見出し画像

私にはわかりません 上

いつからか、僕は死体にひとかたならぬ興味を抱いていた
小学6年生頃、友達に見せられたグロ画像
それは確か毒を飲んで自殺した女の写真だったか……を見せられたとき
血液が逆流するような、初めての感覚…快感?を味わった
それ以来、パソコンやスマホでその手のサイトを探しだしとり憑かれたように死体の写真を眺めた
動画ももちろん見た
ギャングの残酷な処刑も
戦争の酷い有り様も
交通事故で挽き潰れた老若男女も
子供や赤ちゃんの写真すらあったと思う

僕自体は残酷なことを何かにじかにする、等ということは全くなかった
むしろ危害を加えることを嫌悪していた
理不尽な暴力や仕打ちをNEWSで知る度に言い知れない恐怖と憎しみさえ感じていたのだ
それともちろん、こんな趣味が人に受け入れられようもないことくらい解っている
人は偏見を持つ
幼女のでるアニメを見るやつはロリコン
韓国が好きなやつは在日
そしてグロ画像が好きな奴は
危ない奴、だ

どんなに笑顔で接してくれていても、フォルダにグロ画像を山のように保存している人間に側にいてほしがるやつはいない
僕自身、こんな自分の趣味を疑問に思っている
なぜ、こんなに「死」に興味があるのだろうと
生きてる、この死体たちとくらべて自分は生を満喫している

その実感、手応えが欲しくて見ているのかもしれない

世間にこの趣味を認知されることなく安穏と過ごした30年
最近、新しいことがしたくなってきた
見る、という行為に飽いてはいない
むしろ、もっと間近で…本物が見たい
動物の死骸ではない、人間の遺体が見たい

欲求があるとき強くなりすぎて、ほとんど発作のように抑えがたくなった
僕は同じような欲求を抱えた人間のサイトやブログを漁り、一番手近な答えを得た

やはり、富士の樹海だ
樹海に行ってみよう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?