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高尾歳時記 2023年6月14日(水)

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天気:曇り時々雨
気温:21.0℃(高尾山山頂 11:00)
人出:少なめ
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ツユクサという植物があります。高尾ではごくありふれた植物で、梅雨の時期から晩夏にかけて、鮮やかなブルーの花をつけます。

稲垣栄洋静岡大学教授著「面白すぎて時間を忘れる 雑草のふしぎ」(三笠書房)によると、植物がさまざまな昆虫の力を借りて花粉を運んでもらうことは知られているが、このツユクサはアブを利用する。アブは美味しい花粉を食べたいが、黄色い花粉と補色関係にあるのは青色である。ツユクサは青い花をつけることで黄色い雄蕊を目立たせ、アブはそれを目指して飛来する。ところが、この雄蕊はダミーである。この美味しそうな偽物の雄蕊には花粉がない。実は、本物の雄蕊は花の下にぶら下がっていて、色も地味で雄蕊に見えない。獲物が偽物であることに気づいたアブが花の奥の方で花粉を探し始めると、本物の雄蕊にある花粉がちょうどアブのお腹やお尻につく設計になっている、ということなのだそうです。

教えられたことを頭に入れて、改めてツユクサの花を見ると、なるほど極めて機能的な形であることがわかります。ツユクサは古来より日本人に歌に詠まれてきた身近な花。その姿には、奥深い自然の営みが隠れていたのですね。

今週関東地方は梅雨入りしました。本日気温は低めでしたが、湿度が高く蒸し蒸しして気温以上に暑く感じました。雨は時折本降りとなりましたが、森にとっては恵みの雨。雨に濡れた森は緑を濃くして、より生き生きと見えます。

雨の高尾を巡ってきました。

高尾ではツユクサの花が咲き始めています。先述の通り、実に機能的な花なんですね。
関東は梅雨に入り、連日雨が降っているため小仏川の水量は豊富です。
ユキノシタは盛りを迎えています。
梅雨に入ると、高尾ではヤマアジサイの花が咲き始めます。
高尾の初夏を代表する花、オカトラノオ。まだ咲きはじめでした。これから盛りを迎えます。
あっ!ムラサキシキブが開花していますね。
冬にはほとんど枯れてしまうこともある蛇滝。連日の降雨で、水量豊富です。
ウリノキの花は盛りです。最初は白い棒のような形ですが、成熟するとクルクル裾を丸めておしゃれな形になります。
こちらも高尾の初夏を代表する花。ヤマホタルブクロ。
ヤマホタルブクロとホタルブクロは、遠目にはほとんど区別がつきませんが、萼裂片の間に反り返る三角形の附属体があるかないかで区別できます。
こちらはその附属体がないので、ヤマホタルブクロです。
あっ!ホタルブクロも咲いていました。
萼裂片の間に反り返る附属体があるので、ホタルブクロであることがわかります。
スイカズラはもうそろそろ終わり。近づくと甘い芳香が漂ってきます。
山中ではウツギの花が盛りです。
ウメガサソウ。個体数は少なく、見つけたらラッキーです。
梅雨に入るとギンリョウソウが一斉に咲き出します。こう見えて、ツツジ科の植物。地中の菌類に寄生(すなわち一方的に栄養を吸い上げる)するので、自ら栄養を作り出す必要がないことから光合成のための葉緑素は退化しています。このふしぎな生態と姿で人気の花です。
カタツムリが元気にお散歩していました。
ナンテンハギの花。高尾ではマメ科の花は秋に咲きますが、ナンテンハギだけは例外的に、一足早く夏に咲きます。
こちらはマタタビ。梅雨、花の季節になると一部の葉が白くなります。受粉のための虫を誘き寄せる効果があるんだとか。
ヤマボウシの花は真っ盛りです。
高尾山山頂に到着。今日は雨天で、眺望はありません。

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