日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA

vigorous intermittent lifestyle physical activity (VILPA):活発な間歇的ライフスタイル身体活動の短いburstのmovementのパターンをウェアラブル端末で検出評価
これは”特定のレジャー的運動”ではなく”日常生活上の身体活動”の評価したもの
VILPA分布の下限値(頻度と1日の継続時間の中央値、すなわち1日3~4回の運動、1日4~5分程度まで)において死亡リスクの急減が見られ、VILPAが多いほど死亡率の向上が継続し、3つの結果(全死亡、がん死亡、CVD死亡リスク)すべてにおいてほぼ直線的。1分または2分までのバウト間、および3つの死亡アウトカム間でほとんど差がなく、1日平均3.4~4.1分以上のVILPAは、死亡リスクの22%~28%減少(VILPAを行わない場合と比較して)と関連。1日の最低頻度量、2回未満のVILPA(持続時間1分または2分)で、全死亡リスクおよびがん死亡リスクを24%~26%、CVD死亡リスクを33%減少。VILPA頻度の中央値である1日3回(長さ標準化)は、全死因および癌死亡率の38%~40%、CVD死亡率リスクの48%~49%低下と関連。1日のVILPA時間の中央値4.4分は、全死因およびがん死亡率の26%~30%の減少、CVD死亡率リスクの32%~34%の減少と関連

WHOやHHSなどは、活発な歩行に相当する中程度の強度の活動を週に少なくとも2.5時間推奨するも、多くの成人は定期的レジャー運動は行っておらず、HHSの報告によると、2020年には、18歳以上の成人の約4分の3が十分に活動してないとのこと。さらに、WHOの最新の推定では、「14億人以上の成人が、不活動に関連する病気を発症または悪化させるリスクがある」
今回の報告で判明したのは、日常生活上の小さな動きが重要で、その積み重ねが健康ベネフィットをもたらすとのこと。ただ、従来の定期的包括的運動プログラムに変わるべきものというわけではないことも述べられている。「すべての個人にとって最良の身体活動ルーチンは、毎週または毎日のルーチンに適合でき、長期的に継続できるものです」とのこと

Association of wearable device-measured vigorous intermittent lifestyle physical activity with mortality
Emmanuel Stamatakis, et al.
Nature Medicine volume 28, pages2521–2529 (2022)
https://www.nature.com/articles/s41591-022-02100-x

ウェアラブル端末は、余暇の運動としてでは なく、日常生活に組み込まれた短時間の活発な間欠的ライフスタイル身体活動(VILPA)などの未解明な運動パターンを捉えることができる。ここでは、英国バイオバンクの非運動者25,241人(平均年齢61.8歳、女性14,178人/男性11,063人)において、VILPAと全死亡、心血管疾患(CVD)およびがん死亡率との関連を検討した。
平均6.9年の追跡期間中、852人が死亡し、VILPAはこれら3つの転帰すべてとほぼ直線的に逆相関していた。VILPAを全く行わない参加者と比較して、サンプル中央値の1日3回(各1分または2分)のVILPA頻度でVILPAを行った

被験者は、全死因および癌死亡リスクを38%~40%、CVD死亡リスクを48%~49%減少させることが示された。さらに、標本の中央値である1日あたりのVILPA時間4.4分は、全死因およびがん死亡リスクを26%~30%、CVD死亡リスクを32%~34%減少させることが示された。
運動している英国バイオバンク参加者62,344人(死亡者数1,552人、女性35,290人/男性27,054人)において、活発な身体活動(VPA)について上記の解析を繰り返したところ、同様の結果が得られた。
これらの結果は、少量の運動しない活発な身体活動が、死亡率の大幅な低下と関連していることを示している。
運動をしていない人のVILPAは、運動をしている人のVPAと同様の効果を引き出すようであり、特に運動ができない人や意欲のない人の身体活動目標としては、VILPAが適している可能性が示唆された。


a,b、持続時間1分(a)および2分(b)までのVILPAの発作について、1日のVILPA持続時間の増加に伴う全死亡HRを示す用量反応曲線。 c,d、持続時間1分(c)および2分(d)のVILPAの発作について、VILPA頻度の日次増加に伴う全死亡HRを示す用量反応曲線。データは、平均追跡期間6.9(0.8)年、イベント数852のn=25,241人について示されている。菱形は、ED50統計量によって示される最小用量で、最適リスク低減の50%に関連するVILPAの1日投与時間/頻度を推定する。円形、VILPA値の中央値に関連するHR(値の一覧は補足表4を参照)。データはオンラインメソッドに記載された共変量で調整されている。破線で区切られた斜線領域は95%CIを表す。陰影領域内にある実線はHRを表す。矢印は、変曲点が観察されないことを示す(例えば、VILPAの量が多いほどリスクが低下する)。右のヒストグラムは、標本分布を示す。


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