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『組織を変える5つの対話』を読んだ

組織を変える5つの対話 ―対話を通じてアジャイルな組織文化を創るという名著

この度は翻訳者様たちから御献本いただきまして、素晴らしい書籍と出会うことができました。和智さん岩切さんありがとうございます!

厚さ的にも翻訳的にも非常に読みやすい本で、あっという間に読み終えてしまいました。

対話のキーワードだけでいくと、アジャイルやソフトウェア開発といった文脈が少し遠い印象もあるのですが、この本は、アジャイルやソフトウェア開発の現場に則った文脈で終始書かれています。

夢中で読み終えてしまったこちらの本について、簡単にですが感想を書いていきたいと思います。

ここが良かった3選

アジャイルのヒーローたちが勢揃い

アリスター・コーバーン博士(ご本人はコバーンて読むよって言ってた気がします)、ポッペンディーグ夫妻、ゴイゴ・アジッチ氏・・・

他にもたくさん登場するのでぜひ探してみてくださいなのですが、アジャイルと向き合ってきた先人たちはやはり人と向き合っている大前提がある証拠とも言えます。

索引や参考図書はびっしりなので、アジャイルの勉強のインデックスにもとってもお役立ちになりそうです。ちぃとぽもそんな感じだった気がする。

対話には順序がある

読み始めに5つの対話について紹介があるのですが

・信頼を築く対話
・不安を乗り越える対話
・WHYを作り上げる対話
・コミットメントを行う対話
・説明責任を果たす対話

何となく、4番目のコミットメントが気になるなーと思って読み始めておりました。

だがしかし・・・・
コミットメントを行う対話が書かれている6章の冒頭で

後回しにしてきた理由はまず「信頼」を築き、「不安」を減らし、「WHY」に合意していなければ、どんなに物事がうまく進んだとしてもたどり着く目的地は間違ったものになってしまうからです。

141ページ

全てを見透かされたような歓迎を受けました・・・・
書籍の章立ての順番には意味があったのです。ペップトークみたいだ。

欲しい結果にはプロセスが重要。最速最短でたどり着くためにも一手ずつ着実に進めてこそ得られる。
練習を積み重ねることはとても大事ですし、これに則って進められるかは自分(たち)で点検できるようになると、組織での意思決定の質がぐんと高められそうです。

バンゲイの3つのギャップ

上記のプロセスに加えて、バンゲイの3つのギャップも非常に有用です。
どこかでみたことのある図なのですが、改めて見るととても点検しがいのある図としてまとまっているなぁと感じました。

https://jorgeaudy.com/2022/02/01/the-art-of-action-stephen-bungay/

こういうことを知っているだけでも、感情を一旦客観的に向き合えるようなクッションになり得ますよね。
自分→相手とのコミュニケーションでもそうですし、相手→自分にギャップがあると感じた時にも、どのギャップがあるのか客観的に認識できたりすると、慌てず言葉を選べるような気もします。

おわりに

訳者あとがきの冒頭に

「アジャイル」と冠された本は数え切れませんが、その中でも本書はアジャイル導入における「最後のワンピース」を埋めるものです。

223ページ

とありました。

結局は人なのかと言われたら人なのだと思います。
この本では対話を1対1ではなく組織という単位で扱っておりました。エグゼクティブリーダー・チームリーダー・メンバーと、役割ごとの目線で各章を締め括っているのも特徴的で、特定の人が向き合うものではなく、組織で向き合いましょうと思える構成も良かったです。

アジャイルは選択肢の一つかもしれませんが、私はアジャイルを選んでいて信じていて良かったなと答え合わせになるような一冊でもありました。
書かれていることは終わりなき旅であることも明記されておりましたが、チームの中で実践していくことに価値があることが満載な本書、ぜひいっしょに実践してまいりましょう!


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