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N高等学校を卒業した話

はじめに

N高ネットコース、通学コースを経て感じたことをこれから入学する人やその保護者向けに一卒業生の記録として残します。

こちらは2019年11月に作成、Twitterにて公開した内容に肉付けしたものとなります。2020年3月に卒業してから時間が経過しており、現在とは実態が大きく異なる可能性がございます。
投稿前に前年度の卒業生含む数名に確認をお願いしていますが、最新の情報は必ずご自身でご確認いただくようお願い申し上げます。


作成の意図

私がN高に転学を決めるとき、出来たての学校で情報が少なく、判断材料がとても少なかった。できるなら普通高校、ネットコース、通学コースを経験した人の話を聞きたいと思っていました。
今後増えていくであろうN高・S高入学者希望者の判断材料の一つとしていただくために数年前の卒業生ではありますが、書き残します。

2023年5月に当時のTwitterCEOイーロンマスク氏により、非アクティブアカウントの停止を進めているとの発表がありました。
それを受け、定期的なTwitterログインでアカウントを存続させることが難しいと判断したためnoteへと移設、それに伴い改訂を行っています。

注意事項

この記事は2019年11月にTwitter上にて公開したもの、追記として出す予定だったものの草稿、現在の私の考えを一つにまとめたものとなります。最初に公開したものから内容が大きくそれることはありませんが、言葉遣いや言い回しの変更、情報の追加を行っている為当初と印象が異なる場合がございます。
また、こちらはあくまで私の主観による記事となります。在学時の素直な感想ですので、無理によく書くことも悪く書くこともしません。どこからもお金はもらっていないしどこへ媚びるつもりもありません。noteのサポートも切っています。情報の選択は受け手の権利であり責務です。
以上をご了承の上読み進めていただくようお願いいたします。

自己紹介

Proofと申します。N高2期生。(2年次の4月に転学しているため書類上は3期生に当たるようですが、卒業時期は2期生のため、便宜上2期生としています。)
普通高校入学後、通信制のN高等学校に転学し2年次ネットコース、3年次通学コースを経て2020年3月に卒業しました。

2023年現在は大学4年生。都内で犬とパートナーと暮らしながら興味のあった分野を研究しています。塾講師としても働いています。

N高に入るまで

地元公立中学校を卒業後、私立高校へ入学。幼少期からの持病の悪化により通学が難しくなり2年次よりN高等学校へ転学。

1年次の単位についてご質問をいただくことがありましたが、それまで無遅刻無欠席であったことと年度の終わりがけであったこと、入院中にレポートを提出したことにより一部単位と在籍が認められました。
病状についてはプライベートなことなのでお答えできません。

N高を選んだ理由

なによりも学費の安さが決め手でした。
病気が原因といえど学費の高い私立高校を退学してしまい治療費もかかっていたため、これ以上親に金銭的な負担はをかけたくないと考えていました。また、進みたい大学と興味のある研究分野があったため、高卒資格の勉強が最低限で受験勉強を優先できる環境を希望していました。
学費が自分で返せる額であること、高校卒業資格の取得が容易であること、同い年の子たちと同時期に卒業できることが転学先の高校に求める条件であり、それに合致したN高を選びました。

N高の学費についてはネットコース、通学コースに分けて後述します。


2年次 ネットコース 2018年度

正直、悪いところはほとんどないと感じていました。学費は安く、費用分以上のサポートは受けられたと思っています。

学費

私のときは年間で25万円ほどだったと記憶しています。現在では普通科ベーッシクにあたるようです。学費は必要単位数によって変わり、一単位7000円程でした。そこに施設設備費と諸費がのっかってきます。
就学支援金を利用すれば、ご家庭の世帯年収によっては年間で6万円程まで抑えることができます。
ほかの高校から転学している場合には自分のすでに取得している単位によって必要単位数が変わってきます。その場合でも自分で単位を組む必要はなく、学校側で勝手に組んでくれます。相談自体は可能ですが基本的に自分で組むことはできませんでした。無理ない範囲で組んでくれるので金銭的にもスケジュール的にも困ることはないかと思います。

