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「ファンダメンタル」とは?


今の時代はすごい。

バスケの指導をしていて強くそう感じます。なぜなら、情報を手に入れようと思えば好きなだけ入手することができるからです。
私のようなバスケ未経験の人間がいまバスケを教えることができているのもすべて世の中にノウハウが溢れているからです。

しかし、情報が多いということはそれらを取捨選択する必要があるということでもあります。このような能力がコーチには求められているのかもしれません。

また、先日参加したGBNセミナーでは次のようなことが言われていました。
「基本的なことをレベル高くやることが大切。」

バスケットの技術においても同じです。バスケットの基本というのはよく「ファンダメンタル」という言葉で表現されます。

しかし、この言葉が非常に曖昧で厄介なのです。

ある人は「試合で起こることに対応できるだけの技術」と定義したり、またある人は「パス・ドリブル・シュートのこと」と定義したりします。
要は人によってバラバラなのです。

ファンダメンタルの定義はそれぞれのバスケット観を反映したものだと考えれば良いのでしょうが、バスケット初心者のコーチには大変困ります。

なぜなら、初心者にバスケット観や哲学なんてないから。ちなみに、私も全くはっきりしませんでした。

バスケの基本を教えればいいのはわかるが、何をもって基本とするのか。どれが基本でどれが基本ではないのか。

チェストパスは基本で、バウンズパスは基本ではないのか?アンダーハンドレイアップは基本だが、ギャロップステップは基本ではないのか?

こんな感じで私は今まで情報に翻弄されていました。

しかし、Lluis Rieraというコーチが説明していたファンダメンタルがとても腑に落ちました。
そのコーチは定義ではなく、5つのポイントを挙げながらファンダメンタルを説明していました。それを紹介します。

①ボディバランス

ミートしたとき、DFの構え、リバウンドの着地、シュートのステップを踏むとき。様々な場面でバスケットはボディバランスが必要となります。

高いレベルの試合を観ているとどの選手もボディバランスがしっかりしている。これが強いプレーや素早い判断につながります。

②適切なスピードでプレーする

私もそうですが、「とにかく速く!」と指導してしまうことはよくあります。しかし、パスを出すとき、シュートを打つときは「とにかく速く!」では、うまくいきません。正しい状況判断ができないからです。

逆に、スピードを出さないといけない場面もあります。例えば、ボールをミートしに行くときや1on1で相手をやっつけるときです。この場面でゆっくりプレーするとDFに簡単に対応されてしまいます。

速いけど、遅い。こういう考えを選手に日頃から伝えていきます。

③ディフェンスを見る

人間は2つのことを同時に見るというのはなかなかできません。ましてや、バスケ初心者には無理です。

だから、DFを見るということが必要です。

例えば、パスを味方に出す場面。コーナーからウイングにミートしにくる味方が見えます。そのときは、味方ではなくDFを見るということが求められます。なぜなら、味方は見ていなくてもウイングに来るからです。

しかし、DFは違います。ディナイしたり離したりと様々な対応をします。
それにOFは対応しなければミスが起こります。

これと同じようにドライブしたときも自分のマークマンではなくヘルプDFを見ることで、正しいパスの判断ができるようになります。その際に、フルスピードでプレーしないということも必要です。

④スペーシング


これについて語りだすと長くなってしまいますが、味方とそしてボールから離れることで、良いスペーシングを取ることができます。

⑤コンタクトする


相手と接触することで様々なアドバンテージを得ることができます。

例えば、ドライブのシーン。DFの肩と自分の肩をぶつけるようにしてドライブに行けばコンタクトが起きます。そして、そのままドライブに行ってDFが少しでもOFを押せばファールです。
また、コンタクトすることによって回り込まれるというリスクも避けることができます。

パワーレイアップ、ビアーステップなどのコンタクトのスキルは習得する価値が高いと言うこともできます。

さらに、オフボールにおいても自分のマークマンにコンタクトしてからもらいにいくこともファンダメンタルの範囲となります。

このように、ファンダメンタルを整理してみるとわかりやすいのではないでしょうか。
これら5つのポイントを達成することができる=ファンダメンタルがあるということです。

そして、5つのポイントを達成するために必要な技術を練習すれば良いです。

さらに、ファンダメンタルは相手のレベルによっても変わります。例えば、DFのボールプレッシャーが厳しければ、ドライブしたときにDFを見ることができなくなります。また、相手の1on1のレベルが高ければ、DFの姿勢を崩されてしまうでしょう。

このように、どのくらいファンダメンタルを鍛えればよいかということは「相手による」というのが答えになります。

つまり、どこを目指すかで決まるということです。ベスト8ならベスト8のチームに対して5つのポイントが達成できるような練習をする必要があります。

こんな感じでファンダメンタルを私は考えています。最後まで読んでいただきありがとうございました。


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