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教職キャリアにおける「転換期」とは?―優れた教師にレベルアップする方法―

 先日、ある学生に「先生、今日の授業では、いつもよりフレンドリーでした」と言われた。私は授業中いつもフレンドリーだったつもりなのだが、それほどではなかったのだろうか。つくづく、教師はどのように学生(生徒、児童)に思われているかわからない。

 大学、学校、習い事のいずれであっても、およそ教職のキャリアには「転換期」が訪れる。これは、教師としてレベルアップしなければならない時期である。これは言い換えれば「転機」である。その「転機」が予想外のことである場合、「まさかの坂」(人生には3つの坂がある。「上り坂、下り坂、まさか」と言われる)とも言われる。

 「転換期」において教師は悩むだろう。教職キャリアにおいて、どのくらいのスパンで起こるものなのかは、状況や人次第であろうが、およそ7~8年に訪れるのではないか。「転換期」では、何かが「できない」ので、根本的なところから省察(リフレクション)して、授業などのやり方の改造を迫られる。(参考:浅井ほか「小学校の改革における教師のコミュニティの形成ー「 できない」という教師の語りに着目して 」ja (jst.go.jp)

 7~8年くらいの時間が経過すると、それまでに培った「教師としてのパターン」が通用しなくなる。理由は、その間に、社会変化、職場環境の変化、同僚(メンバーなど)の変化、自分の変化、児童生徒、学生の変化があるからである。公立の小学校、中学校、高校の場合、その7~8年が勤務校の異動(転任)の時期と重なることもあるだろう。私立学校や大学の場合、それ以上長く継続勤務することも多い。いずれにせよ、「転換期」に「何かを根本的に変える」ことができるかどうかが、優れた教師にレベルアップする岐路だと思う。

 優れた教師にレベルアップする方法(視点)を以下のようにまとめてみた。以下では、煩雑さを避けるために、児童、生徒、学生の表記を生徒に統一する。

①生徒の得意分野やニーズに合わせて、授業やホームルームで対話(会話)を行う。

②初学者である生徒の目線、状況、関心の持つ順序や程度を理解する。

③自分の良い面を発揮するために地道に活動し、自信を持つ。同時に威張らない。

④生徒の成長を考えて、生徒との人間関係づくりを考慮して備える。

⑤生徒を受け入れ(肯定、寛容)、配慮し、傾聴する。時々、自己開示する。

⑥教師こそ、何か情熱を注いでいるものを持つ。

⑦笑顔、微笑みを大切にする。

 ③に関しては、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉がある。採用、重用されるほど謙虚になるという考え方である。⑦について、その効用は次の記事に掲載されている。教職キャリアの「転換期」には、これら7つの点ができているのかを考えること、そして、そのうちの1つだけでも「抜本的に変える」によって、何かを達成することができるだろう。

 





 

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