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「再雇用は退職後ライフの予備校」だ!

これまで、定年ひとり起業のことを書いてきましたが、身近で再雇用期間に何をすべきかに悩んでいる方が多くおられます。私自身は、再雇用期間は、退職後ライフをしっかり準備するための予備校期間だと思っています。自分自身の経験を踏まえて、こんなことをするといいなということを書いてみました。

再雇用とは

多くの企業では、60歳定年。そして65歳までの雇用義務を果たすために、60歳以降は再雇用のシステムをとる会社が多い。厚労省のデータでは、1000名以上の大企業では、36%が再雇用制度を保有。また、再雇用の制度がある企業では、83%以上の人がその制度の利用を希望しています。

それでは、再雇用の定義は?厚労省のホームページを見ると以下の記述があります。

定年年齢を65歳未満に定めている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、「65歳までの定年の引上げ」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を実施する必要があります。(高年齢者雇用安定法第9条)
継続雇用制度」とは、雇用している高年齢者を、本人が希望すれば定年後も引き続いて雇用する、「再雇用制度」などの制度をいいます。

同じ「再雇用制度」と言っても企業により、まちまちの制度となっています。

再雇用で何が起こる

それでは、実際に60歳を超えて再雇用になったら何が起こるかについて私の経験を踏まえて、ご紹介します。

非正規雇用
再雇用になると、私の場合は嘱託社員ということでした。この立場は、政府の統計上は非正規雇用となります。Wikiでは「非正規雇用(ひせいきこよう)は、正規雇用(Regular employees)以外の有期雇用をいう」と解説

再雇用になる前に一旦会社は定年退職しており、再雇用者は「有期」で会社と契約をしています。実際、私の場合も毎年契約更新の手続きがありました。

このように再雇用者が非正規雇用のカテゴリーに入っているため、高齢化が進み、再雇用者の数が増えることで、年々非正規雇用者の割合が増えていくわけです。

ヒラ社員
私の会社では、55歳が役職定年でしたが、役職は離れるもののそれ以降も管理職としての待遇でした。

一方、再雇用になると、立場は全く異なります。いわゆる「ヒラ社員」となります。即ち、部下なし、責任なし、権限なしとなり、多くの場合、上司・部下の立場が逆転します。役職定年前の部下が自分の上司となるので、会話がなかなか微妙です。

また、過去の自分を知っている人はある程度リスペクトしてくれますが、全く知らない人にとっては、新入社員以下の「できないおじさん」扱いされる場合もあります。

部下なしですので、書類作成等は全て自分でできないといけません。今まで、パワポ、ワード、エクセル、出張精算等を部下にやってもらっていたりしていたものを、全て自分でできるようにならないといけません。コロナ禍で、システム化がさらに進行して、色々な技術が導入されても、親切に教えてくれる部下はいないので、全て自分で解決しないといけません

ただ、良いこともあって、それまでは時間管理対象外のマネージメントとして「24時間会社のために働く」というスタンスを取らなければいけなかったものが、時間管理対象者となり、定められた時間外は会社のことはする必要がなくなります。厳密に言えば、時間を超えて仕事をしてしまえば、残業代を請求しないと労働基準法上問題となります。

従って、時間外については、自分のやりたいことに時間を使えるという大きなメリットがあります。


給与激減
再雇用になって一番インパクトがあるのが給与です。一般的に、役職定年時に2-3割程度給与が下がり、再雇用時にさらに3割程度下がると言われています。一方、私の会社では、役職定年時の給与が変わらなかったため、再雇用後の給与はなんと半分以下になってしまいました。

ある程度覚悟はしていたのですが、4月から再雇用となり、その給与明細を見た時に、思わず「えー!」と悲鳴を上げて、周りをびっくりさせてしまいました。それは、給与の一部を生活費用として、配分していた額に、各種天引き後の支給額が満たずに、引き落とし困難とのメッセージを見たからです。

なぜ、こんなことが起こるのか?それは、地方税と社会保険料のベースが前年年収をベースとしていることと、持株会、保険等の各種天引きの額を退職前と同じにしていたためです。まさに「給与半減ショック!」でした。

そこで慌てて、様々な天引きを見直しました。持株会投資額の減額、生命保険の見直し、そして生活費用の配分の引き下げ等々、いろいろなことをしました。同時に、必要な生活費を引き下げるために、携帯料金や様々なサブスク費用、新聞の解約等も実施。車にかかる費用の見直し。私はキャンピングカーを通勤にも使いながら保有していたのですが、コロナでほとんど使わなくなっていたので、キャンピングカーシェアのCarstayと契約して、使っていない期間は貸し出しをすることで、車の経費を捻出することにしました。住んでいた家は、自分で建てたものですが、2世帯用の木造建築で、冬と夏の光熱費がとても高いので、住み替えも検討し始めました。

