久々に特急に乗った

 8月27日はとある試験を受けに札幌に行った。普段は札幌へは車で往復するのだが、この日は北海道マラソンがあって、市内中心部で交通規制が行なわれているからということで、久々に鉄道で札幌を往復することにしたのである。

 事前に往復の特急乗車券と、行きの指定席券を買って、特急ライラックに乗った。試験を控えて体力を温存したかったので、指定席は必須。自由席の混み具合はわからなかったが、指定席の号車は乗車率は半分ほどだった。

 やはり特急は速い。当たり前だ。おまけに眠くたって構わない。札幌は終着だし、乗り過ごす心配もないからエナジードリンクが不要である。まあマイカーよりは落ち着かないが、きちんと時間どおりに着くのでよい。それなりの料金はかかるが、ここぞというときに利用したい交通機関ではある。

 試験の最中、北海道マラソンに参加していたり札幌競馬を見ていたりしていた人はご存知かもしれないが、札幌はものすごい雷雨に見舞われた。始めはゴロゴロいっていて、会場の周辺事情に詳しくない私は何らかの騒音がするのかとも思ったが(窓には全部ブラインドが閉められていて雷光は感じられなかった)、そのうちドッカンドッカン雷が落ちる音が聞こえ始めたので、これはえらい天気になっているな、と思ったものだ。

 たまたま、雨は試験の最中に降り、止んだので、雨に当たることもなく、札幌駅に到着した。試験終わりなので疲れている。特急券を買ったときは帰りが何時何分になるかわからなかったから、自由席で買ったのだが、疲れているうえに明日は仕事である。やはりここは指定席券を買って座って帰りたい。

 券売機では新しい切符しか買えなかったので、JRのお姉さんを探した。どうやら真っ赤な制服を着たお姉さんがJRの人のようだ。ネームプレートを確認して声をかけたらみどりの窓口で切符の種類変更をしてくれ、とのことである。
 ところで、JRの職員の制服って、あんなに真っ赤だったかしら? みどりの窓口よろしく、緑じゃなかったかしら、と思いながら窓口に向かったが、そうだ、緑の制服はJRAじゃないか、Aがあるのとないのとではこうも違うか、などとバカなことを考えながら、窓口に向かう。

 「どの列車にしますか?」と言われるが、どの列車に乗ればいいのかわからないから「どれでもいいです」と答えると、「どれでもいいっていわれてもなあ」と鼻で笑われた。鼻で笑わなくてもいいじゃん。「一番早く出発する便で」と言えばよかったのか。慣れてる人はこういうときスマートに言えるんだろうな、どうせ私は慣れてませんよ、済みませんね、と思いつつ特急オホーツクに指定席を取ってもらう。1時間近く待つことになるが、特急のデッキで大きなカバンを抱えて帰ることを考えれば何のことはない。

 1時間近くの待ち時間はそれほど長くは感じなかった。列車が到着し、自分の席に座ってしまえばこっちのものである。あとは駅に着くのを待てばよい。

 ところで、特急カムイや特急ライラックに乗ったことのある方ならおわかりだろうが、札幌から旭川に向かうと、途中、停車駅が砂川、滝川、深川、旭川と、見事に○川が並ぶ。だから何だと思われるかもしれないが、もう少し待っていただきたい。これが特急オホーツクになると、旭川の先が上川で、川が5つ並ぶのである! より一層だから何だという声が聞こえてきそうだが、それは乗車してからのお楽しみというやつである。

 特急に乗ると、放送で停車駅の案内がある。そしてそれは現在、日本語、英語に加えて、中国語でも行われるのである!
 そしてこの中国語放送の、川5連発の部分が何とも耳に心地いいのだ。すながわ、たきかわ、ふかがわ、あさひかわ、かみかわ、と読み方もイントネーションも全体のモーラ(拍)も異なる5つの地名が、中国語にすると全て2音節になり、まるで音楽のように美しく聞こえる。

砂川 Shachuan(シャーチュアン)
滝川 Longchuan(ロンチュアン)
深川 Shenchuan(シェンチュアン)
旭川 Xuchuan(シーチュアン)
上川 Shangchuan(シャンチュアン)

という具合である。ポイントは砂川の前の、美唄 Meibai(メイバイ)を聞き逃さないことである。そして思う存分チュアン5連発を堪能してほしい。

 今週は何か長いなと思ったら、この試験のせいであった。土日をろくに休んでいないものだから、なんとまだ水曜日で、明日は木曜日だというのである。ああ、しんどい……。

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