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行政と地主の連携で持続可能なまちづくり〈前編〉#8環境共生型賃貸住宅「鈴森village」

こんにちは。鈴森villageすずもりヴィレッジ広報チームです。
LEED認証*」の取得を目指す鈴森village(埼玉県和光市)は、一般的な賃貸住宅とは一線を画し、周辺の地域とのつながりを大切にしながら、より住みやすいコミュニティーづくりを追求しています。
LEED認証:建物と敷地利用の環境性能を評価する国際認証制度

そこで今回は、「住みやすく、持続可能なまちづくりに必要なことってなんだろう?」をテーマに、和光市長の柴﨑光子さん、前四條畷《しじょうなわて》市副市長の林・小野有理さん、鈴森villageオーナーの株式会社鈴森社長の鈴木早苗さんに話し合っていただきました。

鈴森villageについては、以下の過去記事で紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください!

#1 間もなく完成! 緑豊かで一年中快適な住まい
#2 本当にいい、住み続けたい賃貸住宅とは?〈前編〉
#3 本当にいい、住み続けたい賃貸住宅とは?〈後編〉
#4 私たちがLEED認証にこだわる理由とその魅力〈前編〉
#5 私たちがLEED認証にこだわる理由とその魅力〈後編〉
#6 絶賛入居者募集中のヴィレッジ内を探検!
#7 池袋へ14分、和光市でゆったり暮らそう!


海外で学んだ「意志を持つこと」の大切さ


鈴木
 私が当家の土地に、LEEDの思想に叶った賃貸住宅「鈴森village」を建てようと思ったのは、「地主の責任」を果たしたいと考えたからです。当家がこの地に450年もいられたことには何かの意味がある、果たすべき役割がある、という思いは、常に私の心の中にあります。

株式会社鈴森社長の鈴木早苗さん

柴﨑 私も和光で生まれ育ちましたから、地元を思う気持ちはよくわかります。

鈴木 若い頃はまだ、「女性は結婚して家庭に入るのが当たり前」という時代でしたが、私はキャリアが欲しかった。女性の就職口は少なかったので、自立するためには何か得意なことがなければ、と思いました。それで、好きだった英語のスキルを磨くためにアメリカに留学したのです。

でも、渡米してみると、留学先の女子大に日本人は私ひとり。ネイティブの人たちと英語でtalk(会話)はできてもchat(おしゃべり)ができず、最初の1ヶ月は苦しみました。また、初めて家を出て自由を味わった半面、全部自分で決めなければいけない「自由の怖さ」も知りました。

私が留学で学んだのは、他人の意見に惑わされず、自分の意見をしっかりと持たなければいけない、ということです。

柴﨑 海外に出てみると、よくわかりますね。

鈴木 LEED取得に挑戦するときも、周囲から反対されましたが、私はやるべきだと思ったし、亡き夫も当時「やると決めたなら、最後までしっかりやれ」と背中を押してくれました。

柴﨑 私もずっと和光市で暮らし、大学を出てからは税理士として働いていましたが、機会があってシンガポールで3年間、経理の仕事をしました。

ちょうど帰国するタイミングと前市長の退任の時期が重なり、推薦されて立候補したのです。渡航前に和光市の監査委員を務め、市の財務や事業については把握していましたので。

和光市長の柴﨑光子さん

全国各地の不動産事情を知るうち行政に興味


林・小野
 私は関西出身で、大学から東京に出てきました。新卒でリクルートに入社し、10年ほどたったところで不動産・住宅サイトのうち、全国の地域ごとに発行する、新築住宅・中古住宅・土地の情報を網羅した情報誌の編集長になりました。

不動産市場というのは、地域によってまったく状況が異なります。この地域ではこの先どんな住宅が求められるのか、私たちは何をバックアップしていくのかといった戦略を立てるために、全国を飛び歩いて情報を収集していました。

朝札幌へ向かい、午後には関西を回って最終便で東京へ戻るような日々が続くと、どこへ行っても、その地域が元気かどうかが肌感で分かるようになります。同時に、「この地域は子育て政策が遅れている」「高齢者対策が手薄だ」などという声を各地域の方から聞いたりして、どんどん行政に興味が湧きました。

それで会社を退職して博士課程に進み、行政と地域活性化について研究しているとき、たまたま募集をしていた大阪府四條畷しじょうなわて市の副市長職に応募し、採用されたのです。

前 四條畷市副市長の林・小野有理さん

多世代に活用される複合施設「わぴあ」

林・小野 先ほど、和光市の広沢複合施設「わぴあ」を見学しましたが、非常に活気がありますね。

柴﨑 ありがとうございます。わぴあは和光市としては初めて公民連携でつくった複合施設で、総合児童センターと市民プール、認定こども園、児童発達支援センター、保健センターからなります。地域のにぎわいを創出しようと事業化を進めてきまして、ようやく2021年12月にオープンしました。

新しい児童センターには、素晴らしい遊具なども揃っていますし、市民プールは床が可動式で、深さを変えることができます。去年の夏には水深をうんと浅くして、小さい子どもたちに大きなプールを楽しんでもらうイベントを開催するなど、多世代に活用していただける施設になっています。

和光市広沢複合施設「わぴあ」

林・小野 「おふろの王様」(温泉施設)もあるんですね。

柴﨑 ええ。実は、私はまだ一度も行けていないんですけれど。

鈴木 あら、私はしょっちゅう行っていますよ。いいじゃないですか、裸の付き合いで(笑)。安くて、サウナもあるし、すごくいい温泉ですよ。

柴﨑 おふろの王様は、都心に比べたら、ずいぶんリーズナブルな価格になっていますね。また児童センターには、ギターなど無料の楽器が備わり、バンドの練習もできる音楽スタジオもありますし、公共施設では初めてAR(拡張現実)技術を導入したeスポーツが楽しめるなど、アピールポイントはたくさんございます。

林・小野 ドアのない自動車が置いてありましたが、あれはなんですか?

