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花安寿(はなあんじゅ)と虎安寿(とらあんじゅ)。たまには花安寿も弾かなくちゃね!

昨日は、今年最初のヴァイオリンレッスンに行ってきました。ビブラートの練習をしましたがなかなか上手く行きませんでした。
「そうじゃない!親指、ちがう!二番高い!姿勢!力を抜いて!」

ヴァイオリンのH先生は、バレエのM先生に雰囲気がよく似ている。
二人とも40代後半の綺麗な女性。
テキパキはっきりしてキビキビしている。細かいところに超うるさい。
大雑把でタラタラした私とは逆のタイプだ。

キリッとしていてハッキリ物を言う。

その時の首の角度は?なんてM先生にはバレエの発表会前なんかほんとに細かく指導された。
いい加減な事を言うと「嘘つき!」と怒鳴られた。
でも、それは人を非難するのではなくバレエ愛から来ている。
だから下手な人を笑うような生徒は許さない。
怖い先生の元で大人生徒はみな手を取り合い慰め合い、仲良しになった。

圧が強いから苦手という人もいるけれど、侍のようで生徒に媚びないM先生が私は好き。
ヴァイオリンのH先生も生徒に媚びないところが良い。ものすごいヴァイオリン愛を感じる。

自分と反対のタイプの先生は気分がピリッとして良いかもしれないと私は思う。

今日のレッスンでは二女サヤのヴァイオリンを持って行きました(見出しの写真)
しばらく使ってないヴァイオリンなので先生がいろいろチェックをしてくれました。第二ヴァイオリンとして、花安寿をたまには使いたい。

サヤが高校三年でヴァイオリンをやめたあと、私がサヤのヴァイオリンを弾き始めました。
サヤのヴァイオリンは静かで優しい音色がする。アルトに感じる。

サヤもヴァイオリンに素敵な名前をつけていたみたいだけど、私は花安寿(はなあんじゅ)と名前をつけて、10年使わせてもらいました。
(子どもの頃から私は何にでも名前をつける。。赤毛のアンの影響かしらね?)

「10年頑張ったら、まりりんのヴァイオリンを買おうね」と、夫が3年前に今のヴァイオリン、虎安寿(とらあんじゅ)を買ってくれた。

3年前は、前のヴァイオリンの先生に習っていて古いヴァイオリンが好みだというと、友人のツテでなんと8台のヴァイオリンを用意して下さった。
どれも120歳を越えるヴァイオリン達だった。

年配の男の先生は穏やかな音色で初心者にも扱いやすく、まず失敗しないという優しい雰囲気のヴァイオリンを薦めてくれた。
「まりりんさんには、これが一番似合いそうだよ」


でも、私は最初の一音を聴いたとき天使が空から降りてきたような透明なキラキラした音色、裏板は虎模様のヴァイオリンが一目で気に入ってしまったのです。
「わたし、、この縞々のヴァイオリンが好きです!」
「う~ん、この楽器は扱いにくいよ。弾きこなすには技術がいる。
大変だよ。人前で弾くときも一か八かだ。失敗するリスクが高い。
音は綺麗だけど、、癖があって弾きこなすのは君には無理なんじゃないかな~。
こちらの穏やかなヴァイオリンなら安心して君を支えてくれるよ。」

柔らかい音色で整った優等生のヴァイオリンを先生は薦めてくれた。

でも~。
私はやっぱり難しいと言われた縞々ヴァイオリンが好きだった。
もう「虎安寿」と名付けてしまった。

ヴァイオリンの先生は渋い顔をしていらしたけど、他の先生がその場にいらして、
「まりりんさん、縞々ヴァイオリンを弾いているとき背筋が伸びてる。
他の時は背中が弛んでる。
楽器に追いつきたいと一生懸命な姿がいいな。
縞々のヴァイオリンがパートナーとして合ってるんじゃない?」と言ってくれた。
私は虎安寿を選んだ。
好きなものは直感だ。

そうなんだわ。
安心できないから、理解出来ないから、私には手に追えないから、背伸びしてついていこうとするのかもしれない。惹かれるのかもしれない。成長しようとするのかもしれない。

彼氏も同じかも。

高校生の頃、私は家と学校の往復しかしらない真面目な女の子で(喫茶店に寄るのは不良だと思っていた)、ひとりでバスで天神(福岡の中心街)に行ったこともなかったの(当時から方向音痴)

夫は高校生の頃からバイクには乗るし、バイトはするし、当時親不孝通りと呼ばれていた飲み屋街を飲み歩いたりタバコを吸ったり、私からみたらちょっと理解できない雰囲気(校則がない高校だったのだけど、さすがにお義母さんも不良になったかと心配したらしい、、)

そんな、自分に解らない人や物に私は惹かれてしまうのね。
自分には無いものにきっと憧れるのね。。

夫も先生もヴァイオリンも、ちょっと解らないところが魅力なのかもしれない。解らない方がいいのかもしれない。
自分にないものに惹かれる。。

人間の性かしらね。
夫からみたら、ぼんやりして子供みたいな私に惹かれたんだろう。。

「縞々のヴァイオリンは綺麗な音色だよね。まりりんさんに合ってる」とレッスンの終わりにH先生が言ってくれた。

H先生、ありがとう。嬉しい。

少しずつでも、虎安寿を弾きこなせるように毎日練習頑張ります。

虎安寿、ぼんやりな私をしっかり引っ張っていってね。
時々は花安寿も弾くからね~


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