「永遠ってさ、一瞬の中に一番ある気がしない?」
「永遠って一瞬の中にある?」
「うん」
「もうちょっと解説してみて」
「いや解説も何も無いんだ。感覚の話なんだ」
「一瞬の中に…」
「一瞬の中にしか永遠はない?」
「あー…。ちょっとまってね…」
「うん」
「……まあ、解説はできないね、それ以上」
「何となくわかる?」
「なんかねー、わかる気もするし分からない気もする」
「うん」
「じゃあ、永遠の中に一瞬はない?」
「うん。永遠と一瞬はどちらも時の流れを感じないから?かな…。どちらにもはじまりとおわりがない気がする」
「うんうん。なるほどね。…0と無限の話?」
「そうだね」
「それだ」
「解説できちゃった」
「0と無限の話ならわかった。わかる気がする。こんなこと前も言わなかったけ?言ってないか」
「でも0の話はよくしてるよね。君は0が大好きだよね」
「0が好きだった頃もあるし、無限が好きだった頃もある」
「そうなの?無限の話は聞いたことあるかな」
「言ったと思う」
「うそ」
「言ってないか」
「分からない。記憶にないだけかも。言ってないかもしれないし、私の記憶に残ってないだけかもしれないし。でもそれはどちらも今はもう分からないこと」
「…え?ひとりごと?それ。今話しかけられてる?」
「たしかに、今のどっちだろう。自分でも分からない」
「どう反応していいか分からなかった」
「途中まではたぶん君に話してたけど、最終地点はひとりごとではあったかも」
「そうだよね。言いきってたから入る余地なかった」
「おもしろいね」
「独り言って、人が入る余地ないんだね」
「そうだね」
「じゃあさっきのは独り言だったんだ」