私はネットコースは破格だったと思っています。
ほかの通信制高校の資料では、一単位の金額のみ記載してあり設備費などの諸費を合わせた年間の全学費がわかりづらいように記載してあったりと不誠実な学校が多い印象でした。インターネット上で学費の安い通信制高校と検索してもN高の倍近い額の通信制高校ばかり記事になっているような気がします。その点では、N高は年間の学費はわかりやすく記載されているので信頼できると思います。
教育にこのような言い回しは望ましくないのかもしれませんが、コスパは最高だったと感じています。


レポート・高卒資格

レポートの提出は卒業するのに必ず必要となります。年間の必要単位数にもよりますが量自体もさして多くはなく、教科ごと多少の差はありますが内容は簡単なものがほとんど。答えは全て教科書に書いてあるか動画内で説明していると考えてよいので、字さえ読めれば絶対に解けます。早ければ1週間ほどで1年分終えてしまう子もいるほど。どうしてもわからない場合は担任の先生に連絡すれば教えてくれるはずです。
教材は4月の頭には段ボールでドサッと届いていました。
期限近くまで提出がないと担任から電話がかかってくるはずなので、言われればやるタイプであれば提出忘れも起きづらいと思います。
ただ、何度電話をもらってもやらないタイプの生徒はそこそこいましたし、先生方もその子だけを気にし続けるわけにもいかないので4年以上在籍するような子もチラホラいました。N高側も、たくさん受け入れて生徒全員を救う事を目指さない、という方針のようです。

当時、インターネット上ではやばい学校だから卒業できないなどの噂がありましたが、レポートを必ず提出しスクーリングとテストにきちんと参加すれば卒業できないことは絶対にありません。
ほかの通信制の高校に通っていた子たちの話を聞いても、N高のレポートは簡単で卒業しやすいほうだと思います。

スクーリング

初めてのスクーリングなので不安に思っていましたが、授業は楽しく感じました。
朝は比較的遅めに設定されており、無理なく登校できました。
先生方はかなりの個性派でどうしたら授業が楽しくなるのか時間をかけて模索したのだろうな、と感じていました。どの先生も優しく、持ち物を見て声をかけてくださったり授業進行の妨げをしてしまうような生徒にも穏やかに対応し、スムーズに授業を進めているところをみるとできたての学校とは思えませんでした。優秀な方たちを採用してらっしゃるのだと思います。
個人的に一番不安だった体育の授業を一番楽しく終えられたことに感謝しています。ただ、講師が非常勤だと普通の座学のような形になり苦手な人は苦労するかもしれません。(現在では非常勤の先生はほとんどいらっしゃらないようです。)
普通に友達は作れましたし、その子たちとは大学卒業を控えた今でも定期的に遊びに出かける仲です。
朝が遅いため、下校も少し遅く私のスクーリングは冬だったため終わると外はかなり暗かったので、心配な方は日の長いうちにスクーリングを入れましょう。

沖縄スクーリングは私の年には強制でなかったため参加していません。

テスト

スクーリングへ行ったキャンパスで受けます。私が二年次のときまでは紙でテストを受けていました。難易度は低いのでレポートの内容がさらっと理解できていれば不安に思う必要はありません。この年までは追試はありませんでした。
成績には関わるので内申が欲しい方はきちんと対策しましょう。

Slack

N高ではSlakという外部サービスを利用して先生と連絡をとったり部活動をします。HRはここで行います。
最初は使い方に戸惑いますが慣れれば簡単です。N高側が提供するサービスではないのでSlack側に問題が生じたりシステム上の要望があってもN高側にはどうすることもできません。

先生

N高ネットコースで生徒が直接的に関わる大人は先生(教員)と職員さんの2種類存在します。
クラスの担任になったりスクーリングでの授業、レポートや進路の質問に答えるのが教員で、前職も学校の先生という方がほとんどです。
部活の運営を行ったりシステム的な質問に答えるのは職員さんで、教員免許を持っている方ではないようです。
教員にはSlackでの名前の頭文字にteacherがついており、職員さんにはstaffがついています。
前述のSlackか電話で連絡を取り合うことになり、職員さんとお会いすることはなく、先生とはスクーリングでタイミングが合わなければ一度も顔を合わせることなく卒業することが多いです。

