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溶接の面白さを届けるために体験施設を造った、株式会社高義製作所(たかよし)

昨年の7月、新潟県三条市に新潟県唯一の溶接体験ができる施設が完成した。
「IRON-PLANET BASE OF SANJO」アイアンプラネットベースオブ三条

体験できるメニューは1000円の写真立てからロケットストーブまで製作ができる。また、慣れてきて自分でできるようになった場合、工場の一部をスペース貸しもしている。
子供達の体験も可能なモノづくりスペースを作り上げた、代表取締役の徳永 佳久様にお話を伺いました。

荒沢の工場から

株式会社高義製作所の六代目代表取締役徳永佳久様。
2010年に入社した当時は、会社は絶望的な状態だった。

 高校生の時はどうしようもないヤンチャで就職先も工場を転々としていた。
28歳の時、親父が体調を崩し、おふくろが会社を引き継がざる負えない状況になってしまった。私も見ていられなくなり、しぶしぶ会社に入った。
親の会社に入ってみると、1社依存の下請けで価格も発注主に左右される状態。社員もドンヨリしており、特段営業活動もしない。同じ業務の繰り返しで、一体何を作ってるのかもわからない。
改善箇所の提案もしていたが、社長の母親は新しいことを一切しない。
借金に借金を重ね、本当にもう、潰れててゆくしかないんだな。
という状況だった。
母親の代で何ともならないんだったら、俺の代でちゃんと会社を締めよう、まだ、35歳なのでどこか就職もできるだろうと思っていた。

与えられてる仕事を淡々とこなす日々だったが、社員もあきらめ始め少しづつ辞めてゆく。
そんな中、仲も良く、一緒に仕事ができて頼れる従業員が来月辞めるという話になってしまった。
どうしても辞めてほしくなかった従業員だったため、彼に思い切って飯を誘い、
今の自分の思いと、今後の夢、将来の事についてただひたすらに話した。

「頼むから今年一杯は居てくれ。もし、やっぱりやめたいというなら予定通り今月で辞めても構わない。」

初めて従業員と本音で話し互いの気持ちもぶつけ合った。

食事会の翌日、その従業員から話があると時間を作った。

「来月も引き続き働かせてください」

感謝の気持ちでいっぱいだった。

その時、自分の中で何かが弾け、

「俺が何とかしてやろうじゃないか」

という気持ちになった。
その日のうちに母親に話をしに行った。

「明日から俺が社長やる。俺に任せろ。」

母親も、この時ばかりは何故かすぐに手続きをしてくれて、俺が6代目の社長になった。

社長とはいえ若造の自分だ。従業員の皆とコミュニケーションを取り、改善点や現状の話、問題点も聞いた。小さな仕事を複数企業から受ける事で1社依存も脱却し、製造できるマシンも増やした。
翌年からは、会社の売り上げがV字回復し、順調に規模が大きくなってきた。現在まで順調に数字は上がっている。

辞めると言ってた従業員は今現在も働いてくれており、彼の夢も絶賛応援するつもりだ。

あの時、自分で言った言葉は今でも忘れないし、そのつもりで今も頑張っています。

溶接体験アイアンプラネット創設の経緯

新工場

2022年に業務拡大の為、下田の荒沢に工場を新規拡充しました。
四季を感じながら自然豊かで落ち着いた場所。私はこの場所をとても気に入っており、遊びも欲しいなと常々夢を膨らましていました。

溶接というのは男っぽく難しいとか危険というイメージが強く、皆さんに親しまれる業種では無いなと常々感じていました。そこで、
「体験できる」
という切り口で皆に工場を知ってもらいたいと思い立ち、工場施設内に体験スペースを作ることになったのです。
サポートしながら対応するので資格不要で本物の工具に触れるんです。
作成するものは、ペン立てや、フォトフレーム。経験を積むとロケットストーブまで作れます。

DIYであれば資格不要

2023年の7月くらいから体験をはじめ、地域の子どもたちの来てくれるようになりました。まだまだ告知ができていないので、市内の観光と合わせてアイロンプラネットの溶接ものづくり体験にも来ていただきたいです。

体験メニューはこちら


今後の目標

製造業は何を作ってるか分からない作業になりがちなので、技術をさらに伸ばし、選ばれる会社にしてゆきたい。
技術の幅が広がってきたので、今後色んな会社のお付き合いを増やし、他業種の製造をして行きたい。
今後溶接を強みにした自社製品の開発も検討している。

従業員と業務について

農業機械部品、自動車部品がメイン
従業員15名(総勢19名)
内女性7名(事務、プレス、スポット溶接)
08:00-17:05(65分休憩)
初任給17万円~22万円
溶接は女性でも作業できる仕事。重いものを持つことはほとんどなく、ある場合は台車や2名で運ぶなどの作業で対応できます。

株式会社高義製作所
ボビン工場から始まる
戦中は航空機部品の製造
その後テーブル脚の制作
イセキ新潟製造所の協力会社としてプレス、溶接が始まる
自動車部品の製造
設備を増やし、プレス機、溶接機を導入


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