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ラーニングフィールドという巣窟【前編】

高3の夏高3の夏が始まった。 夏を制する者は受験を制すーーこのスローガンを胸の中で復唱し、机に向かって意識を集中させる… 大学現役合格を目指す僕の同期たちは、そのようにして夏が過ぎるのをじっと耐え忍んでいるのだろう。 ただ僕は、そんな彼らを尻目に、女装家と一緒に米を作っていた。 無農薬・無機械での稲の栽培を通して新たな社会作り目指す『ラーニングフィールド大阪』の田んぼを手伝うという形で、 1から全てを教わって、 除草作業を進めていた。 高く昇ったお天道様がギラギラと

    • "めんどくさい"の処方箋

      ADHD私は、診断書付きのADHDである。病院に行けば、コンサータ錠がもらえて、飲むことで"やる気の源"ドーパミンが出やすくなる。 ADHDはEDに近い病気だ。何事に対してもやる気が湧かないから、集中は続かないし、次々に新しいことに手を出しては中途半端で投げ出していく。 そして、そういう人が最近増えているという(認知度が上がって病院に行く者が増えたのか、後天的に発症する絶対数が増えたのか、あるいは両方)。 僕もそうだったのだが、精神科へ受診に行く動機は日々の生き辛さだ。

      • 母へ送る手紙

        拝啓俺のお小遣いは有限です。無限ではない、そこを勘違いしないでいただきたい。毎月1万円もらったって!バターのように溶けていくだけなのです。若者には出費が多い。服や小物、身だしなみにも気を遣うし、友達と遊ばなくちゃいけないのです!レストランにもいきます、雑貨屋にふらりと入ったりします。友好関係が多いと、そこらへん馬鹿にならないのですね。頼みます。俺の弟は友達が少ないから、少ないお小遣いでもいいと思います。しかし、僕はまた事情が違うってことを理解してほしい。6万円使わせてください

        • ハッピー! エンタメポップコーンtime!

          番組MC どうもこんにちは!"ハッピー! エンタメポップコーンtime!" 生放送スペシャルのお時間です。本日は新進気鋭の若い俳人の方々に来ていただいてますよー! アナウンサー では早速ですね、はい。最初の俳句、お願いします! ネット社会閉じれば終わる楽な社会あなたのことは誰も見てません お笑い芸人 悲しいこというなやぁ!!! スタジオ ワハハハハハ 番組MC ….。な、なるほど、アハハ。なかなかキツイ感じでございました、アハハハ…はいっ、それでは気を取り直して、

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        ラーニングフィールドという巣窟【前編】

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          コラム"mogaki"

           こんちきしょう。ドコ二イル?忘れた。自分なんか。ポケットの中も探した。アイデンティティはごみ理論だとしても、自己像は大事だろうが。山頂に向かいながら、自分がどこにいるのか把握することはとても大事だろうが。生まれた町に来た。かつての厭な気持が、思い出したくもないのに、思い出されてくる。すっかり変わったと思っていた自分が、すっかり変わってないことに気付く。勇気。  勇気だせ。勇気って?理想に向かっていくこと。あらゆる障壁を枯れ矢のようにしてしまって、大地を漕いで進み続けること

          コラム"mogaki"

          コラム"deito"

           面白い会話とはなんだ。会話とは、頭のスポーツ。だけど、結局、体のスポーツの枠組みの中にいる。体的、本能的な欲望を叶えるために、脳みそは発達してきたのだ。つまり、体の欲望を、頭を使って疑似的に解決するというのが、「面白い」会話の大前提として視覚できる気がするわけだ。  食欲、性欲、睡眠欲、知識欲、承認欲。これをどうやって「会話」で満たすのか?答えは一言、単純で、「想像力」だ。食べてる気にさせ、ヤってる気にさせ、寝てる気にさせ、新しいものに出会った気にさせる。相手の存在に意味を

          コラム"deito"

          コラム"koi"

           喉の奥のほうがつっかえている。久しぶりの気持ち。なんの存在だろう?ご飯の、素材の、温かい味が、ふと鉛のようになる。なんの意識だろう?心臓が、"どくどく"と"きりきり"と。お前だけは勝手に元気だな。ばか。  緊張って、洗脳がとろとろ溶けちゃってるんだ。今まで、何の確証もなく、確信していた。自分はこんなやつだと、自分はこんなことができると。けど、ふと、我に返っちゃうと、自分はいなかった。だれ?お前はだれ?お前は何ができるの?ちゃんんとふらふらせずに歩ける?未知は不安。体中が謎に

          コラム"koi"

          今後、世界を変革できるような組織のリーダーってどんな人だろう?

          Elon MuskやBIll Gates、Steve Jobs、孫正義…code技術者上がりのリーダーも居れば、IT技術が相対的に乏しかったSteve Jobsのような人も居たり、よく分からない孫正義のような人物もいる。 では、今後、どのような人たちが上記に挙げたような人物のように足り得るだろうか。彼らの時代には一人一台のパソコンというものも無かったし、ましてやスマホさえ無かった(彼らが作り出したものなのだから当たり前だろう)。スマホやパソコンをただの道具として捉えてる人は

          今後、世界を変革できるような組織のリーダーってどんな人だろう?

          やる気が出ないんですがどうすればいいですか?

