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鳳凰三山縦走


山行地図(注1)


《山行概要》
青木鉱泉(07:00)⇨鳳凰小屋(09:30)⇨地蔵岳(10:20)⇨観音岳(11:00)⇨薬師岳(11:30)⇨青木鉱泉(13:00)

総距離:18.8km
累積標高:2,007m / 2,025m
日付:2022年5月29日

北アルプス南部の登山拠点となる長野県松本市に向かって、東京から中央道をひた走ると、甲府盆地を通過します。

その中途、高速道路のキロポストでいう106kmあたりに、目立つ看板があります。いわく、

「南アルプス連峰 最高峰(北岳)3,193m」

日本で一番高い山は言うまでもなく富士山、標高3,776m。ですが、二番目に高い山はと聞かれて、パッと答えられる人は少ないでしょう。答えは南アルプスの主峰、北岳です。

南アルプスはあくまでも通称であり、地理学的名称は赤石山脈です。赤石山脈は静岡県から長野県にかけて三千米峰が連なる長大な山脈。北岳はその北部に位置します。北岳の近傍にはそれに次ぐ日本第三位の高峰(3,190m)である間ノ岳と農鳥岳(3,026m)が聳え立ち、ともに白峰しらね三山と呼び習わせられます。白峰三山は我が国指折りの高峰が連なる山脈であり、その雄大さから屈指の人気を誇ります。

その北岳山頂から東の方に目をやると、赤石山脈ほどの規模はありませんが、遠望にそれに正対する形で、山容優美な山脈が横たわります。鳳凰三山です。

鳳凰三山は、地蔵岳、観音岳ならびに薬師岳の総称。三山をなす地蔵岳山頂にそびえる、花崗岩の巨石が積み重なった奇岩である通称「オベリスク」は鳳凰のくちばしに例えられ、北岳から望んだとき、そのくちばしから左右に広がる稜線を鳳凰が羽を広げた姿に見立てたのがその名の由来なのだとか。ちなみにこのオベリスクですが、天気が良ければ、車中からも中央道韮崎IC前後からはっきりと見えます。北アルプスに向かう時でも、行き先が違うのにその素晴らしさを思い出し胸が躍ります。

鳳凰三山からは、大空を威風堂々と仕切り、優美さと威厳を兼ね備えた白峰三山の、その圧倒的な勇姿が眼前に広がります。山の姿の素晴らしさは、その山中ではなく遠く引いた視座において明らかになりますが、鳳凰三山から眺める白峰三山がまさにその典型です。

鳳凰三山にアプローチする主要ルートは大きく分けて、夜叉神峠から入山するルートと青木鉱泉ないしは御座石温泉から入山するルートがありますが、定番にしている大好きな、南アルプスの水の豊かさが存分に堪能できるドンドコ沢沿いをあがる青木鉱泉からの周回ルートを巡って来ました。

青木鉱泉へと進む林道の途中、沢沿いの森ではオオバアサガラの花が満開でした。
同じく青木鉱泉へと向かう林道沿いに咲いていた、桐の花。
家具の材料としてよく知られていますが、桐は家紋の意匠としてもなじみ深い花です。
同じく青木鉱泉へと向かう林道沿いにて。白花のフジ。
青木鉱泉を出発。
サラサドウダン。可愛いですね。
これはシロバナノヘビイチゴですね。関東甲信越では、比較的標高の高いところで見かけます。
フタリシズカは高尾でもよく見かけます。
エンレイソウも高尾でよく見かけます。馴染みがある花を見ると、ほっとした気持ちになります。
雪解けの水で沢の水量は豊富です。
眩しい新緑。
オオカメノキ(ムシカリ)が綺麗な花を咲かせていました。こちらも高尾でよく見かける花です。
雪解け水でドンドコ沢の水量は豊富。こちらはドンドコ沢でも落差が最大級の南精進ヶ滝。迫力があります。動画をアップしました。

https://www.youtube.com/watch?v=r9UMYMchGdc

ドンドコ沢にはいくつか滝がありますが、こちらもそのひとつ。五色ノ滝。南精進ヶ滝と比べるとおしとやかですが、風情があって美しい滝です。動画をアップしました。

https://www.youtube.com/watch?v=a45rGIDEbEM

鳳凰小屋に到着。人気の山小屋です。
鳳凰小屋では、南アルプスの天然水が汲み放題飲みたい放題です。山で磨かれた素晴らしい軟水で、目が覚めるようなおいしさ。ハイドレーションの水を全部入れ替えます。
こちらは地蔵岳山頂手前の名物、蟻地獄。花崗岩が風化して真砂となり、進んでも進んでもずるずる滑って、体力をそがれます。
あともう少しで地蔵岳山頂。オベリスクが見えてきました。
地蔵岳山頂に到着!オベリスクの勇姿。今日は天気にも恵まれて、眺望もすばらしい。
地蔵岳山頂から、白峰三山。一番高いピークが北岳。そのすぐ左のピークが間ノ岳。そして、さらにそのすぐ左のピークが農鳥岳です。
次のピーク、観音岳に向かいます。
厳しい環境が作り出すアート。
観音岳手前から後ろを振り返ります。先ほどまでいた地蔵岳のオベリスクを遠方に望む。
観音岳山頂からは、赤石山脈の大パノラマが望めます。
中央から左にかけては白峰三山。写真右の方に見える乾雪した峰は仙丈ヶ岳。
同じく観音岳山頂から、ここまで辿ってきた稜線を撮影。写真右に地蔵岳オベリスク。その向こう、写真中央は甲斐駒ヶ岳。そして、左の方の冠雪した峰は仙丈ヶ岳。
鳳凰三山の最後の峰。薬師岳に到着。ここからの白峰三山の眺望も素晴らしい。
もやでうっすらですが、鳳凰三山からは富士山も望めます。
ご機嫌で下山。
ヤマツツジが綺麗でした。
本日のご褒美温泉は、韮崎市の武田乃郷白山温泉です。いつまでも浸かっていたくなるツルツルの気持ちのいい完全掛け流しの温泉。なんといっても、そのひなびた風情と手入れがよく行き届いた清潔感が魅力です。

(注1)
《国土地理院コンテンツ利用規約に基づく表示》
https://maps.gsi.go.jp/help/termsofuse.html
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院地図:電子国土Web)

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