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0154 - アレンジレンジ

t= 3 d= 7

なんやかんやでドラマーとして音楽活動を始めて20年以上になる。これまで声がかかるままにドラムを叩いてきたところ、気づけば60組を超えるバンドやユニット、アーティストのバックバンドなどで関わらせてもらってきた。

そんな状態なので、常に何らかのバンドでスタジオ練習やライブを行っており、誰とも一緒に演奏しない状況が一ヶ月以上続くことは滅多にない。

ところが今はコロナである。ライブができない。スタジオにも入れない。東京まで移動できない。みんなで集まれない。なんなら外出自体を極力控えなければならない。バンドで集まって生演奏することなんて物理的に不可能だ。

最後にバンドで演奏してから、もうかれこれ二ヶ月ほど経つ。それだけでも自分的には事件だが、この状況はまだまだ続きそう。うーん、スタジオに入りたい。ライブやりたい。

そんなことをボヤいていたところ、所属しているバンド(野獣のリリアン)メンバーから『何か曲を決めて、各自が演奏している映像を持ち寄って遊んでみないか』という案が出た。いいね、いいね。グループLINEでは満場一致で可決。

曲も決まり、ではではと、まずは土台となる打楽器担当の自分から共有することに。自宅には生ドラムセットも電子ドラムもあるのだが、それらを普通に演奏した動画ではあまり面白くない。せっかくなので普段やらないことをやってみたい。だからといって手間をかけず、パパっと撮影して共有できる方法で。

部屋の中を見渡してみて、思いついたのが以下の方法。

・右手:クリップボードで頭を叩いて低音(バスドラム)を。
・左手:頬を叩いて高音(スネアドラム)を。
この組み合わせでドラムパートの基本リズムを再現してみた。

イヤホンで曲を聴きながらスマホで撮影。予想以上に演奏も音も具合が良い。早速メンバーに共有してみた。

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ダメ出しも無く、面白がって受け入れてくれて一安心。

しばらくして、他のメンバーからも動画が届いた。

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本来はギターを弾いているメンバーが何故か鉄琴を演奏。動画でお見せできず申し訳ないが、ちゃんと上手い。

最初の2ステップが『頭や顔を叩く → 鉄琴』と続いてしまったこともあり、全体に『いつも通りじゃダメなのか』な空気感が流れ始めた。

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いろいろと滅茶苦茶ではあるが、こんな流れをむしろ楽しく捉えて次々と突飛なアイデアを放り込んでくるメンバー達。なんとも素敵すぎるじゃないか。しかも、共有するとすぐにミックスした音源まで用意してくれて、イメージしたものがカタチになっていく『工程』まで楽しめてしまう贅沢。

才能や技術を『面白い=楽しませる』方向で活用できる人たちはカッコイイ。

バンドとして集まってバーンと音が出せないのは寂しいが、こうしてオンラインでデータを共有しながらも『いつもと違うバンドアレンジで曲をカタチにする』という新たな遊び(ワクワク)を体験できて、とても幸せだ。

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