DR HIROSHI

筑波大学に勤務する教育学の研究者です。学校と学級の改善、非認知能力の育成、教育の国際比…

DR HIROSHI

筑波大学に勤務する教育学の研究者です。学校と学級の改善、非認知能力の育成、教育の国際比較研究に関心があります。エッセイをアップしていきます。よろしくお願いいたします。https://researchmap.jp/hiroshi_sato

マガジン

  • オーストラリアと私

    オーストラリアとの出会い、英語学習の方法について、海外との接点を模索する人の参考になるように、経験談を綴っています。

最近の記事

イギリス(ロンドン・スコットランド)への出張について

 8月にイギリスに出張する機会に恵まれた。目的はヨーロッパ教育学会の研究大会で発表するためである。日本の教育系の学会と違い、事前にプロポーザル(要旨)の査読がある。査読付き発表として、オーディエンスの前で講演できること自体が名誉なことになっている。今回、イギリス(スコットランドのグラスゴー大学)という遠い場所で、コストもかかるが、挑戦した次第である。会場のグラスゴー大学は15世紀に設立された古代大学(Ancient University)の1つであり、経済学者のアダム・スミス

    • 仕事や勉強のやる気を出す方法

      Hi, everyone! もしかして仕事や勉強のやる気が出ないなんて方はいないでしょうか。ここに対応方法を書いてみます。(以下、仕事は勉強に置き換えてください) 1 仕事のおもしろい点を見つけて想像してから取り組む。仕事にはなんでもおもしろい点があるはず。そのをうまくつかまえましょう。 2 仕事をスタートして、夢中になった、いわばフロー状態を維持しましょう。(参考:フロー状態とはhttps://www.direct-commu.com/shinri/flow/flow

      • 友達のつくり方

         友達ができなくて悩んでいる人はいませんか?  勝負は4月、5月ですよね。この時期にクラスや部活の人間関係は決まってきそうです。とりあえず,下記の要件を満たしましょう。 1 共通の興味や、事項ー出身や通学路、通学路線、クラブ活動などーがある。 2 話が合う、一緒にいて楽しい。それでいて違う部分も少しある。 3 LINEかInstagramでつながる。 4  お互いの家に遊びに行く。 5 寛大な心、まあいいか、と思う。友人はあなたのお世話係ではありません。 6 思いやり、貢献

        • 高校生に1日だけもどりたい

          下記の音楽を視聴していたら、高校生に1日だけもどりたくなりました笑 舞台として高校の教室や体育館などが出てきます。 タイムマシンがあればいいのになーと思いました!

        イギリス(ロンドン・スコットランド)への出張について

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        • オーストラリアと私
          3本

        記事

          教育のコツー楽しそうな姿を見せる

           これまで、長く大学教員として過ごしてきた。最初の就職(筑波大学講師(3年間期限付き特別配置))が2000年4月であったから、20年を超えたことになる。  この間、大学における自分の授業、ゼミ、そして、学校における校内研修、教員研修(行政研修)を行ってきた。そこで、コンテンツや指導法を工夫してきて成果は上がってきたものの、十分とは言えないと感じてきたこともあった。  最近、学生のモチベーションが上がり、指導の成果が出たことがある。そのコツについて気が付いた。それは、「私が楽し

          教育のコツー楽しそうな姿を見せる

          「G線上のアリア」

           バッハの「G線上のアリア」は、バイオリンの弦のG線だけで演奏されます。このため「G線上」と呼ばれています。では「アリア」はどのような意味でしょうか。「アリアとは美しい旋律のゆっくりとした舞曲を意味しています。祈りをささげるような曲調は、教会音楽を作り続けたバッハらしい美しい旋律です。」※と解説されています。3つ動画をまとめました。それではお聴きください。 ※参考ホームページ

          「G線上のアリア」

          2020年2月に見たお芝居ー飛龍伝(菅井友香 欅坂46)

           2020年のコロナ禍による緊急事態宣言(一斉休校、外出禁止、在宅勤務)の直前、ぎりぎりセーフで、このお芝居を新国立劇場に見に行きました。この時期、みんなは何をしていましたか? 欅坂46がんばっていましたよね❤️

          2020年2月に見たお芝居ー飛龍伝(菅井友香 欅坂46)

          天才と秀才ー非認知能力は考慮されてきたのか?

           このような主題について書くのは、憚られるのかもしれない。しかし、私はこの点の考察を小学生の時に既に行っており、あれから40年以上経過し大学教授になった現在、一定の私論を示しておきたい。  小学校五年生のとき、宮城音弥教授の著作『天才』岩波新書を読んだ。父の本棚に宮城教授の新書がいくつか並んでおり、すべて読破したが『天才』がもっとも面白かった。  同書では、音楽家、芸術家の家系図なども示され、天才が創造的な人生を歩み、栄誉を得たことが述べられている。一方で、新説を提唱した

          天才と秀才ー非認知能力は考慮されてきたのか?