再雇用期間に何をすべきか

それでは、再雇用期間中に何をすべきかを挙げてみます。私は、再雇用期間を大変ポジティブに捉え、「定年後ライフのための予備校」だと考えます。

再雇用期間に実施することの一番大切なことは「定年後の生き方を考え、それを叶えるための準備をする」ことだと思います。順にステップを挙げてみます。

ステップ1. 自己理解


自分が「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」をまず考えましょう。退職後は、会社員時代のしがらみを離れ、好きなことだけやりながら、楽しく暮らしたいと思いませんか?

そのためには、「何をしたいのか」を決めなければなりません。それには自分をしっかり見つめ直すことが必要です。会社員になるときに、「本当にやりたいこと」をできる会社を選びましたか?もしかしたら、自分の意思に反して、「入れる会社」に入りませんでしたか?また、仕事も「本当にやりたいこと」をやってきましたか?もしかしたら、生活のため・家族のために、嫌な仕事・嫌な上司に我慢しながらやってきませんでしたか?

退職後は、そんなしがらみは忘れて構いません。残りの人生は、「好きなこと・得意なこと・大事なこと」だけやって、「人に喜んでもらえる仕事」をしながら、必要な「お金を稼ぐ」IKIGAIライフを送ってみませんか?

その第一歩が「自己理解」です。子供の頃や学生時代を振り返ってみてください。「あれがやりたい」「これになりたい」と思っていたことはありませんか?何かをやっていて時間も忘れて没頭することはありませんか?

自己理解を進める上で、大事なことは、今までの自分のやってきたことを振り返り、どのポイントが自分にとって楽しかったのか、それはどんなことをしていた時かをよく考えてみてください。ライフラインチャートを作ってみると良いと思います。(作り方については、松浦修治さんのnoteがとても参考になるので、読んでみてください。https://note.com/shujinext/n/n093f057fb114

もっと極端にいうならば、「あなたは余命1年と宣告されたら何をしますか?」大津秀一氏の「死ぬ時に後悔する25のこと」の第5番目に「自分のやりたいことをやらなかった」とあります。死ぬ時に後悔しないように、ぜひ今「自分のやりたい」ことを見つけて、退職後の人生ではそれをぜひ実現しましょう

私は、30代にフランクリン・コビーの「7つの習慣」のセミナーを受け、その中の第2の習慣である「終わりを思い描くことから始める」が一番気に入りました。いつもそれを心がけて、やりたい事をやってきた結果がPROTEAN HIROになってしまいました。

ステップ2. ファイナンシャルプラン


自分の「やりたいこと」がステップ1である程度見えたら、一度、90歳ぐらいまでのキャッシュフローシートを作ってみましょう。会社でよく、定年前の方向けにライフプランセミナーが行われますが、その中でこのシートを作ることが多いと思います。

会社でライフプランセミナーがあれば、ぜひ配偶者と一緒に行ってください。そうすれば、それぞれの退職後のイメージと家計の課題を共有できる機会となります。ご自身が奥様と一緒に「キャンピングカーで日本中を回りたい」とか「世界一周の船旅に出たい」とか「田舎に移住したい」とか妄想していたら、この時点でその予算を計上することで、奥様の反応がすぐにわかります。多くの場合、「即却下」されてしまいますので、手遅れにならずに済みます。

もし、そのような機会がなければ、無料でライフプランシートをダウンロードするサイトがあるので、ぜひ活用ください。
(例、日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/)

そのシートを活用して、お子様の教育、家のローン、両親の介護、自分達の介護費等も考慮して定年退職後以降にどの程度お金を稼がなければならないかを見極めてください。もし、現時点で「老後破産」が見通せるようでしたら、信頼できる独立系のフィナンシャル・プランナーに相談されることをお勧めします。(銀行・生保・証券系は避けましょう) 恐らく、生活費をかなり削る必要が出てくるでしょう。年金の繰下げ受給等もその時にしっかり検討すべき事柄です。

その上で、退職後毎月どの程度のお金を稼がなければならないかが見えてきます。生活費をきちんと見直せば、会社員の方であれば厚生年金と退職金・個人年金等で、月々それほど多くの金額を補填する必要がないとわかると思います。もし、共働きであれば、両方の厚生年金を合わせれば、老後の心配は全くないかもしれません。

