みる

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いやいうほど悪くなくない?/『ショーガール』

ポール・バーホーベン監督による映画、『ショーガール』を久しぶりに観た。この映画はとにかく評判が悪いがカルト的人気がある。 公開が25年前で、私がこの映画を知ったのは6年ほど前だから当時の雰囲気は全く知らない。公開時かなり評判が悪かったことは知識として知っている。 上映後に小さな座談会があったのだが、そこでの評価も「ストーリーは全く評価できるところがないがダンス好きのカルトフィルムだし美的に最高♡」というものだった。 私は普通に面白い話だと思っているので、皆と一緒にストーリ

    • そばかすはアクセサリーではないんだぞ?

      久しぶりに海外に来ているのだが、日本の美容業界のスタンスによってどれだけ自分が削られてきたか実感した。 私はいわゆる「癖毛」でそばかすがあり、それに悩んだり生かしたりしながら生きてきた。 自分を美しいと信じているし、お化粧もお洋服も大好きだ。 それでも、日本で直毛でなくシミがある状態で生きるということは、おおげさな言い方をすると、自己を否定され続けることでもある。 日本では(東アジアでは?)シミのない均一な白い肌と真っ直ぐな髪が理想とされる。しかも美的観点からだけではなく

      • アイリーン・M・ペパーバーグ『アレックスと私』

        超有名ヨウム、アレックスの研究者のエッセイが2020年に文庫化したことを知り、読んでみた。 エッセイはアレックスの死から始まり、途方もない悲しみを少しずつ受け入れる人間の姿にまず心を打たれる。わがままでチャーミングなアレックスの魅力にも夢中になった。 ……のだが、何より、読んでいる間中頭の中を占めたのは研究費や研究員のポストの問題だった。 「こんなに優秀な人なのに、こんなにとれないものなの!?」と叫びたくなるような場所がいくつあったかわからない。 筆者の研究者としての不遇

        • 角田光代『愛がなんだ』

          初めて入った喫茶店のカウンターに角田光代の『愛がなんだ』が置かれていた。 昨日、Eテレで彼女がゲストの番組を見たのもあって、折角だからすこし読んでみようと手にとった。 いや、おい、わたしではないかい!? 不毛な恋、年齢、限りなく無職に近い生活。 結末が気になって、青ざめながら読んでいた私はどんな表情をしていたのだろう。 気に入ったら購入するなり借りるなりしてゆっくり読もうと本を開いたものの、それどころではなくなってしまった。 帰る時間も気にしていたし、実をいうと、読み飛ば

        いやいうほど悪くなくない?/『ショーガール』