高尾歳時記 2024年3月17日
高尾では、待ちに待ったスミレの開花が始まっています。
本日出会ったのは、アオイスミレ、タチツボスミレ、そしてヒナスミレ。
日本全国では、40種以上のスミレが生息していると言われていますが、高尾山ではそのうち少なくとも18種類の生息が記録されているとのこと(*1)。
スミレは同じ種でも姿形にバリエーションがあることと、交雑しやすい特徴があり、タチツボスミレひとつをとっても数種類の品種があります。ですので、数え方によって種類の数は変わってしまうのですが、上述の18は恐らく品種違いを含めない数(植物分類学的にもっとも厳密かつ保守的な数字)で、品種違いも含めたもっとも緩い基準で数えると、私個人でも20種以上確認しています。
それでもまだ見たことがない種があるのですから、高尾山の奥深さがうかがいしれます。高尾山を含めた高尾陣馬エリアは隅々まで熟知していますので、大体のあたりはついていますが、実際に出会えるかは純粋に運次第。もとい、「隅々まで」とはいっても、私のような一般人は登山道を外れてひとが踏み入ることのない原生林や斜面、沢、そして尾根筋などにズカズカと入っていくような無法は犯しませんから、実際にカバーしている面積なんてたかが知れているでしょう。
でも、それでいいのだと思います。人知れず、ひっそりとどこかで連綿と命をつないでいる個体がいるからこそ、高尾山の自然の多様性が守られているのでしょう。何度行っても、何年通っても出会えない存在があるからこそ、通い続ける理由が生じます。たとえ、出会うことが一生叶わなくても。
(*1) 参考資料
東京都高尾ビジターセンター HP スミレ三昧
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