円安~実質実効為替レートは1970年頃の水準に低下

円安のヤバさと政府・日銀のこれまでの政策のマズさがようやく認識されてきた。

対ドルは6月13日まで

BIS, 日本銀行
BIS, 日本銀行より作成

実効為替レート(Broad)は6月3日まで

BIS

日本は他国よりもインフレ率が低い状態が続いてきたので、海外との相対的な物価水準を示す実質為替レートは名目為替レートよりも大きく低下している。

下のグラフは2022年4月までで、4月のbroad指数は約60だが、現時点では60を大きく割り込んでnarrow指数では1970年頃の水準になっていると推測される(broadはnarrowよりも対象の通貨が多い)。

BISより作成

後進国を思わせる「安い日本」になった大きな理由は、政財界が賃金を上げないことに注力してきたことである。賃金水準を後進国に近づけようとした帰結として、国民の生活水準や購買力も後進国に近づいたわけである。

企業戦略としては大成功だったが、一国経済としては大失敗だったと言える。もっとも、それで困るのは日本に土着の遅れた人々(somewheres)で、「もはや国境や国籍にこだわらない」進んだ人々(anywheres)にとっては無問題である。

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