

お店を開くということ。
それは、お客さんを迎えるということ。
当たり前のことですが、実際に自分の目でその風景を見ると、お店を開く実感が沸々と湧いて、一番最初のお客さんのレジを通す時私の手は震えていました。

慣れないレジ、お客さんへのお声かけ一言一言、ドーナツを包むのさえもまだコツを掴んでおらず、お客さんを待たせている間にレジの列は長くなるばかり。朝の冷静さはこれっぽっちもなくなり、ただ手先のことだけで頭はいっぱいに。言葉の通りに嵐のような1日があっという間に過ぎ去っていきました。

日本海新聞、山陰中央新報社などの新聞にも取り上げていただきました

さらに驚いたのは、2日目です。
1日目の閉店後は、とにかく1日目で気づいた反省点の改善にあたりました。少しでもお客さんを待たせずに、ミスのリスクも減らし、目指したいのはお客さんとコミュニケーションを取れるような時間と気持ちの余裕を持てること。レジ周りの位置を変えたり、梱包資材の下準備をしたり。これでだいぶ良くなっただろうと少しの自信を携えて迎えた2日目。
工夫の甲斐あり、忙しくはあったものの、初日より少しだけ余裕を残して終えることができました。お店を閉めて、慣れない立ち仕事でパンパンの足で崩れるように座り込み、精算をするまで、来客数も売り上げも初日の倍だとは思いもよりませんでした。

想定を大幅に超えるお客様に来ていただいたこと。
もちろん、初日からしばらくは開店祝いの特別な期間です。本当の意味でお店を運営することの苦労と向き合うのはこれから。ただ、このお店ができることを楽しみにしてくれていた人がこれだけいたということが、まずは「お店を開くこと」の喜びとこれからのガソリンになりました。

お店をやっていると、毎日さまざまなドラマが扉を開けてやってきます。
その中から1つだけ、お店を開く喜びをひしひしと感じた出来事を。

おじいちゃん・おばあちゃん・お孫さんふたりでいらっしゃったお客様。おじいさまが「これが当たったんで、来たんです」とポケットから大事に畳まれた折り紙を出して見せてくださいました。

開いてみると、4枚の折り紙には、2枚ずつ「好きな本購入券!」と「♡駄菓子屋さん好きなもの購入券!」の文字。
おじいさまのお話によると、昨日お家で夏祭りごっこをして、お孫さん手作りのくじでお孫さんお二人には「駄菓子購入券」、おじいさまとおばあさまには「好きな本購入券」が当たったとのこと。

お孫さんは普段、お母さん・お父さんとよく隼Lab.に来ているそうで、ここにだ菓子と本のお店ができることを楽しみにしていた様子。このお店に来ることをくじの「当たり」にしてくれたことが心底嬉しく、またお孫さん二人が一生懸命悩みながらだ菓子を選ぶ姿、その横でおじいさまとおばあさまがそれぞれ本を選ぶ姿が微笑ましく、とても幸せなドラマでした。

次回は、オープンから1ヶ月を迎えて感じていること、また企て始めていることを書きたいと思います。

以上、ポトラ店長によるオープン振り返り日記でした。




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