サポートの早さについてご質問いただきましたが、平日の昼で担任の先生がお休みの日でなければその日のうちに返信が返ってきます。
私は在学時どの先生にも優しくしてただきましたし、トラブルに巻き込まれた際も、夜のおそらく業務時間外でしたが職員さんにすぐにご対応いただきました。活発に動いていたので大人との関りは多い方でしたが嫌いな先生、職員さんは一人もいませんでした。
ただ、私の同級生は担任との会話でトラブルになってしまい学校をやめてしまったので人間同士である以上、相性は存在するようです。

教員の方は人材の流動性が高く、とにかく入れ替わりが激しい印象がありました。そのため前年度の担任が何も知らされずSlackで解除されているのを見て退職を知るというパターンがそこそこあり生徒目線だと寂しく思っていました。
先生や職員さんからの電話で、出られずに折り返した際には通話料がかからないように一度切ってから学校側からかけなおす決まりになっているようです。そういった学校側からの気遣いも有難く思っていました。

N予備

レポートはこのN予備を利用して進めます。レポートの必修授業以外にも大学受験のための勉強やプログラミング、料理などの授業も受けられます。
質は微妙です。受験対策の授業には大手予備校にいた講師たちの映像授業が見られます。いわゆる東進の映像授業などに近しいのですが、家で授業を受けるのは誘惑が多く、続いている生徒は本当にごく少数でした。
また、用意された授業の科目数も少なく、科目の多い大学をうける生徒は参考書か予備校が必須でした。
わからない問題に関しては質問できる場所がありましたが答えるのは講師ではなく生徒で間違った回答も多く見受けられました。
講師への質問は生配信の授業中でなら可能でしたが、時間が合わなければその機会も享受できません。
勉学以外の授業も講師の選出に関して疑問を持っていました。

部活

前述のSlack上で部活動を行います。数自体はさして多くなく、活動の活発さには差があります。多くの部は定例会があり定期的に特色のある活動をされていたようです。部員同士がリアルで会う機会はほとんどありません。
Slackで共通の趣味を持つ友達ができるので活動が継続しやすい印象があります。
欲を言えばもう少し部を増やしてほしいと思っていました。
活動の強制はありませんでしたが、同世代とのかかわりを作る機会が欲しい方はとりあえずチャンネルに入ってみるのはありだとおもいます。入部しても活動の強制はありません。
同好会は部活よりのんびり活動している印象がありました。

友達

ネットコース生はとにかく自分から動く必要があります。
HRには積極的に参加し、部活動や同好会などのコミュニティに属することでつながり自体は自然と作られていくはずです。
Slackでの小競り合いはちょこちょこありましたが職員さんのほうで上手く窘めていた様子でした。N高では一般的な学校のコミュニティになじめなかった子たちが多く流れてくる傾向にあるため、中には無用な物言いでしょっちゅうトラブルを起こす子もいましたが、職員さんが発言の制限や隔離、話し合いを重ねていたようです。

Slackで上がってくる子たちは体感で全校生徒のうちの2割程度で、多くの生徒たちは単位を取るためだけに学校に在籍しています。スクーリングで出会った子たちに部活なにかしてるの?と聞いたりすると部活って何?と返ってくるほどでした。つまりほとんどのネットコース生はスクーリング以外でほかの子たちとの関りを持たないまま卒業していきます。
部活は楽しくてやりがいを感じていましたし、同じ部の子たちとも同じ担任のクラスだった子たちとも、今でも定期的に集まって遊ぶ仲です。振り返ればやはり、積極的につながりは作っていった方が良いのではないかなと思っています。
X(旧Twitter)などでつながる子も多くいましたがこちらはすごくトラブルが多い印象でした。

進路

ネットコース生にはとにかく時間があります。勉強時間で考えればいわゆる浪人生に近い生活になります。
それはつまり強い自制心が必要になるということでもあります。
面接など最低限のサポートはしてくれますが、勉学に関してのサポートはやはり大分手薄です。上位大学へと進学したいのであれば予備校へ通うことは必須になります。
歴史の浅い学校ですので、受験に関して強いノウハウや太いパイプのある学校ではありません。ネット特進(現N塾)という受験勉強のサポート制度もありますが評判は大分悪いです。
N高は外部向けのインタビュー記事においても大学の合格実績を気にしている様子がみられ、過去には卒業後進路を改ざんする不祥事も起こしています。現在でも中々思うような成果はあげられていないようです。

