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青空にぽかりジャイアントコーン

二〇一七年二月一日水曜日

晴れ

公園さんぽの終盤、自転車のコースがあるあたりにのんさんが手を伸ばしたどり着く。コースというのはデッコンボッコンしている土でつくられたコースで、普段趣味のひとが練習していたり、こどもがはしゃいで登ったり下ったりして走っていたりする。

のんさんは仕切りになっている黄色と黒のロープにつかまり満足げにしているところに、小学校四・五年生のおんなのこ二人が自転車に乗って現れた。

黒い洋服を着た肩までの髪の長さのおんなのこと、ポニーテールで早口にたたたっと喋るおんなのこ。
「お菓子たべようよ。」早々に鈴のような声で、黒い服着たおんなのこが言う。
「やるって決めたらやりきらないと気が済まないの、うち。」ポニーテールの子は、ゆるやかな山の直線を二回ほどクリアすると、もっと急なコースに挑んでいる。どうやら一周ぐるりと回ろうとしている。何度も「うわあ!」「たすけてー (かろやかに)」なんて言いながらものすごく急なところをかご付きのギアもない自転車で果敢に登ろうとする。「むりだよ。」「だいじょうぶー?」と黒い服の子は自転車を漕ぎつつもきもちは遊んでいなくって、ポニーテールの子を向いていた。
「できたよー、〇〇ちゃーん。」と一周して帰ってきた。「あー、こわかった。」とけろっとした声で言った。そうだったのかあ、こわかったのかあ、と感心する。自転車をぱーんっと置いて、チョコのついたスナック菓子のふくろを開けて「たべよー、〇〇ちゃーん。」だって。
こわくてもやりきってたべるチョコ菓子は、とってもおいしいだろうなあ。

どこかが帽さんとたかくんみたいだった。

夜ごはんは、にんじんしりしり (ツナ、車麩)、カブとベーコンの炒めもの (大蒜、長葱)、ロールキャベツ二日目、ごはん。

のんさんは、にんじんばかりつるると、コリコリコリと、よくたべた。

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