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私たちがLEED認証にこだわる理由とその魅力〈前編〉#4環境共生型賃貸住宅「鈴森village」

こんにちは。鈴森villageすずもりヴィレッジ広報チームです。
今回は、LEED認証のコンサルティングなどを手掛ける株式会社ヴォンエルフ社長の平松宏城さんと、鈴森villageオーナー・株式会社鈴森社長の鈴木早苗さんの対談をお届けします。

アメリカで生まれたLEED認証の思想とはどのようなものか、鈴森village(詳細はこちら)がなぜLEED認証の取得を目指しているのか、住まい手にはどのようなメリットがあるのか。お二人の熱い思いに触れてください。


よりよい社会づくりを目指すLEEDの思想

地球環境に負荷をかけない建築物の指標


−−まず、LEEDとはどういうものか、改めて教えてください。

平松 LEEDはLeadership in Energy and Environmental Design(リーダーシップ・イン・エナジー・アンド・エンバイロンメンタル・デザイン)の略で、エネルギーや環境のことをきちんと考えた建築づくりを牽引していきましょう、という意味です。

1998年にアメリカでスタートした制度で、すでに25年の実績があり、現在では180数カ国で運用されています。私が日本で普及に取り組み始めたのは2006年でしたが、当時はまだ誰もLEEDを知らなかったし、建築物を建てるときに環境の話を持ち出しても関心を示す人はほとんどいませんでしたね。

しかしその後、東日本大震災のときに計画停電を経験したり、パリ協定*1で気温上昇を1.5℃に抑える目標が掲げられ、政府が「2050年カーボンニュートラル*2」を宣言したりと、いろいろなことがありました。実際に豪雨や熱波など気候災害も起こるようになって、エネルギーや環境問題への関心が高まり、LEEDにも注目が集まっています。

*1 パリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21 )において2015年12月12日に採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定
*2 2050年までに、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること

ヴォンエルフ社長の平松宏城さん

安全・快適・健康とエネルギー消費の両立


−−建物の環境性能基準は他にもありますが、LEEDの特徴は?

平松 LEEDの場合、エネルギーだけではなくコミュニティーや社会に対する貢献も評価する点が大きな特徴です。LEEDの創設者たちがよく言っているのは「マーケット・トランスフォーメーション」、つまり市場を変えることで社会を変革していく、ということです。

たとえば、鈴森villageもそうですが、建物の断熱性・気密性をきちんと評価することで、エネルギーロスが減りますから、光熱費が抑えられます。同時に、換気性能も評価して、室内の空気をきれいに保つ。LEEDは、そういう目に見えないものも含めて、安全・快適・健康などを維持しながらエネルギー消費を抑えるように、うまくバランスを取るための指標です。

また、LEEDに準拠した、長く使える建物を増やすことで、これまでのようなスクラップ・アンド・ビルド(どんどん壊して建て直す)の風潮を変えることにもつながります。

アメリカでLEEDに触れた夫との約束

環境への配慮を目に見えるかたちに


−−鈴木さんは、賃貸住宅を建てるにあたり、なぜLEED認証取得に挑戦しようと思ったのですか?

鈴木 直接のきっかけは、代替わりの問題でした。母が元気なうちに、土地の将来のことを考えておかなければ、と。代替わりを機に土地を手放す地主はとても多いのですが、本当にそれでいいのかどうか。主人(故・晴紀氏)と話し合った結果、「まずは守っていく土地と、手放してもいい土地を整理してみよう」ということになりました。

主人は建築学部の出身で、建物を経営的観点から総合的に管理する「ファシリティマネジメント」の仕事をしていました。その関係で、アメリカを視察したときにLEEDを知ったのだと思います。

鈴森社長の鈴木早苗さん

平松 現地でLEEDのプロジェクトをご覧になったのでしょうね。私は、晴紀さんが立ち上げに尽力されたファシリティマネジメント協会で、何度か講演をする機会があり、晴紀さんと知り合いました。先ほど言ったように、まだ日本ではLEEDが冷たくあしらわれていた頃に(笑)、非常に感度良く反応してくださったのを覚えています。

鈴木 私も学生時代にアメリカに留学した経験があり、向こうの人たちの環境意識の高さを感じていましたし、環境問題は地球全体で考えなければいけないと思っていました。主人とも、このまま温暖化が進んだら大変なことになる、という話をよくしていたのです。

それで、土地の利活用について検討するなかで、主人が「この土地を開発するなら、差別化を意識しないといけない。それには環境へ配慮していることが証明できる、LEED認証を取得するのがいいよ」と言って詳しく説明してくれました。でも、大きなお金のかかることでもあるし、すぐには決められませんでしたね。

LEEDへの投資は100年先を考えた選択

平松 短期的な経済合理性を考えれば、躊躇ちゅうちょされるのは当然のことです。当時LEEDはまだ、市場での価値が定まっていなかった時期ですから。

その良さを体感する人が多くなれば、LEED認証を取得した住宅も間違いなく増えると思っていますが、いまはまだ黎明期。鈴森villageのように、環境に対する意識の高いオーナーさんが、短期的利益追求ではなく、自己資金を投入する長期的価値創造への投資なのだと思います。

すでにヨーロッパの機関投資家のあいだでは、CO2排出量の多い不動産は、“座礁ざしょう資産”(売却も賃貸もできず、価値が大きく下がる資産)とみなされています。日本でも同じような選別が起き始めていますから、あと数年もすれば「(LEEDに)対応しておいてよかったね」ということになると思いますよ。

鈴木 そうですよね。投資といえば、長くても30年ぐらいのスパンで考える人が多いけれど、私は土地への投資は100年ぐらいで考えるべきだと思っています。主人も「それなら絶対にLEEDをやるべきだ」と言うので、挑戦を決断しました。

三浦さん(鈴森villageの設計者・スターパイロッツ代表)からは「環境性能を証明する指標は他にもいろいろありますよ」と提案されましたが、私は主人と約束したLEED、そして単なる数値目標ではなく“フィロソフィー(哲学)”であるLEEDでなければ、と譲りませんでした。
(後編へつづく)


鈴木さんにLEED認証取得を強く勧めた夫・晴紀さんの遺影とともに

まとめ

建物を新築するということは、その建物が取り壊される瞬間まで、何十年にもわたり、周辺にさまざまな影響をもたらすことを意味します。

だからこそ建て主には、少しでも環境負荷が少なく、かつ建物を使う人や、地域の人たちにとってより良いものにする責任が求められるのです。

鈴森が鈴森village(詳細はこちら)という賃貸住宅を計画するにあたり、高額な費用のかかるLEED認証の取得を目指しているのも、そうした「目に見えない価値」をきちんと評価し、証明してもらうためでした。


駐車場には電気自動車の充電設備も。建物の壁面に設置

さて、〈後編〉では、鈴木さんが本音で語る「地主の覚悟」や、平松さんがLEED的観点から語る鈴森villageの魅力について、話題が及びます。ぜひ、お楽しみに!

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