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【デザイン事例】 想いをカタチに、マチルダのロゴをつくった話

こんにちは。ユーザベースグループのFORCASとJVRのデザイナー、廣田(@nacchin777)です。

今回は、大切な友人であり、元同僚のまるちゃん(@yukamatilda)の新しい挑戦を応援するロゴをつくった話をします。FORCASとJVRのデザインの話ではないですが、こちらもいろいろと試行錯誤したので、参考になるところもあるのではないかと思って。

デザイン事例としては、2つ目の記事になりますね。

信頼してもらえている…という幸せ

はじまりは5ヶ月前。昨年の10月初旬だったかな。facebookのメッセージをもらったのは...

メッセンジャーなので、表情はわかりませんが(笑)、多分、遠慮がちに...

--------- 時は少し遡り... --------

少し時は遡りますが、私もまるちゃんもSPEEDA事業に所属していた頃のこと。こんなエピソードがありました。

それは、私にとって、とっても大切な思い出で、今でもたまに思い出して、元気付けられるエピソードです。

ユーザベースに入社して半年後ぐらい、SPEEDAは大きな展示会にブース出展することになりました。そこで、これを機にパンフレットを作ることになりました。当時、SPEEDAには印刷したパンフレットというものは存在していなかったので、全くのゼロからの作成でした。

そして、当時、私がメインで携わっていたプロジェクト、SPEEDAのトップページリニューアル。これも、この展示会をリリースターゲットにしていました。なので、パンフレットまでデザインする余裕は全くなかった、、、というのが正直なところでした。

・・・そうはいっても、必要なものは必要なので、なんとか時間を捻出して、パンフレットを仕上げました。でも、とっても不安だったんですよねぇ。。。本当にこのデザインでいいの?この構成でいいいの?、、、って。

前職の営業時代も、自分が使うツールのデザインは外注することなく、自分でデザインしていました。(はい、営業でしたが、自分でデザインしてました。)

自分が直接売るするサービスなので、自分が説明しやすいように、コンテンツもビジュアルもデザインすればよかった。そこには、全く迷いはありませんでした。

だけど、ユーザベースでデザイナーになって、自分が直接説明するわけではないサービスのパンフレットをデザインするとなると... もう、そこには迷いがいっぱい。笑

そんな、迷いながらデザインしたパンフレットが納品された日、たまたまエレベーターで一緒になったまるちゃんが言ってくれた一言。

そのパンフレットを大事そうに、ギュッと胸に抱えて、こんなことを言ってくれたんですよね。

そんなに喜んでもらえるなんて。。。ちょっと泣きそうなくらい、嬉しかったのを、よーく覚えています。パンフレットを抱きしめてくれたまるちゃん、ありがとう!!

そんなまるちゃんの新しい挑戦。
私でできることがあれば、ぜひ手伝いたいと思ってました。

何より、まるちゃんから信頼されているという幸せは、私の心を温かくしてくれるのです。

・・・が、もちろん、すべて、時間との相談。。。苦笑

まるちゃんには、合間の時間を使うことになるから、すっごく待たせてしまうかもしれない、、、というのを理解してもらった上で、引き受けました。わがまま言ってごめん!

マチルダは小さな大天才

まずは、まるちゃんに、これから始める事業のこと、会社の名前のこと、何を大切にしているのか、、、など、いろいろ聞かせてもらいました。そして、貸してもらったこの児童文学。

この児童文学に出てくる、主人公の女の子「マチルダ」が、まるちゃんの会社「株式会社マチルダ」の名前の由来です。

マチルダは天才少女。三歳になる前に字が読めるようになり、四歳で、有名な文学作品も読みこなす。ところが両親ときたら、そんな娘を「かさぶた」あつかい。「物知らず」だの「ばか」だのと、どなりちらしてばかり。学校にあがると、そこには巨大な女校長がいて、生徒をぎゅうぎゅう痛めつけている。横暴で高圧的な大人たちに頭脳で立ち向かうマチルダの、痛快仕返し物語。(BOOK」データベースより)

なので、まずは、まるちゃんの想いを理解するために、私もこの児童書を読みました。

マチルダは「くるくるカール」の女の子?

読んでいる最中も、読み終わった後も、私の中の絵として浮かんでくるマチルダは、くせっ毛くるくるカールの女の子。ちなみに、挿絵のマチルダはストレートヘアでした。

加えて言うなら、

色白ではなくて、ちょっと色黒。
強い意思を持った目をしてるんだけど、笑うとみんなを幸せにするパワーのある女の子。

そういうぼんやりとしたイメージを、そのまままるちゃんに伝えると、こんな絵を描いてくれました。まるちゃんが思うくるくるカールのマチルダはこんな感じ。

ロゴの進み具合は悪く、ロゴなしの名刺を

基本、週末を使ってマチルダのことを考える、、、という感じだったので、本を読み終わるのも、キーワードを洗い出すのも、ラフを考えるのも、かなりなスローペース。そんな感じだったので、ロゴも決まってないまま、名刺を先に作りました。

デザインは、マチルダのイメージというよりも、私が考えるまるちゃん自身のイメージで。ロゴができる前に、特定な何かを連想するイメージはつけたくなかったので、色とタイポグラフィだけのシンプルな名刺をデザインしました。

それがこちら。色は2種類提案して、オレンジ(左下)のほうが採用となりました。

くるくるカールに「m」を潜ませる

そんな、ゆるゆるな感じで進めていたロゴですが、少しまとまった時間が取れた週末に、「マチルダは小さな大天才」を読んだ感想と、頭に思い浮かぶイメージを言葉にして書き出してみました。