ステップ3. 「退職後何をやるか」を考える


上記のステップ1、2を考慮して、何をやりたいかを決めましょう。老後資金に全く不安がなければ、好きな趣味だけに生きることも考えられます。一方で、多少月々お金を稼がなければならなければ、ステップ1の「やりたいこと」で、「世の中の需要」があって、「必要なお金が稼げる」仕事を考えましょう。

もし、転職を考えているならば、一度「転職サイト」に登録してみることをお勧めします。自分自身の市場価値を冷徹に見極めることができます。それをやってみると、「再雇用」がいかに恵まれた環境かがわかるかも知れません。一方で、自分がやりたいと思っていることで、需要があるならば、転職するのも良いでしょう。昨今の円安で、海外で今と同じ仕事をしても、2倍以上の給与が得られるかもしれません。

また、実際にハローワークを訪れて、どのような求人があるか、退職後のプロセス等を確認しておくことも大切です。ハローワークでは、キャリアコンサルも受けられるし、就業のための様々な教育もしているので、そこで必要な教育を受けるのも良いでしょう。

また、もし自分のやりたいことで起業がしたいならば、市場調査を忘れないようにしてください。もしかしたらその市場はレッドオーシャンで、成功確率が低いかもしれません。その場合、失敗した時のリスク、ニッチ市場への参入等いろいろな事を考える必要があります。定年後起業する場合は、できる限り投資を少なくし、人を雇わない低リスクなものを選ぶのがお勧めです。(定年ひとり企業については、別途Noteに書いていきたいと思います)

ステップ4. 家族と相談する


ステップ3で自分がやりたいことが概ねわかってきたら、次はご家族と相談することが大切です。男性でしたら、絶対に奥様に相談しないといけません。女性は概してコンサバで、ご主人が亡くなった後に、絶対に困らないようにリスクは最小限に抑えることを好まれます。その際に、自分のプランが、ファイナンシャルプラン上でも問題ないことが証明されれば、理解を得やすいと思います。

私の場合は勝手に、「長野に移住してそこで毎日写真を撮って暮らす」ことを夢想していましたが、妻に話して一瞬にしてボツになりました。

ステップ5.  必要なスキル・資格を身につける


これまでのステップで「やりたいこと」が見え、家族の理解も得られたら、次はそのために必要なスキルや資格を身につける必要があります。

まずは、書籍やYouTube等で先人のノウハウを研究しましょう。また、自分のやりたいことをやっている人たちのコミュニティに参加することも有効です。そこで、いろいろな苦労話・失敗談を聞くことができれれば良いし、何よりも同じことをやっている人たちの人的資本の蓄積につながります。

また、必要なスキル・資格を身につけために、専門学校に通ったり、セミナーに参加することもお勧めです。そこで得られるスキルも大事ですが、同じものを目指す仲間と知り合うことがとても大切です。私も、写真、日本語講師、キャリアコンサルタント、NLP等様々な資格取得に挑戦し、そこで知り合った仲間と今もF B等でつながっているし、時に助けを求めたりもしています。

あと大切なことは、会社のリソーセスの徹底活用です。私の会社でも、自己啓発のために、Udemyやグロービスのe-learningを安価に提供していました。また、会社で自分がやりたいことをやっている部署があれば、そこに入れるように働きかけたり、また、プロボノで他業種支援等の機会があれば、これを活用しない手はありません。

ステップ6. ビジネスプランと実行プランの作成


会社員であれば、あるプロジェクトを実現するために、企画書を書いたことがあると思います。あなたの定年後ライフは、「人生最大の自分プロジェクト」と位置付けて、一世一代の企画書を書き上げましょう。

これまでのステップで、やりたいこと・実現のために必要なことが見えてきたと思います。それらを合わせて、再雇用期間中と、退職後5−10年を見据えたビジネスプラン(仕事をしない場合はライフプラン)を考えてみましょう。どのタイミングで、どのスキルを得て、どのようにやりたいことを達成するか、具体的なプランを作ってください。そうすれば、再雇用期間中にやるべきことが明確になってきます。

また、自分のやりたいことを実現するためのスケジュールの中に、再雇用期間中にトライアルを入れる事を強くお勧めします。私の場合は、再雇用期間中に出張カメラマンとして副業申請して、個人事業主としてのビジネスを始めました。こうすることで、会社の看板を背負わず、直接お客さまと対面することの大変さを学びました。また、個人事業主として青色申告をすることで、会計の知識が必要であることも学びました。もし、副業が認められない会社であれば、ボランティア等でトライアルしてみると良いと思います。再雇用期間中は、まだ金銭的に安定しているので、失敗しても取り返しがつきます。やってみて、自分のやりたいことではなかった、計画が甘いとわかるかもしれません。ぜひ、色々と試してみてください。