柴﨑 ドライブシミュレーターです。市内に本田技研の和光工場があった関係で、以前から旧施設に設置していたものですが、「ぜひ残してほしい」という市民の声に応えて新施設に移設しました。

AR技術を用いた「HADO」

鈴木 私は和光市育ちと言っても、ずっと都内の学校に通っていましたので、じつはあまり和光市のことを知らずにいました。結婚して子どもが生まれ、ロータリークラブにも参加するようになって、少しずつ意識が向いたという感じです。

あらためて和光市の魅力ってなんだろうと考えると、真っ先に浮かぶのが、「緑が多くて空気がおいしい」「物価が安くて暮らしやすい」ということ。それはそうなんですが、逆に言うとほかにはなにもない(笑)。

でも、ないならこれからつくっていけばいい。それだけ「伸びしろがある」ということだと思っているんです。

定住のカギは「日常生活の満足度」


柴﨑
 私が子どもの頃は周りは畑ばかりで、人口も5万人しかいませんでした。それが今や8万3000人に発展しました。東武東上線だけだった鉄道が、東京メトロの延伸によって3路線になり、和光市駅が始発駅になったことも大きいですね。

実際に、「都心からのアクセスがよくて緑が豊か」という理由で和光市に転入して来られるファミリー層が多いです。しかし、その方たちに定住してもらうためには、「日常生活の満足度が高まった」と意識されなければいけません。

それには「住んでみたらとてもいい施設があった」ということも、影響力が大きいと考えています。そこで、前市長は保育園を増やしたり、児童センターやプールを整備したりしてきたわけです。

そうして施設が整ったいま、私はソフト面を強化していくつもりです。コロナ禍で地域移住が進みましたが、移住先で孤立したら、やっぱりすぐに出ていってしまうでしょう。コミュニティーのなかで、どれだけ横のつながりを増やしていけるかが大事だと思っています。

総合児童センターのベビースペース

林・小野 和光市より人口は少ないものの、四條畷市も状況は似ています。都心まで20分程度で行くことができ、田畑だったところが住宅街になって発展してきた。市の財源は、産業による税収は少なく、ほとんどが住民税と固定資産税。ですから、一番の課題はやはり、住んでいる方に「住み続けてもらう」ことでした。

いま住んでいる人たちが代替わりしていくときに、「代々この地を引き継いでほしい」と思ってくれるか、どう言葉にして伝えてくれるか。和光市や四條畷市のような規模、属性の自治体では、それをすごく大事にしなければいけません。

最近では、「あなたは友人にこのまちをオススメしますか?」と質問し、回答を集計するNPS(ネット・プロモーター・スコア)で、まちへの愛着を数値化している自治体も増えています。そうしたときに、和光市のように「アクセスがよく、かつ素敵な公園がたくさんある」というのは強いですね。

柴﨑 そのとおりです。

林・小野 四條畷市では、市長をはじめ広報板を大事にしていました。道路脇に立っている広報板には、そのまちの様子が反映されるからです。

今日、和光市駅からここへ来るまでにいくつかの広報板を拝見しました。いずれも地元の方の手でよくメンテナンスされ、貼りっぱなしで雨ざらしになったお知らせなどありません。「ヨガ教室」などの手作りのチラシが整然と掲示してあって、ああ、そういうコミュニティーが息づいているまちなんだな、と感じました。

わぴあの活気を見ても、こうした広報板を見ても、和光市ってかなり面白いまちですね。

柴﨑 まあ、嬉しいことを言っていただいて(笑)。(後編へ続く)

「代々住み続けてもらえるまち」について話が弾む

まとめ

和光市に代々続く地主の家に生まれ、早くから自立心と決断力を身に着け、鈴森villageでLEEDに挑戦した鈴木さん。

和光市で生まれ育ち、税理士としてのキャリアを積んだ後、市長として市政を牽引する柴﨑さん。

不動産住宅サイトの編集長として全国各地を回るうちに行政に興味を持ち、四條畷市の副市長を務めた林・小野さん。

三者三様のまちの見方、かかわり方をしてきた皆さんですが、「アクセスがよく、日常を豊かに暮らせるまち」こそが多くの人に住み継いでもらえる要件である、という点は意見が一致しているようです。

超高層ビルやテーマパークといった目立つものはなにもないけれど、都心に近く、緑が豊富で、公共施設が充実している和光市は、まさにその要件を満たしているといえるでしょう。

〈後編〉では、行政が施策を推進し、ビジョンに沿ったまちづくりを実現するために、市民とどのように連携していくべきかに話題が広がります。どうぞお楽しみに!

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鈴森village広報チーム
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