これは、私がよくやる方法で、FORCASのロゴを作った時も、こんな風に、ただただ言葉を書き出していきました。ときには、そこに簡単な図を描き込んでいくことも。

ここから一気に、この言葉を図案化したものを描いていきます。描くと言っても、超がつくほど絵を描くのが下手な私なので、これを見ても、私以外は、なんのインスピレーションも湧かないと思いますが。。。苦笑

会社名のMatilda(マチルダ)とまるちゃんの名前には、どちらも「M」があるので、これをうまく使いたいな、、、と思っていました。

なので、マチルダの「くるくるカール」とは別軸で、「M」を使ったロゴの形も考えていました。それが、上の写真の右上あたりの図案。「M」を分解したり、「M」の特徴的な形の部分を抜き出したりして。

あと、本の中で、マチルダが自らの意思で親や学校を見切って独立していく様が、「サナギからチョウへ」変化していくみただいなあ、、、と思って、「チョウ」をモチーフに考えたりもしました。それが、上の写真の左下あたりね。

・・・と、こんな感じで、いろいろ思考を巡らせたわけですが、やっぱり「くるくるカールの女の子」の姿が、いつも頭をよぎる。。。

そして、その「くるくる」を図案化していくと、そこに「m」という文字が浮かび上がってくる。もともと「M」を入れたいって思ってたので、これはラッキーな偶然?

そんなこんなで、やっぱり、この方向だなあ、、、と、一人勝手に確信しました。笑

ここで、「くるくる」の図案に、太いところと細いところに強弱をつけたのは、単純に見た目の「遊び」の部分がひとつ。もうひとつは、いつも気持ちを張って全力投球でなくても、気を緩める時があってもいいんだよ、、、という、私なりのメッセージ。

そして、まるちゃんからは、「芯のある強さ」を表現してほしいとリクエストをもらっていたんですが、このロゴには、そういう強さはあると思ったんだよね。この図案、立体的に見ると、フィギアスケーターが回転している様、その足元にも見えるでしょ? 回転するには、しっかりとした強い芯や軸が必要だから。 ←少し強引?笑

さすがに、そこまで、一瞬で理解してもらうのは難しいロゴだけどね。笑

私が思うマチルダの強さって、鋼鉄のような硬い強さではなくて、しなやかに伸び伸びとした自由さを感じる強さなんですよね。ピーンと張り詰めた感じじゃない、このくるくる加減が、良い塩梅の図案だと思ったのでした。

寝かせること数ヶ月...

なんとなく、自分ではこれがいいという確信はあったものの、これをどう展開していくか、、、というところと、「意味」としての物足りなさに、少し思い悩んでいました。

そんなことを感じつつ、日々の業務にも忙殺され、数ヶ月が経ってしまいました。(まるちゃん、本当にごめん!)

まるちゃんの事業は、、、というと、今年に入り、アルファ版の提供も始まり、本格的に始動。反響も上々なようで、そうなると、「これがマチルダです!」と説明するWebページとか資料とか必要だよね。

まるちゃんからもWebページを作るのに、ロゴをそろそろと...という話ももらって、再始動しました。ほんと、根気強く待っててくれてありがとう。

ひとつとして、同じじゃない

これまで、少ないながらも、仕事でロゴを作ってきて、その経験が故に? 私自身の中で、「ロゴはこうあるべき」という固定観念みたいなものがあったと思う。

どんなシーンでも美しいビジュアルで、使いやすく、想いを感じられて、そして差別化できる。そんな完璧なロゴを作らなきゃ、、、って。

でもね、まるちゃんのnote記事とか読んでて思ったんです。

ひとつひとつが大切な個。ひとつとして同じじゃない。ただひとつの正解があるわけじゃない、、ってね。

そしたら、ロゴだって、もっとバラエティに、みんなが「自分のもの」って思えるようなロゴがいいんじゃないか、、、って思ったんです。

カタチも、イロも、いろいろ。

そう思いついたら、途端に、私の心も自由になってた。。。笑

その想いをカタチにして、まるちゃんには、こんな風に伝えました。

先にも描いた通り、私が最初に感じたマチルダの強さは、「他者を認めて受け入れる、しなやかな強さ」でした。周りはどう思うかわからないけど、私はそれをうまく体現できているじゃないかなあ、、、と思った。そんな風に自信が持てた自分にもうれしい。笑

最後、カタチもイロも多様でいい!って思えたおかげで、マチルダのロゴは、みんなの想いを受け入れて成長していくロゴになったと思っています。

おわりに...

最初に話をもらってから5ヶ月。

ようやくカタチになったロゴ。

本当に、根気強く、まるちゃん、待ってくれたなあ、、、という感謝でいっぱい。

そして、まだ、最低限のガイドラインを作ったり、、、と、他にもやりたいことはありますが、ひとまず、マチルダのサポーターさんやユーザーさんたちにお披露目できてよかったぁ。。。というのが、今の正直な感想です。笑

まるちゃんも、こんな風に喜んでくれました。ホッ。


中央区に住むサポーター、ユーザー募集中

この記事を読んで、マチルダが提供するミールシェアサービスに興味を持っていただけた方。ぜひ、こちらのサイトをチェックですよ♪

まるちゃんの想いをもっと知りたい方は、私が担当している「起業家とサポーターがつながるライブアプリ ami」のライブ書き起こし記事をどうぞ。

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