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【ライターの仕事】文章を書くのも楽しいけれど、取材があるからワクワクが続き、頑張れる。


ライターの醍醐味は取材があること

最近、仕事の多くは広告案件が占めているので、アポは多くて1日2件くらい。広告案件は「効果を出さねば」といつも刺激的ですし、行き帰りに寄り道することが楽しみです。

でも、たまにいただく編集記事の旅取材の仕事は別のワクワクがあります。日常から離れる冒険。10件程度の取材先に対し、2日か3日にうまく収まるようにアポを入れるのも緊張。

その「いつもの仕事」から離れる旅は、ライターを続けていく上でのモチベーションにつながっている気がします。ギャラはぶっちゃけ高くはないですが。

ここ3年くらいずっと、岐阜県の旅パンフレットを制作しているため。数ヶ月に一度は岐阜に数日滞在します。「岐阜県って日本のどこ?」と忘れられる率が高いスポットですが、存在感が薄い場所には歴史が残ります(自分調べ)。織田信長の居城があったところです(なので歴史の重要な舞台)。

最近の旅取材の思い出

この秋は岐阜県郡上市に行きました。

郡上(ぐじょう)と読みます。江戸時代の城下町の風情が残り、夏には「郡上おどり」という徹夜で盆踊りを踊り続けるイベントが有名。

ここは、岐阜の中でも著名な観光地よりはややマイナー。例えば世界中から観光客が集まる高山市や、世界遺産がある白川郷、温泉街がある下呂市に比べると知名度は高くない。

そのせいか、ビジネスホテルが全然ありません。出張費で泊まれる1万円以下の手頃なホテルがない。※なんとなく建設中?な印象。

そこで今回の取材では、古民家を改装した一棟貸しの宿「アート&ホテル 木の離(きのり)」さんに宿泊。過去に2回取材をしたことがある宿で、いつか泊まってみたと思っていた場所です。客間が3つと共用スペースが備わっています。

取材メンバーの4人で宿泊料金を割れば「なんとか出張費のコスト内に収まる」ということで。

木の離さんの1階は宿泊者以外も入れるギャラリースペース。民芸品などが並びます

非日常感が高まる一棟貸しの宿

郡上八幡(ぐじょうはちまん)は城下町。花街の一角にあった遊郭。遊女たちがここで客を待っていたであろう古い建物をリノベーションした宿は、とても風合いがあります。

一階には民芸品や作家作品が並ぶギャラリーが備わり、店が空いている日の午後には一般客が買い物を楽しむことも可能。

ただ、奥のキッチンやトイレ、お風呂、2階の寝室は宿泊客だけのプライベートスペースです。

管理をする女性建築家がデザインした宿は、キッチンもお風呂も、2階の寝室も味わいのあるつくり。さらに「アートホテル」としての機能も備え、期間ごとにアーティストたちの作品がそこかしこに飾られていて。まさに美術品に囲まれて暮らすように過ごせます。

こんなふうに作品が飾られています

日常を共にしない大人たちが集う夜

取材日は、編集さん、カメラマンさん、出版社の営業さん、私という4人の大人たちがここに寝泊まりしました。

宿泊室は3つ。2つベッドがある部屋が一つ、布団が1組の和室が2つ。じゃんけんで部屋決め。

そもそも全員、東京やら静岡やら浜松から集まった会社員とフリーランスたち。いつもは身近にいない、なんなら一生縁がなかったかもしれない人たちが一瞬、一緒に暮らす。

取材旅行ならではの体験です。

夜は近所のお店へ夕食に出かけ、帰りに地元の酒屋で地酒を買い込み、夜は順番にお風呂に入りながらお酒をちびちび飲み続ける。多分普段こんな過ごし方はしないのに、旅取材の夜は過ごし方も旅そのもの。

ダイニングキッチン。自分たちで調理して食べられるほか、朝食もオーダー可能

ちょっと本音が出る夜、飲みすぎた朝

夕食時にビールを何杯も飲み、地酒を味見して、宿に戻ってからクラフトジンと、日本酒。

もうあまり覚えていないけれど、編集さんに「いつもこんなふうに考えている」と普段は言わない何かをぽろっと喋りながら夜が更け、お酒が強い人たちは「最後はアルコール度低めのやつで」と言いながらまだビールと酎ハイを飲んでいるのを横目に見ながら、私は先に布団に潜り込んで眠ってしまいましたが。

雰囲気に飲まれて私は今回も飲みすぎて(前にもあった)、翌朝は「ちょっとやばい」とヒヤヒヤ。ゆっくり起きてぼんやりダイニングに座り、その後は縁側で、営業さんが入れてくれたほうじ茶を飲みながら1時間ぐらいぼーっとしていました。

朝イチのアポは9時からですが、小さな城下町のため取材先まで徒歩5分。ゆっくりゆっくりと身支度と片付けをし、なんとか時間をかけて酒を抜きました。

キッチンはモルタルで塗り込められたようなデザインでした

記事ならない思い出が原稿を濃厚にさせる

旅取材に出るたび、誌面で紹介するスポット以外に、このような濃厚な思い出が蓄積されていきます。

それは巡り巡って、またいつかどこかでネタになる。

何より、「また仕事頑張ろう」と思える活力になっていきます。他人と過ごす2泊3日は気も使うし、それなりに疲れていくのですが、その分「日常を忘れて脳をリセットする」というメリットを感じています。

いつも旅取材の直前は「あーーー、アポ入れなきゃ」と相当ナイーブになっているものの、終わってみるとなんだかワクワクした気持ちだけが残っているのは、その醍醐味のおかげ。

もう一つ、単純に「編集記事の取材(スポットとしては無料で記事にしてもらえる系)」だと、現地で大歓迎してもらえるのも理由のひとつです。

旅原稿の制作は、リサーチからラフ起こし、アポ入れ、取材、デザイン入稿、原稿かき、校正だし、校正者からのチェック反映と驚くほどに手間暇がかかり、時間給に換算すると非常にリーズナブルなのですが。それを上回る何かを毎回得ているから続けられるのかと思います。

客室のひとつ

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地方の出版社を経てフリーの編集ライターとして活動しています。
○地方でライターの仕事を続けるには
○単価アップを叶えるには
○そもそもライターってどんな仕事?
○編集の視点とライターの視点の違い
などについて、自分なりの解釈をしていきたいと思っています。


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