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親、親族への退職報告


2023年3月31日、私は、退職をし、4月1日から主夫としての生活がスタートした。それに伴って、当然実の親、兄弟、義理の親、兄弟へ退職報告をする必要がある。本来であればまずは、自分の口からしっかり伝えなければならないことである。しかし実際には、実の親、兄弟にも義理の親、兄弟にも私から第一報を伝えることが出来ず、妻から伝えるという形になってしまった。


妻への報告


退職の意向を私から最初に伝えた相手は、妻だった。反対されることもなく、「分かった。いいよ。」という反応があった。私が「1年くらい仕事をしないかもしれない。」と告げた時には、「それは困るよ。」という言葉が返ってきた。私も「そうだよね。」と返すことしか出来なかった。おそらく本当であれば、仕事を辞めるという決断はしてもらいたくなかったのだと思う。妻には早い段階で退職する意向を伝えたのだが、実際に退職する日が近付くうちに、妻にも夫戸部アオが無職となり、収入が途絶えてしまうことへの不安が押し寄せていたようである。脱毛症のような症状が出ているとの報告を受け、「もしかするとアオが仕事を辞めてしまうことが原因かもしれない。」と冗談半分に言ってきたことがあったが、おそらくそのことが大きな要因だったことは間違いないと思う。自分自身も「本当に申し訳ないことをしてしまっている。」という気持ちが日々強くなっていった。

実の両親への報告


私も妻も故郷を離れて生活しており、私の実家も妻の実家も車で1時間半~2時間程の距離にある。コロナ禍前までは、年末年始、GW、お盆辺りは、どちらの家にも顔を出していたのだが、コロナ禍突入後は、どちらの家に帰省する機会も減っていた。本来であれば、22年、23年の年末年始に顔を出し、退職することを伝えるつもりでいたのだが、その年末年始に私が、緊急対応当番にあたってしまい、自宅から離れられない状況となってしまったため、私の実家にも妻の実家にも私自身は顔を出すことは出来ず、妻と2人の娘のみで帰省することになってしまった。妻はその際に私の両親にも妻の両親にも2023年の3月末を持って夫が退職すること、次の仕事は決まっていないことを伝えてくれたということだった。実の父親からは、すぐに電話がかかってきた。「お前退職するのか?大丈夫なのか?」という連絡だった。私は正直実の両親との関係はそこまで良好という訳ではなく、成人になって以降は、必要最低限のやり取りしかしてこなかった。それでも結婚し、子どもが出来てからは、顔を合わせたり、話をする機会は増えていた。多少は親孝行も出来ているのかな?という気持ちも持っていたのだが、このタイミングで1つ親不孝になるような決断をしてしまったという気持ちは持っていた。父からの電話に対しても「申し訳ない。迷惑をかける。」という言葉は伝えたのだが、それでも基本的には、「大丈夫だから。」の一点張りで電話を切ることとなった。退職するということ、無職になるということは、こういった心配を家族にかけてしまうことでもある。一旦仕事をリセットして気持ちをすっきりさせようという思いは持っているのだが、その一方で早く就職して家族、親族を安心させなければ…という思いも常によぎってくるものである。

妻の両親への報告


そして妻の両親や親族への報告も年始に妻に伝えてもらうことになってしまった。このことについても、自分自身引っ掛かりを感じているし、絶対に自分が報告をしなければならなかったと後悔している。私はどちらかというと神経質な性格であり、メンタルの弱い人間である。それだけに仕事も家庭もある程度は真面目に取り組んできたというような自己分析を行っている。おそらくお義父さん、お義母さんも、私のそういう面を見てくれていたのだと思う。そんな私が、妻と結婚して10年以上経ったこのタイミングで退職するということにショックを感じていたはずである。しかし、これまで築いてきた関係性の中で、お義父さんも、お義母さんも私に退職について直接触れてくることはなかった。聞きづらい部分もあったのだと思う。私自身もどう伝えれば良いか分からず、その後顔を合わせる機会はあったのだが、結局自分の口から退職することは言えないまま、退職の日を迎えることとなってしまった。

反省


やはり40歳になってから職を失うということは、周りから見てもネガティブな意味で衝撃的なことである。私もそのことが分かっているからこそ、仕事について触れるタイミングを失ってしまった。退職をすること、主夫(無職)になることは、家族、親族にはしっかり伝えなければならないのに…である。結婚する際には、「ハナのことを幸せにします。」と誓ったのに…こんなことになってしまった…。という思いは、退職日が近付くにつれ大きくなっていった。
家族、親族への退職報告もままならなかった私戸部アオは、2024年3月31日に一体どうなってしまっているのだろう?


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