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【友情結婚】妊活編④妊娠~出産

シリンジを使ったタイミング法を始めてしばらく経ち、次の周期がだめだったらステップアップで卵管造影検査(子宮形状の異常や卵管のつまりがないかを造影剤を流し入れてエックス線で確認する検査)の予約をしようかな、と思っていた矢先に妊娠が判明しました。

食生活を含めて日常生活で特に気をつけたこともなければ、仕事で普通に重い荷物を運び、少量ですがアルコールを飲んだりもしていたので、妊活してました!と言えるほどのことは正直していません。妊娠できる体質だったんだなぁ…ということと、所定のステップ(〝普通〝の夫婦であれば性行為)を踏めば妊娠するときはするんだなぁ…と当たり前のことを思ったりしました。

生理が1週間ほど遅れたのを待って妊娠検査薬を試し、陽性判定が出た次の週末にクリニックを受診して子宮外妊娠でないことが確認できました。心拍確認まで終えて親子手帳の交付を受け、悪阻らしきものが本格化してきたあたりでようやく実感が湧いた気がします(とはいえ胎動が分かるまでは半信半疑でした)。それも単純な嬉しい!ワクワク!ではなくどうにか出産まで無事に終わるまでは気が抜けないぞ…と不安のほうが上回っていて、両親と職場、やむを得ず妊娠中に会う知人の必要最低限にしか報告していません。

9週あたりから食べ悪阻が酷くなり、結局19週頃に終わったかな?と思うまでは主に夕方以降の吐き気がかなりしんどかったです。ピークの時は耐えるため&フラストレーションが溜まってとにかく叫んでいたので(おえー!とかもう嫌ー!とか)、それを仕事帰りに毎日聞かされていたカイト氏の心労はいかばかりだったろうと思いますが(笑)、おかげで気が紛れて少しずつでも食べれていたので悪阻での入院や通院をすることなくその期間は越えられました。

安定期に入ってから食欲は戻りましたが、後期では胃の圧迫で逆流性食道炎になり、これまた毎日のように盛大なゲップを何十回も聞かされる(笑)カイト氏には申し訳なかったなと思います。もうなんかしんどすぎて恥とか汚いとかどうでもよくなる不思議。世の中の夫婦が産後に「女として見れなくなる」とかいうのはこういうのも積み重なったものなのかもしれないなと。うちの場合は端から恋愛感情がないので悪くてもドン引き程度だったかな?

つわり中の母親の状態については、妊娠出産・育児の本やエッセイを見ていたことが役に立ちました。知識としてだけでなく、実際の経験者の表現で知っておくことで、「あー今こういう状態なのかも。こういう声かけがいいかも」という発想になれたからです。

カイト

そんなこんなでなんとか無事に臨月を迎え、予定日より少し早めに出産しました。

妊娠を機に夫婦で話したことがいくつかあります。

①どんな経過であれ、妊娠は一度きりにさせてほしい。
母が不育症疑い(4回妊娠して結果産まれたのは私ひとり)だったこともあり、初期の流産を含めて私も経験する可能性があるだろうなと考えていました。仮に何らかの理由で妊娠継続が諦めざるを得ない状態になった時、そこから立ち直って次またはじめから!と思える気がしなかった、というのが理由です(身体的にも精神的にも)。
念のため、妊娠後にも養子縁組の情報はざっくりですが確認していました。

②仕事を退職させてほしい。
これは①に付随する内容で、もしもの時に仕事していなければ…と後悔することがないように、という考えからでした。
それに伴って私の収入がなくなるので、お互いが共用口座に毎月振り込む形を一旦見直しました。産後は保育園に入れるかの状況次第で時期はズレますが、新たに求職して2馬力に戻したいと思っています。

③とにかく体調がガタガタになるので理解してほしい。
一時期はキッチンに立てず家事どころではない姿を見せていたので分かってもらえていたと思います。
こればっかりは交替できるものでもないし、当人以外はつらさの想像が難しいことなので、性別や妊娠経験の有無を問わず周りは「しんどい」と言われたらその言葉どおり受け取ってほしいなと。可能な限り寄り添っても何が分かるんだよー!と荒れるかもしれませんが、長くて10ヶ月のこととグッと堪えてくれたら嬉しいです。
うちの場合は、私の暴言(ほぼ泣き言?)にも負けず淡々とやり残した家事を片付けてくれたり、コロコロ変わるその時食べられるものを買ってきてくれたので助かりました。

④もしものときに子どもと母体のどっちを優先するか?
たぶんこれ女性と男性で意見が割れるんじゃないかなと思います。正解はないし。ただどんな出産でも命懸けだし少なからずリスクはあるので、杞憂に終わっても話しておくべきかなと。

これメイコさんから話題に挙がったことが、逆に驚きました。
いくら子どもが欲しくて友情結婚したと言っても、まだ見ぬ子どもより目の前の相手に「君が死んでね」「私が死ぬから」って言う人いるかなって。
母体を優先するのは言葉にするまでもないと思ってましたけど、それが共通の認識かどうかを確認するのも必要かもしれませんね。

カイト


以前の記事にも書いたとおり、私は子どもの世話に関してまったく自信がありませんでした。それどころか果たして無事に生きて子どもに会えるのか、妊娠中のメンタル乱高下も相まってよく不安になっていた気がします。
近所にたまたまとても評判のいい総合病院があり、高額になる無痛分娩を迷わず選ばせてくれたことでだいぶマシになりました。感謝。
ちなみにしょっちゅう胎動に対して「生きて会うぞ~頼むぞ~」と念じていました(重)。

逆に言うと、産まれた後のことはカイト氏にある程度お任せする気でいました。こちとら10ヶ月必死で生かしとんじゃ!せめて生後10ヶ月ぐらいまでは私が何にもできなくても生かしてくれ!的な。結局そんな無茶なお願いは不可能だと知っているので言ってませんが。産まれてしまえば全く世話できないなんてことはなく、要は慣れの問題だったことも今ならわかります。

という訳で、友情結婚で性行為がなくても妊娠出産できましたという結論をもって、妊活編は終了となります。
産まれた子は私に全く似てなくてとても可愛い!(笑)し、両家の親もそれはそれは喜んでくれたので私達が最初に結婚を考えたいちばんの目的は達成できたのかなと思います。

この期間を通して、家族という共同体として一段階バージョンアップできた気がしました。今後もお互いへの感謝と気遣いを忘れず、意見を擦り合わせるときは冷静に、穏やかに、ひとまずちいさいひとを健やかにおおきくしていきたいです。

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