そして、最終決裁者は配偶者です。配偶者に必死のプレゼンをして承認が得られたら、そこからGoです。


ステップ7. 会社での振る舞い(追記)


肝心なことを書き忘れていました。時間的に一番長くいる「会社での振る舞い」はどうするか?正社員を外れて、嘱託・非正規の身分になったときにどうすべきか、悩む方は多いと思います。

「今までやっていた仕事と全く違うところに配属」された場合と、「従来の仕事の継続で今までと全く変わらない」場合について書いておきます。

まず、「全く違う部署に配属された場合」です。結論は「自分にできることで組織に貢献できることをやる」です。

私は、55歳まで米国に駐在していて、帰国した時には今までと全く違う部署に配属されました。役職定年となっており、部下もいない状況です。仕事は技術関係で、私が入り込む余地がありません。そこでどうしたか?この部署は国内・海外も扱っているのですが、語学的なハンディもあり、ほとんど国内一辺倒の仕事ぶりでした。

そこで行ったのが、私の海外での経験・人脈を使って、現役のスタッフが少しでも助かることをアドバイスしました。一方で、英語の上達に困っている若手社員に対して、昼休みにTOEIC上達のための講座を開設しました。また、インフォーマル活動にも積極的に参加。具体的には社内駅伝大会の練習会への参加。2年間この新しい部署にいましたが、こんな活動を通じて、仲間意識がとても高まり、また、仕事も楽しくできるようになりました。

次に、「同じ部署で再雇用になった場合」です。その場合は、上司・部下の関係が逆転し、お互い気まずいコミュニケーションとなりがち。上司としても部下にどんな仕事を与えるかが手探りで、宙ぶらりんの状態です。そんな中で何をすべきでしょうか? 私の答えは、「自身のレガシーを残す」、「後輩の育成に徹する」「情報の徹底収集」、「事務的スキルの向上」です。

①自身のレガシーを残す
私は、58歳の時に元部署に異動し、その部署で定年・再雇用を迎えました。
元部署では、私が仕事を教えていた人物が上司となりました。その時点ではまだ、正社員でしたので、幹部職という職能は同じでしたが、室長・部下の関係でした。
残念ながら、コミュニケーションはぎこちなく、やりたい仕事はほとんどさせてもらえず、悶々とした日々を送りました。

そこで何をしたか。結構時間があったので、まず、自分が作ってきたノウハウを全てデジタル文書・写真・映像で残すことです。私は、トヨタの海外販売店に改善活動を教えることを30年以上行ってきました。当時は、トヨタの改善ノウハウは門外不出。口頭・背中では教えても、文書に残したり、ましてやそれを無造作に手渡すことは禁じられていました。特に海外の方にこのノウハウを教えるのがFace -to-Faceでしかできませんでした。そのため、きちんとしたノウハウが文書として残っていませんでした。そこで、会社を去る前に、このノウハウを全て体系化して残しておきたいと考えました。長年一緒にこの仕事をしてきた技能系の仲間とそのノウハウを全てデジタル文書で書き残し、英語化することにしました。結局、1年間かけて仕事を完結しました。そのノウハウは、わかる人には数億円の価値があると思っています。結局、私がその仕事を離れた後に、そのノウハウを活用した資料等が作られたので、自分としては満足しています。

②後輩の育成に徹する
次にやるべきは、「後輩の育成に徹する」ことです。私の勤めていた会社は、人材育成に対して強い思いがあり、役員からは「人材育成の合間に仕事をせよ」とまで言われていました。また、再雇用にあたって、上司からの期待値を聞くと「後輩の育成」がいつも第一に上がってきます。

ただ、ここでは、過去の自分の成功体験の押し売りはいけません。そんなことをすると、上から目線の「偉そうなおじさん」と思われて、遠ざけられます。過去の成功を踏まえ、最新の動向をしっかり把握した上で、この状況であれば、こうすると良いというソフトなアドバイスが大事だと思います。また、そのアドバイスの成果は必ず受けた人が享受できるようにしてください。あくまでも後輩が成功するための影の支援者の立ち位置です。間違っても「あれは俺が教えてやったんだ」などと自慢しないでください。自分達はやがてその場所を去りますが、託した知恵によって、後輩がその後活躍すれば、自分のレガシーは残ります。