          小説 エルとアディオー宇宙を超えた「結婚」の物語

           地球に、アディオという男性がいた。30歳、日本人。東京在住で出会いは多いはずだが、独身である。アディオの周囲の友人は次々と結婚していく。アディオの実家の本棚には少女マンガが沢山あった。自ずとアディオは少女マンガをたくさんを読んで育った。ある日、中学生の時、男性の友人の一人が言った。「何だ。おまえ、女っぽいな。キモイ」アディオはそれを聞いて傷ついたが、笑ってごまかしていた。友達を失うのが怖かったからだ。すると、その友人は気がついたのか、「ごめん、ごめん、変なこと言って。気にす

          小説 エルとアディオー宇宙を超えた「結婚」の物語

          日本はなぜ停滞したのか?ーイノベーションしてこなかった理由を考える

           日本は、理工系、社会科学系などの研究や制度・政策のイノベーションが停滞し、世界の中で、研究や実践の遅れをとっている。教育系も同様である。教育ならパーソナライズドラーニングが主流になっている。もはや人間が多様化し、国際的な人権感覚も高まっている以上、オーダーメイドの時代になっている。  しかし、日本ではなぜか、そのようになっておらず、画一性が重視され、実践が先進国から20年遅れになっている。その理由は何だろうか。  第一は、2000年ごろから始まった国際共同研究に日本人研

          日本はなぜ停滞したのか?ーイノベーションしてこなかった理由を考える

          アカデミックな学びを越えてー著名人との対話からー

          1.著名人が求めていたこと  先日、ある著名人とオンラインで長く話をした。著名人さんの方から私に話をしたいと連絡をとってきたのである。その理由は仕事上の課題を解決するためのアイデアを教えてほしいからであった。私がミーティングを引き受けた理由は何かおもしろそうだからである。大学教員は、おもしろそうなところに訪ねて行く習性がある。  オンラインミーティングが始まった。諸課題について、どうすればいいかと聞かれ、一応、大学教員の私は、理論的に答えた。ところが相手は著名人、すでに、

          アカデミックな学びを越えてー著名人との対話からー

          魅力的な人になるにはどうすればよいか?

           「魅力的な人になるにはどうすればよいか?」  大学に勤めて20年以上になるが、このような質問は、たまに受ける。大学生にとって切実な悩みなのだろう。この質問は、承認欲求の問題である。承認欲求と言うと、SNSを媒介とした心理的な問題として理解されている。自分をレベルアップすればよいのか。それとも、「好感度上昇サプリ」を飲めばよいのか。(https://note.com/shukatu_otoko/n/n341dbdd313f2)  「魅力的な人間になりたい」というのは、誰か

          魅力的な人になるにはどうすればよいか?

          カプチーノは午前に飲むべきか?ーオーストラリアでの経験からー

           先日、授業中、コーヒーが話題になった。コーヒーを大好きな学生がいたのだ。私が「カプチーノが好きです」と言うと、肯定的な、しかし驚きの反応が学生からあった。カプチーノ好きは珍しいのだろうか。  今日、妻とレストランに行ったのだが、メニューにカプチーノはなかった。そこで、「カプチーノはないのかな」と言うと、妻から「私はカフェラテ。なんでカプチーノが好きなの?」と聞かれた。なぜカプチーノが好きなのか。おいしいからと言えばそれまでだが、そもそも、私がカプチーノの存在を認識し、初め

          カプチーノは午前に飲むべきか?ーオーストラリアでの経験からー

          実際に優れた教師になるために

           最近、仕事をうまくこなすコツを探すために、いろいろなインターネットの記事を読み、本屋で立ち読みした。そのなかに、「競争」より「共争」という言葉があった。「共争」とは、英語でemulationであり、高め合うことを意味する。年長者であれば、年少者の社員や職員から学ぶ必要があろう。教師は年長者だけとは限らないのである。さらにそれを共創にできれば素晴らしいだろう。    では、そのように職場で過ごしたとして、学生や生徒に教えるためにはどのようなコツがあるか。以前、自分のnoteの

          実際に優れた教師になるために

          ケアリングと教育

           今日は、ボトムアップな学校経営の原理について考えていた。私が尊敬する英国のクリス・デイ教授は、感情的な信頼が学校経営において重要だと述べている。この指摘の基盤となる理論はないだろうか。「学校経営と学級経営の基盤にケアの理論がある。」これが今日の発見である。  この発見に辿り着くには、まず教育の定義が必要である。教育とは、発達可能態である人間の潜在的可能性を開花することである。ここで教育は、主に学校という組織、空間において、教育専門家によって行われるものとする。もとより、家

          ケアリングと教育

          教職キャリアにおける「転換期」とは?―優れた教師にレベルアップする方法―

           先日、ある学生に「先生、今日の授業では、いつもよりフレンドリーでした」と言われた。私は授業中いつもフレンドリーだったつもりなのだが、それほどではなかったのだろうか。つくづく、教師はどのように学生(生徒、児童)に思われているかわからない。  大学、学校、習い事のいずれであっても、およそ教職のキャリアには「転換期」が訪れる。これは、教師としてレベルアップしなければならない時期である。これは言い換えれば「転機」である。その「転機」が予想外のことである場合、「まさかの坂」(人生に

          教職キャリアにおける「転換期」とは?―優れた教師にレベルアップする方法―