受験勉強に関しては別note「通信制高校生の大学受験」で私の受験についてお話しする予定です。

また、ネット特進(現N塾)に関しては別note「N高校卒業後、宅浪で国立大学に合格した話」で在籍していた卒業生にインタビューを予定しています。


総評

前述したようにネットコースでは費用分以上のサポートを受けられたと考えています。N高ネットコースはICT教育の進め方が上手いのでSlackなどの外部サービスをうまく利用し費用を抑えつつ生徒への快適な場の提供をしてもらいました。
部活は楽しく同級生との積極的な交流の場を設けてもらえたりイベントや活動のサポートも満足に受けられました。
とてもありがたかったし良い経験になりました。今でも感謝しています。


3年次 通学コース 2019年度

関東にあるキャンパスの週3コースに在籍していました。ネットコースに所属したまま通学コースに在籍する形になるのでネットコースでの部活動などの活動は継続ができます。

学費

通学コースではネットコースへの在籍はそのままにキャンパスにも通う形になるため、通学コースの学費に加えネットコースでの学費も支払う必要があります。
私は週3コースに在籍していたため2コースの学費だけで年間85万円程、そこに通学コース入学金やMacBookなどの諸費がのっかり100万円程だったと記憶しています。
正直費用に対して提供されるものの質は本当に低く、コスパは最悪だったと思います。

入試

通学コースには入試があります。ネットコースでは書類を送るだけで入学できましたが通学コースへ入るには会場まで行き、試験を受けなくてはなりません。
過去のスケジュールを見ると私は3月ごろ受けていました。
入試内容を外部に漏らすことは禁止されていたため募集要項に書いてある程度のことのみ書きます。
私の年は作文と集団面接でした。難易度は高くなく、考え込むようなことは聞かれません。私の受けたときにはまだ志望者も少なかったようで特に落とされたという話は聞きませんでしたが、週3を希望したのに週1にされたというような話はたまに聞きました。

別note「いただいた質問と回答まとめ」では服装や面接での立ち振る舞いなど、もう少し詳しいお話を予定しています。


いじめ

人間が集団生活を送るにあたって小さな諍いは切っても切れないものです。迂遠に書いても仕方がないので包み隠さず書くと私のいたキャンパスではいじめはありました。

私は部外者に過ぎなかったし、詳しいことはわかりません。先生を挟んで解決していたようですが、その後被害者をキャンパスでみかけることはありませんでした。
ただ、これはN高だからいじめがあったわけではなく人間が集団生活を送る以上必然的なものだと考えています。だからこそ教員側の柔軟な対応が求められていると思います。

Mac Bookについて

MacBookはapple storeかApple公式サイト、信用できるインターネット販売サイトで購入してください。間違っても家電量販店で購入してはいけません。

スクーリング

通学コースはキャンパスごとに行いました。この年から非常勤の先生は見かけなくなりました。特に前年と変わらずでした。

テスト

この年からタブレットでの試験となりました。私の在籍していた通学コースのキャンパスで受けました。追試が始まったのはこの年からです。初めての試みで多少のごたつきはあったようですが概ね前年と同じだったと思います。

キャンパスの雰囲気

これはキャンパスによって大きく異なるようです。私のいたキャンパスは都心から少し離れた場所にあったためアットホームな雰囲気が売りというようなことを言われましたが、それは見方を変えれば排他的ということでもあったと思います。

先生

通学コースには4種類の大人がいます。クラスを担当する担任(教員)の他にキャンパス長、TA(ティーチングアシスタント)、あまり関りはない広報の方がいました。
教員はクラスを持ち生徒はそのうちの一つに入れられます。クラスといっても教室があるわけでなく、他クラスの子とも一緒に授業を受けます。便宜上面談などを行う担任がつくというだけのものです。
キャンパス長はクラスを担当しない教員です。クラスを持っていないということ以外は生徒から見た教員との役割の差はありません。
TA(ティーチングアシスタント)は大学生のバイトで多くの場合授業の進行は彼らがします。日誌の確認や授業中の生徒の見回り、Nゼミの進行は彼らが行います。
広報の方は通学コースの見学の際に説明をいただいたとき少しお話したきりでした。
教員免許を持っているのはキャンパス長と担任のみで、ネットコースでは前職も教員の方が多かったのに対し、前職が一般企業(教員以外)に勤めていた方が多い印象でした。

