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プレバイオティクスの定義から人間様と腸内細菌様のエサを考える!?

昨日までは、プロバイオティクスの定義や発酵食品について見てきました。今日からは、改めて腸内細菌のエサになるプレバイオティクスの定義からおさらいしたいと思います。

「宿主に有益な微生物を生体外から積極的に取り入れる」というプロバイオティクスの概念に対し、プレバイオティクスの定義は、「経口摂取したときに生体に有益な作用が期待される、腸内細菌を選択的に増やしたり活性化したりすることのできる難消化性食品成分」とあります。

ここで言う、‟選択的な” は悪玉菌に作用するのではなく、善玉菌や日和見菌のいい菌に作用すると言う意味ですね。そして ‟難消化性” は、小腸で消化吸収されずに、大腸まで運ばれて腸内細菌のエサとして代謝される。また、‟食品成分”とあるのは、必ずしも生きた状態でなくても、細菌の死骸でもその成分をもってして有効だということです。

この成分に反応する話しは、2月16日のコラム「ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は生きたまま腸まで届かなくても良い!?」で触れています。良かったら読んでみてください。

それで、以前のコラムと重複する部分があるかも知れませんが、以下、『食品免疫学事典』から引用します。

「プレバイオティクスの効果は、もともと宿主がもっている腸内細菌に作用して、摂取した食品成分の利用(資化)性が重要となります。(ここでいう‟資化”とは、微生物が栄養源として利用するの意味です。)」

「その特徴は、経口摂取したときに、消化酵素などによって胃や小腸などの消化管上部で分解されずに大腸まで到達し、腸内常在菌の基質として利用されることであり、その結果、利用した腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸などが大腸内で作用して宿主のエネルギー源になることや、大腸内のpHが低下するなど、腸内細菌叢の構成の変化とともに腸内環境を変化させ、生理的にも大きな影響を与える。」

要するに、エサを食べた腸内細菌が短鎖脂肪酸などの代謝物を生成、それがエネルギー源になったり、酸性に傾き他の悪影響を及ぼす菌が棲息できないようにしたり、腸内細菌叢の構成比を変えることで腸内環境を良くし、健康につなげられる。そういうことですね!

総括すると、自分自身のエサ(言葉は悪いですが、笑)と腸内細菌のエサを同時に摂取して、エネルギーを生み出し、免疫力を高める。それは、どちらのエサが不十分でもいけない。自分の身体の状態、腸内細菌の構成比をしっかり把握して、食べるものを真剣に考える!それが健康にいきるための必須条件ということだと思います。