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「理想の」キャンパスライフとは一体誰にとっての「理想」なのか(2) #3

前回(#2)の続きです。
最後まで読んでいただければ嬉しいです。
念のため前回の内容をざっくりと記しておきます。

4 【#2まとめ】

今年の大学1年生は、まだ大学に通うことができない人も大勢いる。彼らは「理想の」キャンパスライフがないと嘆く。そのキャンパスライフへの理想や憧れとは、オープンキャンパスに行ったり、大学のパンフレットを見たりするなどして、刺激が多く楽しそうな日々を過ごしている先輩たちの姿を思い浮かべたことで生じるものである。しかし、そのような「理想」のキャンパスライフとは、一体誰にとっての「理想」なのだろうかと考えた時、人それぞれ大学に来た目的や方向性、大学に求めているものは異なるのだから、普遍的な「理想の」キャンパスライフは存在しない。

では、今日の本題に入っていきます。

5 「理想」の押しつけへの違和感

少し話を戻しますが、マスメディアは「『理想の』キャンパスライフが失われた大学1年生」という体の記事を多数報道していました。Twitterでも、「#大学生の日常も大事だ」というハッシュタグのもと、様々な悲しみや嘆きのようなツイートが投稿されていました。
しかし、これらを見続けているうちに、私はそれらを見ることに嫌気がさし、事実としてここ2ヶ月間全く見ていません。
勿論、ネガティヴな内容であるからということもありますが、マスメディアやTwitterで放たれる「『理想の』キャンパスライフ」という言葉に胡散臭さを感じてしまったからでもあります。

マスメディアが、取材した大学1年生はどのようなキャンパスライフを送りたかったのかということを明確にしていれば話は別だったのですが、そうではない記事も多く、まるで記者が、理想のキャンパスライフとはこのようなものだろう、と決めつけて書いているようなものも見受けられました。
「#大学生の日常も大事だ」というハッシュタグだって、大学生ではなく、親世代のツイートが目立ち、学生を通わせようとしない大学の姿勢を一方的に批判しただけのようなツイートも目立ちました。彼ら全員が大学に行っているかは勿論知る限りでは無いですが、彼らもまた理想のキャンパスライフというイメージを、大学生に対して勝手に押しつけているように感じたのです。
全てのマスメディアやツイートでは無いものの、私はこのような理想の押しつけのような言論に、違和感を抱かざるを得ませんでした。

彼らがいう理想というのは、例えば部活やサークルで仲良く過ごしたり、アルバイトをしたりするような、いわば見た目からして「楽しい」キャンパスライフなのでしょうし、それがキャンパスライフのある種のイメージであることは間違い無いかもしれません。しかし、彼らが抱く理想のように大学生活を送りたい大学生もいれば、そうではない学生もいる訳で、「まるで大学生は○○するのが普通」とでも言いたげな言いぶりには、決して小さくない反発心を覚えています。

6 人それぞれの過ごし方があっていいと思う

キャンパスライフ、人それぞれの過ごし方があっていいと思っています。
サークル1つとったって掛け持ちしてもいいし、部活1つに絞って極めてもいいし、入らないという選択だってできる。
アルバイトだって、飲食でも塾講でもイベントスタッフでも何でも、アルバイトをしないという選択だってできる。

部活やサークルに入って精力的に活動する、アルバイトをする、友達などと遊ぶ、そのような社会的に抱かれたキャンパスライフのイメージ通りに大学生活を過ごせて無いからと言って、それは決してその人の中の何かが損なわれるわけではないと、私は思います。

確かに部活やサークルに入って精力的に活動する、アルバイトをする、友達などと遊ぶ、そして本分の勉強も頑張っている、それはそれは側から見ていれば精力的な毎日かもしれません。
しかし、#2で述べたように、普遍的な「理想の」キャンパスライフは存在しないのだから、どのような生活を過ごしたって自由だし、自分のキャンパスライフの過ごし方を他人のそれと比べて、暗い、つまらない、内向的だ、などと優劣をつけ落ち込むような必要も無いのです。他人に迷惑をかけない限り、自分が幸せなら、他人の目などどうでも良いのです。綺麗事かもしれませんが、これが結論だと思います。

部活やサークルやアルバイトが全てじゃない。本を読み漁るのも、ゲームに熱中するのも、資格などの勉強をするのも、自動車学校に通うのも、とにかく自分のしたいようにできる時間がある、それが大学生の利点であり、キャンパスライフのひとつの過ごし方なのではないかと思います。

今までの議論の結末がこれで、何を当たり前な、と言われるかもしれません。しかし、理想や憧れを実現できていない今年の大学1年生の中には、気持ちが満ち足りることなく、どこか鬱々としたものを抱いている人もいるのではないかと思います。彼らの理想を否定することはしません、しかしその理想が仮に叶わなかったにしても、彼らの大切な何かが崩れる訳では無いということを言いたいのです。

7 【全体まとめ】

社会的に抱かれているキャンパスライフへのイメージは確かにあるが、普遍的な「理想」のキャンパスライフなど存在しない。
大学での過ごし方など人それぞれであるから、キャンパスライフに正解は存在しない。
「理想」とは、押しつけではなく、自分で思い描くものである。

こう締めて、この議論を閉じたいと思います。

8 P.S

初めての本格的なnoteの執筆が終了しました。
正直考えは浮かんできているのですが、その思いや考えをなかなかうまく文章にすることができません。日々鍛錬、ですかね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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