教員はネットコースと変わらずで、人間なので相性があります。私は苦手な先生は一人もいませんでしたが、友達は担任の先生と反りが合わず学期の途中で担任を変更してもらっていました。面談では生活面の話(体調や家のこと)が多くを占めていて学習面でのサポートはほとんどありませんでした。
不満に思っていたのはTAの対応で、大学生バイト故かとにかくマニュアル対応で融通が利かない。N予備で視聴していた授業について検索エンジンを用いて調べていたところケンカ腰でなにをしているのかと食って掛かってこられたこともありました。
授業中関係のないことをしてはいけないが、正当な理由があればスマホや参考書、検索エンジン等を利用しても良いということが4月に説明されました。
しかし、担任に許可を取って活動していても、担任不在のときなどそれを証明する術がない場合には担任が来てから聞くから今日はやめて、と活動を妨げられることは頻繁にありました。TAが多くいたキャンパスだったので毎度自分の活動の正当性を時間をかけて説明しなくてはならず、多くの時間を無駄にしました。

特進専攻

通学コースには特進専攻があり、午後の授業を勉強して過ごす制度でした。私は選択していませんでした。仕切られた狭い空間で隣で騒がれながら自分だけ勉強する姿は大変そうでした。このために通学に行く必要はないと思います。

AL制度

アクティブラーナー制度といいます。条件を満たした生徒は午後の時間を自分の好きな活動に使えます。
私の友達は自分の作業で出席日数が足りず、ALになる前に外部で功績をあげてしまいその作業で忙しく学校に来なくなってしまいました。そもそもが学習以外で自走して活動できる生徒のための制度なはずなのに、本末転倒だったと思います。
好きなことをするというのも結局は自習に過ぎないですし、別にネットコースでよくないですか?

プロN

必要性を感じていませんでした。カツカツの時間で小学校の総合の時間のようなことを延々とやらされます。最初に説明されたスケジュールが突然大幅にずらされたり、行動の制限が多々あったり、と学校側がそんな感じなので生徒間でもやる気のない子が多く見受けられました。たまにある講演はためになったことはありましたがその程度でした。  

英語

とてもレベルが低いです。
学年の最初に基礎問題のテストでクラスわけが行われます。問題なのがこのクラスわけで、中学レベルの基礎問題で振り分けられるため、一番上のクラスでも一般高校生レベル延いては受験レベルに対応ができません。段階を踏んで学習を進めるようなカリキュラムは組まれておらず、年間を通して同じレベルの同じことをやり続けるため成長は見込めません。多くの生徒が惰性でこなす時間となっています。

中国語

選択していないため不明。私の時は週一生は受講できませんでした。先生は中国人の方だったようです。

プログラミング

プログラミングと名前がついていますがプログラミング言語などを学ぶ時間ではありません。
プログラミング必須課題というGoogleスプレッドシートやadobe系ソフトのチュートリアルを終えてからパソコンで好きなことをする時間です。
勿論名前通りプログラミングを勉強してもいいしN予備で映像授業を見ても良しでした。
ただこの好きなことを学ぶというのが曲者で、TAから見て学習に関係のない活動をしているように見えるというだけで何度も説明をさせられたりと自由な時間を無駄な説明で制限される瞬間が頻繁にありました。

Nゼミ

生徒は週に一回放課後Nゼミという軽いディベートのようなことを行います。場を取り仕切るのはTAで、時事っぽい話題が出されることが多いです。キャンパスの雰囲気的にもトゲトゲしい子が多かったので、人を馬鹿にしたりあからさまに喧嘩を売るような子もいました。一度私が参加していたグループで女の子二人が度を越した言い合いになってしまい、場を回していたTAも止めることがなかったため、すごく空気が悪くなったことがあります。