          やる気って言ったら、心の中でグツッ、グツッと湧き上がってくるもの、そう想像するけれど、実際人生の一コマ一コマを振り返ってみると、そんなこともない。宿題をやるのは先生に「今日は僕宿題やりませんでした」と言う一押しの勇気がないからだし、学校に行くのも母親が怒るのを見たくないからだ。恐怖に吠え立てられて逃げていただけなのだ。単純に。 詰まる所に、やる気には恐怖が大事だ。だから、やる気を出すためには、そういう環境に行きなさい。 という言説は「やる気を出す」という面では芯から正しい

          やる気が出ないんですがどうすればいいですか?

          【第1話 過去編】ちょっくらアメリカ行ってくる 

          時はおよそ6年前に遡る。 小学校の卒業式でクラスの一人一人が自分の夢を宣言するという式目があった。 もちろん式典でぶっつけ本番などではなく、事前に授業で担任の先生に「僕の夢は○○です」と書いて提出しなければならない。 僕は、「大金持ちになる」と書いた。 今考えてみれば不思議なことだが、多くのクラスメイトは「パティシエ」だとか「野球選手」だとか、具体的な職業で決まっている生徒が多く、「サラリーマン」なんて書く現実的なやつもいた。 僕は、みんなはっきり自分の夢があってす

          【第1話 過去編】ちょっくらアメリカ行ってくる 

          第0話「ちょっくらアメリカ行ってくる」

          まえがきルール 「ちょっくらアメリカ行ってくる」を執筆するにあたって、前もっていくつか定めておきたいルールがある。 それは以下の3つ。 1.絶対に嘘は書かないこと 2.宣伝広報の類は一切行わないこと 3.毎日更新すること  1.絶対に嘘は書かない 嘘を文章に含めた瞬間にそれはフィクションとなる。 如何に面白く嘘を盛れるかという競争は旅日記の専門領域でないばかりでなく、旅日記で嘘を書かないにしても嘘の雰囲気を感じ取られた瞬間、一気に文章が陳腐化する。古今東西、ノンフィク

          第0話「ちょっくらアメリカ行ってくる」

          ラーニングフィールドという巣窟【後編】

          ヒートテック田んぼでの除草作業の後、僕は泥だらけになっていた。 使い古して捨てるだけのヒートテックを無数の茶色い斑点で染め上げて、僕をラーニングフィールドに招待してくれたメンターMさんは「お、田んぼらしい良い模様が出来上がってるね~!」と言った。 ヒートテックに浮かんだ「田んぼの模様」、たしかにそれもあるのだが、実はそうじゃない。 この汚れ、失礼、模様の大半は威勢の良い子どもたちとの度重なる激闘(あるいはリンチかもしれない)の末付けられた、言わば敗北の烙印である。 湧

          ラーニングフィールドという巣窟【後編】

          モンゴルで羊の内臓を食らう

          始まりの夕日水平線が広がる砂漠の道なき道をワゴン車で。 沈みそうな夕日にヒヤヒヤしながらも目的地を探す。 僕たちは、今夜泊まるゲルを、なんの目印の無い砂の草原で方角だけを頼りに突き進んでいる。 今にも太陽は地平線に飲み込まれそうである。 遊牧民の家、「ゲル」幾つかのゲルを経由して、目的のゲルに到着した。 「りゅうさん(僕)、野犬に注意してください」 通訳のガーナさんは、ゲルの前にいる黒い犬を横目にそう忠告する。 よく見ると滅法外部の人間に対して興味津々な様子の犬

          モンゴルで羊の内臓を食らう

          Co-Lab Gearsという巣窟【前編】

          そして、そろそろ僕は読者の疑問に答えなければならない。 「なんで高校生のくせに高校生支援団体に属してるんだ?」という。 というわけで、まず、「WAT'er」との出会いについて語っていく。 変な出会い畢竟、僕は全日制の学校を辞めてから途方もなく暇だった。ほぼほぼNEETだった。暇で自由すぎる時間が増えたわけだけど、どこか物足りない。朝起きて、でも電源を抜かれたように無気力で、夢の中のほうが楽しくて。とりあえずまた目を閉じた。 そんな大きいような小さいような問題を放置して何

          Co-Lab Gearsという巣窟【前編】

          Co-Lab Gearsという巣窟【後編】

          起  僕は、呆気なく、そしてなにより問題もなく、いかにも自然にWAT'erの活動に参加していた。毎週のzoomミーティングにもほぼほぼ出席し、会議での発言にも慣れ、WAT'erのメンバーとも馴染んできた頃、 「今週の土曜日、Co-Lab Gearsのメンバーと〇〇大学で集会があるんだけど、RYU君来る?」 そう誘われた。 Co-Lab Gears。 たしか、WAT'erの母体団体だったか。 「はい」 二つ返事で承諾し、 とりあえず、行ってみることになった。 集会”月に

          Co-Lab Gearsという巣窟【後編】

          #谷崎潤一郎『陰翳礼讃』 面白かった作品を勝手に紹介!

          ※もし僕が本の裏表紙にある「内容紹介」を勝手に書いたら? という企画です日本人は、影の一族である。日本人の赤褐色の肌は、薄暗い空間の中でこそ西洋人にも劣らない美しさを発揮するという。 お歯黒や屏風、地味な色の着物。その正体を知って実に面白く読んだ。 最初は難解な語彙にページが進まなかったが、段々と慣れて谷崎潤一郎の文体の美しさを楽しめるようになった。 僕は、日本のファッション業界に可能性を感じている。今までの高級ブランド品といえば、「HERMES」や「LOUISVUITT

          #谷崎潤一郎『陰翳礼讃』 面白かった作品を勝手に紹介!