私の場合は、コロナの影響でほとんど在宅勤務になったことと、たまたま自部署で、プロジェクト制への移行が行われました。そこで、ほとんどのプロジェクトに顔を出して、自分の経験並びに最新の業界・市場・世界情勢を踏まえて、様々なアドバイスを行いました。何せ同じ部門に34年間在籍し、世界中のマーケットを自分の目で見てきたので、このアドバイスは結構重宝されました。

③情報の徹底収集
再雇用になると、管理業務から離れる上、それほど実務の仕事も回ってこない場合があります。ともすると「妖精さん」と呼ばれて、何をしているかわからないと周りから見られる場合もあります。昔は、会議室に入って偉そうな顔をして、居眠りしながら、時折、発言することでなんとか存在感は示せました。ところが、リモートの世界に入ると、自ら積極的に付加価値のある情報・意見を発信しないと、「彼は仕事に全く貢献していない」と見られます。そのうち、付加価値のある発言をしないと会議にも招集されなくなります。3年間の在宅勤務時代に、同世代の人の顔・声を一度も見聞きしなかったということもあります。一体、彼は何をやっていたのでしょうか?

それはさておき、時間が結構取れるようであれば、現在の仕事に関わること、将来自分がやりたいことに関わる情報の収集を徹底的に行いましょう。私の場合は、無料のメディアの情報配信を会社のメルアドに届けて、時間のある時にはそれをさっと眺めることをしていました。昔ならば、壁際で新聞ばかり読んでいる状態ですが、今のネット社会では、必要な情報をスクリーニングして、瞬時に得ることができます。

具体的に私がとっていたのは「日経ビジネスオンライン」「プレジデントオンライ」「東洋経済オンライン」「New York Times」等です。あとは、朝のランニング時にPodcastで、BBC Global News Podcast, npr upfirst(米国の公共放送)TED TALK Dailyを聴いていました。特に「日経ビジネスオンライン」と「プレジデント」のデジタル版の内容は濃く、私は自費で有料会員となって全文記事を読めるようにしていました。また、両誌は、話題の書籍をいつも紹介してくれるので、その書籍をすぐにAmazonに発注していました。(残念ながら、ほとんど積読になってしまったので、最近はamazon audibleでランニング中に聞くようにしています)

こうゆう情報収集を徹底的にしておくと、前述の②の後輩へのアドバイスに最新情勢を踏まえた的確なものができるようになります。現役世代は忙しく、意外に最新情報の収集ができていないので、結構ありがたがられまし、尊敬も得られます。また、自分が将来やろうとしている業界の知識もここでしっかり収集することが必要です。

④事務的スキルの向上
再雇用になって平社員に戻ると、パワポ・ワード・エクセル等は自分でやれないといけません。これまで部下に頼めばやってもらえたものが、自力でやることになります。この場合、将来自立した時には必要になるので、新入社員に戻ったつもりで、最低限の事務的スキルはしっかり覚えることが必要です。幸い、会社では、新入社員向けに様々な教育プログラムがあるので、それを活用したり、最近はストアカやスクー、YouTubeなどでいくらでも教えてくれます。このツールを使いこなせるようにしておけば、会社での仕事、将来の自分の仕事にしっかり役立ちます。

ステップ8. その他
この再雇用期間に、人間関係の断捨離もしましょう。退職後につながっていたい人の電話やメルアドを記録しておかないと、後で会社の電話帳を見ることができません。将来的につながっていたい取引先の方のメルアドもしっかり記録し、できればプライベートの携帯・メルアドまでもらっておくと良いでしょう。

また、終の住処についても、配偶者とよく相談しましょう。もし、転居を考えるならば、再雇用期間中にした方が良いと思います。それは、会社員のステータスがあれば、必要ならば住宅ローンをまだ組むことができるからです。私の場合も、田舎にあった大きな木造住宅を売却して、車がなくても暮らせる場所で家族3人で住める中古住宅に転居することにしました。古い自宅を売って、差額分を住宅ローンで組みました。退職金を使えば、その差額分は払うことができたのですが、住宅ローン金利よりも投資信託や配当重視の株式でその分を運用できれば、はるかに有利であること、ローンを組んだ時に団体信用保険に入ることで、万が一の場合は、妻に残額を払わずとも家を渡せるのでその選択をしました。

また、退職後はクレジットカードも作れなくなるので、手持ちのカードを見直して必要分は残しておきましょう。

本稿は、将来このテーマでKindleで出版すること、また、このテーマでセミナーやコンサルを実施することを意識してその草稿として書きました。こんなところをもっと知りたかったとか、ここはおかしいとか、是非ともフィードバックいただければ幸いです。

また、このnoteを見て、キャリア相談をしたいとお思いの方は、以下のサイトからご要望ください。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。


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