友達

さて、中学生の時学校に来られなくなった同級生って必ずいましたよね。最初はみんなちょっと心配するけど、そのうち忘れ去られて机すらなくされてしまう同級生。大概の場合、ちょっと上からな物言いや虚言癖があってなんとなく同級生たちから遠巻きにされていた"変わった"子たち。彼らはどこへいってしまったのでしょうか。
そう。N高通学コースにいます。という冗談はさておき。ネットコースでは普通高校から転学してくる子の割合が高かったのに対し、通学コースでは中学時代から不登校の子の割合が高いようです。そのためか言葉を選んで話せない、見栄のための虚言など公立中学校でやれば一発アウトな子がなかなかに多い。
個性的なのは良いことでしょうが公の場で言って良いことと悪いことの区別くらいはつけてほしいと思っていました。例を挙げれば、年度はじめの出会い頭から下ネタとセクハラで距離感ゼロの子、悪いことを言ってみればカッコいいと思っている子、こういった類の子が本当に多かった。
また、通信制高校のパターンとして多い、全生徒の半分近くは来なくなっていました。

進路

とても厳しかった。そもそも通信制高校の利点である時間をプロNやNゼミといった無駄なカリキュラムが潰してしまっていました。
先生方はサポートしてくださっても、カリキュラムがそれについてこなかった。本当は大学受験の勉強をしなくてはならないのに、中学レベルの英語をやらなければならず、プログラミングでは融通のきかないTAに常に監視されていました。後半は受験のためキャンパスへはほとんど行かず、予備校で勉強していました。
キャンパス長には来ないのならば通学コースにいる意味はないと言われました、私にとっては勉強しない高校生活よりも先の大学生活のほうが圧倒的に優先度が高かったため振り切って予備校に籠る生活をしていました。職務上そう言わなければならなかったことは当時から理解していました。
少なくとも通学コースは一般受験を目指す生徒向けではなく、推薦でも有利になるような活動はありません。大学進学を目指す方は通学コースは避けた方が良いでしょう。

総評

最終的にキャンパスに通うことはなくなり予備校に籠るような形になってしまいました。第一志望には合格しましたがそれは学校のおかげではなく、怠け者を根気よく世話してくれた予備校と黙ってお金を出してくれた親のおかげだと思います。大事な1年とお金を無駄にしてしまいました。通っていいよと言ってお金を出してくれた父に今でもとても申し訳なく思います。


不祥事について

N高で起こった不祥事についていくつかご質問いただいていましたが私の卒業後に起こった出来事でしたので回答が難しいです。別note「卒業生に聞きました!N高の生活と進路」で当時の在校生達に少しだけお話を聞きます。ただ、彼らもただの高校生でしたし、確実な情報をお約束できるものではありません。


卒業後

第一志望の大学に進学しました。大学生活の大半は研究室に籠り切りの生活を送っていました。
通信制高校卒であることやN高出身であることを明かすとあからさまに顔をしかめる人や、ヤバい学校でしょう?と聞いてくるたちには多く出会いましたが、今現在の自分が真面目に実直に生きている姿を見せることで全てはねのけています。

おわりに

普通高校を辞めると決まったあのときに戻れるとしてもN高ネットコースは選択しますが通学コースへは行きません。
ネットコースでは、よい経験をさせてもらったと思っています。N高に転学したこと自体に後悔はありません。N高の二年間は楽しかったと思っていますし、未だに時折集まる友達もできました。

大学の卒業を迎えた今、先の高校生活を振り返って少しだけ偉そうな話をさせてください。高校生である期間はとても短いです。大学もまたしかりでした。だから臆せず、学校内にとどまらずたくさんの人と関わってください。勉学に限らず常に前進し続けてください。

今後投稿予定の他noteでは、ここでは書ききれなかったアルバイトや受験、多くいただいた質問に対する回答、私以外の卒業生へのインタビューを行う予定です。

コメントは自由にしていただいて構いませんが、noteはあくまで記事の保管場所として利用しますので返信をお約束はできません。
もしなにかご質問やご相談があれば下記メールアドレスまでご連絡ください。

proof_nn@proton.me

お約束はできませんがnoteよりはログイン頻度が高いので返信の可能性が高いと思います。秘密は守ります。

卒業してから随分経つので現在のN高の内情については前年の卒業生に聞いて取り次ぐ形になります。N高に関することはもちろん普通高校のことでもできる範囲で答えます。継続して塾講師をしているので受験に関してであれば、ほんの少し力になれるかもしれません。

ここまで読んでくださってありがとうございました。