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パートナーへ言葉で伝えることの大切さ


私はドイツ(今年で10年目を迎えます)で、ドイツ人の夫と、2人の子ども(男の子7歳・女の子2歳)と暮らしています。

夫と知り合ったのは日本でしたが、出会った当時は、付き合うとか、まさか結婚して残りの人生(多分)を共にするなどとは想像もしていませんでした。

途中、遠距離だったこともあり、実質共にした時間はさほど長くありませんでしたが、トントン拍子で結婚することになりました。(その経緯は今でもよく思い出せません 苦笑)

夫は、いわゆる「好みのタイプ」では全くなく(ぶっちゃけますが・・・笑)、どうして人生のパートナーに選んだのかな?と振り返ることもありますが、「安定・堅実・真面目」な彼を選んだということは、私にとって、この「安定・堅実・真面目」は家族を築く上で大切なキーワードだったのだと思います。


我が家はたまたま国際結婚ですが、どのような結婚であれ、全く違う家族=環境で育った2人が、ひとつ屋根の下(でない場合もありますが)で暮らし始めると、色々と「衝撃」だったり、「信じられなかった」り、「新しかった」りすることが出てきます。

また、長い時間一緒にいるようになると、「阿吽の呼吸」(またの名を「甘え」)で意思疎通出来るようにもなりますが、

「きっと相手は分かっているだろう」

と思っていても、全然相手は分かっていない、それどころか気づいていない、ようなことは多々あります。


以前、こんなことがありました。

~ある平日の朝(息子が幼稚園生だったとき)~
1. 私が主人に尋ねたこと: 
Q. 今日は何時まで抜けられない仕事があるか?
A. 16時まで

2. 私が主人に伝えたこと:
・息子の友達のJ君が午後、うちに遊びに来る
・J君のママは酷い風邪をひいているので、J君だけがうちで遊ぶ
・夕方、主人が仕事から帰ったら、私か主人がJ君をおうちまで送る

私は、「仕事が16時までなのであれば、早くうちに帰ってきてもらって、17時過ぎには私かあなたがJ君を送りに行こうね。その間、どちらかは、家で子どもと待っていようね」というメッセージを伝えたつもりでした。

しかし、その日の夕方、待てど暮らせど戻ってこない主人。17時になり、17時半になり・・・。主人へのイライラは頂点に達し、その横ではエネルギー有り余る当時、幼稚園児だった男児2人が激しく走り回りながら、体当たりでぶつかっています。

結局18時に帰ってきた主人。(ドイツだと18時に帰宅は遅い部類に入ります・・・日本でお勤め人の皆さん、ごめんなさい)

「早く仕事が終わると言ったのに、なんでこんな遅くになったの?J君を送らないといけないのに、J君のママもこんなに遅くになったら心配するでしょ?」と帰宅早々の主人に怒りをぶつける私。

一方の旦那は、「早く帰ってきてなんて一言もいっていなかったじゃないか?早く帰ってきてほしかったなら、そうハッキリ言ってくれ」と逆ギレ。

・・・もうお分かりだと思いますが、私には、
・仕事の終わる時間を聞いた→早く帰れると解釈した
・J君の状況を説明した→早く帰ってこないといけない理由を理解していると思った
という思い込みがありました。


えっ!?なんで、このメッセージが伝わらなかったの!?


と私としては衝撃でしたが、もし、私が主人に早く帰ってきてほしかったのであれば、こう伝えるべきだったのでしょう。


「抜けられない仕事が16時までなのだったら、早く、少なくとも17時までには帰ってきて。J君がうちに遊びにくるけど、J君のママが酷い風邪で、送り迎えするのが大変だと思うから。ほら、J君宅は大人の足だと徒歩7分くらいだけど、子どもが一緒だと15分くらい掛かることもあるでしょ?道路は狭いし交通量も多くて危ないし、子どもを2人連れていくのは大変だから、あなたが帰ってきたら、私かあなたが自転車か車で送りに行こう。じゃぁ、何時に帰ってくる?」

・・・長い説明ですね、、、苦笑


勿論、結婚10年目になると、言わなくても伝わるような部分もありますが、絶対に間違えたくないこと、誤解してもらいたくないこと、ハッキリとさせておきたいこと、は、ちょっとクドいかな?という位説明するようにしています。

夫は、気が短かく、ハッキリとした性格なので、私の話やお願いを、煩そうに聞いていることもありますが、我が家の場合は、感情を挟まず、淡々と論理的に話をすると、聞いてもらえる傾向にあります。


これまで何度も、特に子どものこと、そしてその状況や対応をしている私のことについてもう少し理解して欲しいと、頼んだことがあります。

(子どものことも、また追って書いていきたいと思いますが、息子がとても「育てづらい」子で、恐らく「診断名」が付くような特性をもっています)

「感情」が入ってくると、相手にうまく伝わらない、完全にはわかり合えない部分も多いです。

(恐らく、夫も、息子のような特性を持った人なのだと思います)

とかく、夫は「アドバイス」や「代替案」を出してきますが、私が本当に必要なのは、「ただ聞いてもらうこと」だったり、「それは大変だったね」と認めて欲しいだけだったりするのです。

夫にはその「共感性」の部分を伝えているのですが、もともと「共感性スペック」の低い相手である夫は、話をした直後は気をつけていてくれますが、しばらくすると、また忘れてしまいます。

「嗚呼、またこの話をしないといけないのか・・・」

と正直思ったりもしますが、私にとっては、気持ちよく家族で暮らしていくために大切な部分であるので、忘れた頃に、また同じような話をして・・・の繰り返しです。(繰り返し続けてもう10年・・・)


感性や脳の作りの違いも関わってくるのだと思いますが、パートナー間のこうしたスレ違いは、ご相談頂く中で多く耳にします。

例えば、家事の分担、家計の分担、育児や親戚・近所付き合いなど。


多くの場合、

・わざわざ伝えなくても相手は分かっていると思い込んでいる
 →実は分かっていないどころか、問題自体に気がついていないことも

・言っても無駄だと諦めている
 →必要以上の妥協や無理をしているが、実は問題から逃げているだけということも

・自分さえ我慢すればいいのだと思っている
 →「我慢している自分」にはじめは満足しているが、そのうちに無理がきかなくなり、爆発してしまう

というようなパターンがあります。


自分にとって大切な人であればあるほど、相手に期待をしてしまいがちですが、まずは、相手に対する期待値をググッと抑えて、当たり前なこと、分かっているよね?と思うようなことも言葉にして言ってみることをお勧めします。


ちなみに、「愛を伝える5つの方法」(ゲリー・チャップマン)という書籍もとても参考になりますので、宜しければチェックしてみて下さい。




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